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第2章 アカデミー1年生
29 儀式
しおりを挟む週が明け、ついに四大元素の儀式の日。ちなみに刹鬼達は話し合った結果魔本の中に入った!
何か依り代があれば普段はそれに隠れられる、と言うので探してみた。だがしっくりくるものがなく、じゃあこれでと魔本を指した。まあいつも持ち歩いてるし、カッコいいからいいや。全員入ったのには驚いたが。
あと次の日にジル先生が「何やらかした!」と飛んできたので「いや~部屋にゴキが出て暴れちゃって~」と適当に言っといた。全然信じてなかったが引き下がってくれて、感謝感謝。
刹鬼達、呼んだはいいけど周りにバレる訳にゃいかないよな。いずれ授業で[魔法生物]というのを学ぶらしい。習ったらそれだと言い張ろう。
そして場面変わり現在教会にいる。儀式って何、神頼みでもすんの?1年生は全員いるようだ。礼拝堂に並んで座る。座りきれない生徒は、俺含め立っている。主に男子。
「ではこれより儀式を開始する。と言っても皆は何もしなくていい。
この世界には、火 風 水 地の四大元素それぞれを司る存在がいる。それらは姿も名前も誰も知らない。知っているのは約3000年前に存在したとされる大賢者のみ。
今日はそれらに使用の許可を得るようなものだ。これより神官殿が言葉を唱える。終了と共に祝福の光が降りるから受け止めればいい。」
突っ立ってればいいのね。思ってたより簡単なんだな。しかし名前無いのか。...昔好きだったゲームの中で四大元素の神がいたから勝手にそれで呼ぼう。えーと確か...忘れた。思い出したらでいいや。
そんな事を考えていたら、すでに始まっていた。全然聞いてなかったけど大丈夫かな?
しばらくすると、言葉が途切れる。終了のようだ。その直後、空中から七色の光が降り注ぐ。
みんな目を奪われているようだった。...綺麗だな...沢山浴びたらめっちゃ強くなれたり...しないか。なんかぽかぽかするなー。やば、眠くなってきた...。早く帰りたい。
...って尋常じゃなく眠いんですけど!?まさか光の効果?あ、これヤバい。
「アルト...。すまん」
隣にいたアルトに先に謝っておく。
「え?どうしたの。」
「俺、倒れるわ。」
「へ」
はい無理ー。俺は勢いよくぶっ倒れた。
「わー!!シャル!?せんせーーー!!」
アルトがパニクってるわ。お前そんなでかい声出せんのか...。
眠気の波には逆らえん...おや...す...ぐぅ。
気がつけば寮の自室にいた。両側には玖姫と岩鬼。こいつら自由に本から出るし、夜は一緒に寝るようになった。狭いけど、楽しいからいいや。あら、刹鬼は?
「起きたか?」
「あ、刹鬼。」
いた。どうやらリビングのほうにいたようだ。
「大丈夫か?何やら余計な力が体内に入ったようだ。拒絶反応...では無いな。身体に馴染むのに時間がかかったようだ。」
ホットミルクを淹れてくれる。なにこいつお母さん?あったけー。キッチンとかもう使いこなしてるし。
「何が起きたかわかる?寝たのって俺だけ?」
俺は玖姫を転がして場所を確保し、ベッドに腰掛ける。こいつら起きないな...。
「ああ。君の近くによろめいてるのはいた。まあ座っていた者達は分からないが。」
「へぇ。俺どれくらい寝てた?」
「半日以上。そろそろ夜明けだ。それと、ここまで運んだのは君が先生と呼んでいた人物だ。」
「あー...また手間かけさせちゃったな。」
「私達が出るわけにもいかないからな。しばらくは君の友人達が側にいたが、夜になったので帰っていった。」
「あちゃ。後で謝っとくか。さー、もう起きよ。俺走ってくる。本置いとくから、もし誰か来たらこいつら押しこんどいて。」
「わかった。」
俺は寮の周囲を走る。そういやなんか夢みた気がするなぁ。まったく覚えてないが。覚えてないもんはほっといて、今日から本格的な魔法が使えるんだなー!やっぱ風系を使いこなしたいな。
とか色々考えてたら結構明るくなってきた。さて、シャワー浴びて朝飯にしよーっと。
そして今日の支度をしていた俺は膝から崩れ落ちた。今日...魔法学ねーじゃねーか...!!なんで週3しかねぇんだよ...!
登校する前にファルが迎えに来た。心配しすぎだと言ったが、おじ様とおば様にも言われたらしい。過保護ですよ...。
教室でもいつものメンバーに心配された。だが話を聞くと、セイルも眠くなったらしい。だがフラついた程度で倒れはしなかったと。ほーん。体質か?
ただ朝のHRで、先生が俺とセイルは放課後理事長室に来るように。と言われた。...なんで?しかし今日の俺はテンションだだ下がり状態で、質問する気力も無かった。
そして、放課後。セイルと共に廊下を歩く。
「なんの用なんだろーな。」
「知らね。お前なんかやらかしたか?」
「いやセイル。そうだったらお前もって事だからな?」
「...心当たりはないな。」
そんなやり取りをしながら進むと、見覚えのありたくないグレーの髪が見えた。
「あら、シャルトルーズ様。ごきげんよう。」
「ごきげんよう、ブーゲンビリア様。」
暴走令嬢ヴァレンシアンジュ・ブーゲンビリア。なぜこんなところで出会ってしまった...。
「そちらは?」
「僕の友人で、セイルと申します。」
俺は友人を強調して言った。セイルは言葉を発さず会釈のみする。
「そう、セイルさんとおっしゃるのね。貴方方も呼ばれましたの?」
「ええ、理事長室に来るようにと。」
「私もですわ。では、一緒に行きませんこと?」
嫌です。なんちゃって。
「喜んで。」
(ああぁあ~~!!!メンドっくせぇーーー!)とは言えないよネ!
しかしこの暴走令嬢、ただ会話してる分には普通だ。むしろ淑女の鑑と言ってもいいのかもしれない。セイルにも時折話しかけるし、魔法が絡まなければ好感が持てるな。出会いがアレすぎたけど...。
さて、理事長室。ブーゲンビリア様が代表してノックする。許しが出たので中に入った。
「いらっしゃい。待っていたよ3人とも。」
中には理事長とジル先生。あとは知らんおっちゃんがいた。誰さ?
ソファーを勧められ座る。真ん中は俺。まあそうなるか。って、呼ばれたの俺らだけ?そして1人掛けに理事長、向かいのソファーに先生と誰かさん。
「さて、悪いが挨拶は抜きにして本題に入れせてもらうよ。君達、昨日の儀式で体調不良をおこしたね。」
「ええ。光を浴びた後暫く立ち上がれませんでしたわ。」
「僕は眠気が尋常じゃなかったのでその場で寝ました。明け方に目覚めましたが。」
「俺は目眩がしました。暫く壁にもたれかかってたらマシになりましたけど。」
ふーむと顔を合わせる大人達。いや、ふーむじゃなくて説明プリーズ。
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