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未来の妻って誰のこと?
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夜会会場には若い令嬢の悲鳴のようなキャーキャーという叫び声が響き渡り、アレクシスにお姫様抱っこをされている私に刺さるような視線が注がれている。
どうしてこんなことに!?
「アレク、下ろしてってば! カードには何て書いてあったの? 小物なら私を運ばなくても貸してあげるし!」
「だから、セラだって。お題は……まだ秘密かな」
秘密ってなんじゃい!
例え私に関するお題だとしても、この体勢になる理由がないよね?
そうだよね??
人前で抱き上げられた恥ずかしさで真っ赤になっている自覚はあるが、やっとゴール地点へ辿り着いたらしい。
ようやく離してもらえる――と思っていたら。
「ああ、僕たちはちょっと時間がかかると思うから、最後にさせてもらうよ」
「それがよろしいですわね。では少々お待ちいただいて……」
アレクシスがシュナイダー夫人と意味不明な会話をしている。
時間がかかるとはどういうことだろうか?
そして、私はいつまでこの体勢でいなければならないのか……。
「アレク、ゴールしないの? ワイン貰えなくなっちゃうわよ?」
「ははっ、そんなものには最初から興味はないよ」
「え! だってあんなに闘志を燃やしていたじゃないの。てっきり一位を取る気なんだと思っていたわ」
「……セラ、君は本当に鈍感過ぎるな。まあ、そういうところも可愛いとは思っているけども」
「なんですって? 私のどこが鈍感だっていうのよ?」
などと話している内に、次々と六名の参加者が戻ってきた。
その場でワルツを踊ったり、ケーキを食べさせてもらっている。
なんとも甘くて素敵な光景なのだが、如何せん抱っこをされているこの状態では心からは楽しめない。
気の毒そうな視線をこちらに送る令嬢もおり、居たたまれない気持ちマックスでいるというのに、アレクシスの腕はずっと安定したまま私を横抱きにしていて腹が立つ。
「アレク、もういいでしょ? 重いだろうし、下ろしてよ」
「そうだな。ちょうど全員ゴールし終えたし、いい頃合いだ」
アレクシスが私を抱いたまま器用にヴァレリー夫人にカードを渡した。
「確認いたしますね。まあ、『未来の妻』ですか。では、証明をお願いいたします」
はぁ!?
『未来の妻』って誰が? え、私?
しかも証明って何をするつもり?
動揺し過ぎてアワアワしている私をゆっくり床に下ろすと、アレクシスが静かに片膝を突いた。
これではまるでお姫様に傅き、プロポーズをする王子様のようではないか。
あ、この人王子様なんだっけ。
「アレク、あなた王子なのに何をやっているの? ほら、立って!」
「それはできないな。これから最愛の女性にプロポーズをして、未来の妻になるところを皆に証明しないといけないんだから」
「ええっ!?」
マジか。
本当にプロポーズだったよ。
私ったらお姫様ポジじゃん……って、逃避している場合ではないわよね。
「セラフィーヌ嬢、愛しています。僕と結婚してください」
はぁぁ!?
なんてシンプルな告白とプロポーズ……じゃなくて、そんな好意を感じさせる言動、今までなかったよね?
「なんでそんな突然? あ、急に結婚しなきゃいけない理由でもできたの? もしかして、おじさまってあんなに元気に見えて、実は病気で早く王位を継がせたいとか?」
「いや、ワシ、元気……」
「ぶはっ。セラって本当に面白いよね。父上は見た通り元気そのものだよ。僕がセラと早く結婚したいからに決まっている」
国王が静かに自己主張していたが、スルーされた。
元気なら何よりである。
「だってだって、今まで私のことを好きっぽい素振りなんて見せてなかったじゃない!」
「……見せてたよね? 君に言い寄る男は排除してきたし、常に側にいたし、セラの前だけでは感情が駄々洩れだってよく言われるんだけど」
「ええ~~っ、そんなはず……」
何故か見守っている貴族が揃ってウンウンと頷いている。
……そんなはずあるのかもしれない。
「だから鈍感だって言うのよ」
グレースが呆れたように呟いているのが聞こえた。
どうしてこんなことに!?
「アレク、下ろしてってば! カードには何て書いてあったの? 小物なら私を運ばなくても貸してあげるし!」
「だから、セラだって。お題は……まだ秘密かな」
秘密ってなんじゃい!
例え私に関するお題だとしても、この体勢になる理由がないよね?
そうだよね??
人前で抱き上げられた恥ずかしさで真っ赤になっている自覚はあるが、やっとゴール地点へ辿り着いたらしい。
ようやく離してもらえる――と思っていたら。
「ああ、僕たちはちょっと時間がかかると思うから、最後にさせてもらうよ」
「それがよろしいですわね。では少々お待ちいただいて……」
アレクシスがシュナイダー夫人と意味不明な会話をしている。
時間がかかるとはどういうことだろうか?
そして、私はいつまでこの体勢でいなければならないのか……。
「アレク、ゴールしないの? ワイン貰えなくなっちゃうわよ?」
「ははっ、そんなものには最初から興味はないよ」
「え! だってあんなに闘志を燃やしていたじゃないの。てっきり一位を取る気なんだと思っていたわ」
「……セラ、君は本当に鈍感過ぎるな。まあ、そういうところも可愛いとは思っているけども」
「なんですって? 私のどこが鈍感だっていうのよ?」
などと話している内に、次々と六名の参加者が戻ってきた。
その場でワルツを踊ったり、ケーキを食べさせてもらっている。
なんとも甘くて素敵な光景なのだが、如何せん抱っこをされているこの状態では心からは楽しめない。
気の毒そうな視線をこちらに送る令嬢もおり、居たたまれない気持ちマックスでいるというのに、アレクシスの腕はずっと安定したまま私を横抱きにしていて腹が立つ。
「アレク、もういいでしょ? 重いだろうし、下ろしてよ」
「そうだな。ちょうど全員ゴールし終えたし、いい頃合いだ」
アレクシスが私を抱いたまま器用にヴァレリー夫人にカードを渡した。
「確認いたしますね。まあ、『未来の妻』ですか。では、証明をお願いいたします」
はぁ!?
『未来の妻』って誰が? え、私?
しかも証明って何をするつもり?
動揺し過ぎてアワアワしている私をゆっくり床に下ろすと、アレクシスが静かに片膝を突いた。
これではまるでお姫様に傅き、プロポーズをする王子様のようではないか。
あ、この人王子様なんだっけ。
「アレク、あなた王子なのに何をやっているの? ほら、立って!」
「それはできないな。これから最愛の女性にプロポーズをして、未来の妻になるところを皆に証明しないといけないんだから」
「ええっ!?」
マジか。
本当にプロポーズだったよ。
私ったらお姫様ポジじゃん……って、逃避している場合ではないわよね。
「セラフィーヌ嬢、愛しています。僕と結婚してください」
はぁぁ!?
なんてシンプルな告白とプロポーズ……じゃなくて、そんな好意を感じさせる言動、今までなかったよね?
「なんでそんな突然? あ、急に結婚しなきゃいけない理由でもできたの? もしかして、おじさまってあんなに元気に見えて、実は病気で早く王位を継がせたいとか?」
「いや、ワシ、元気……」
「ぶはっ。セラって本当に面白いよね。父上は見た通り元気そのものだよ。僕がセラと早く結婚したいからに決まっている」
国王が静かに自己主張していたが、スルーされた。
元気なら何よりである。
「だってだって、今まで私のことを好きっぽい素振りなんて見せてなかったじゃない!」
「……見せてたよね? 君に言い寄る男は排除してきたし、常に側にいたし、セラの前だけでは感情が駄々洩れだってよく言われるんだけど」
「ええ~~っ、そんなはず……」
何故か見守っている貴族が揃ってウンウンと頷いている。
……そんなはずあるのかもしれない。
「だから鈍感だって言うのよ」
グレースが呆れたように呟いているのが聞こえた。
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