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王子様にはミルクスープを。
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「恋愛小説はどんなものがお好きなの?」
酪農の話題に続いて、恋愛小説の好みを訊かれた。
「定番ですが、やっぱり王子様が出てくるものが好きです。」
色々読むが、リリーもやはり女の子。
王子様には憧れるし、王子様と結ばれる小説に惹かれた。
あくまで『小説の中の王子様』ではあるが。
すると、女性の眉が上がり、面白がるような、それでいて少し意地悪をするような口調で尋ねてきた。
「なぜ王子様がいいのかしら?王子様と何がしてみたい?」
なんでそんなことを訊かれるのでしょう?
王子様としてみたいことなんて、特に考えたことはなかったけれど・・・
変な質問だと思いつつ、リリーは正直に思ったことを答えることにした。
「小説に出てくる王子様は、格好良くて公平で、愛情深い素敵な方だからです。してみたいことというか、王子様ってきっと大変だし、疲れると思うので、ミルクスープを作ってあげたいです。」
「ミルクスープ?」
不思議そうに繰り返す女性に、リリーは説明した。
「はい、私の得意料理なんです。温まるし、栄養が採れて、胃に優しいスープなので。あ、でも王子様はそんな庶民の味は口にされないですよね。えっと、私の王子様が現れたら作ってあげたいって思っただけで・・・って、私何を言っているのかしら・・・」
だんだんしどろもどろになりながら、赤い顔で俯くリリーに、女性が弾んだ声で言った。
「素敵ね!ええ、とてもいいと思うわ!」
『うちの子、胃が少し弱いしね』という言葉は、真っ赤になって動揺しているリリーには聞こえていなかった。
その時、侍女のアイラが遠慮がちにリリーに声をかけてきた。
「お邪魔をして申し訳ございません、しかしもうあまり時間が・・・。」
そうだったわ。
初めて町に出るから、今日は早めに帰るとお母様と約束したんだったわ。
冷静さを取り戻すと、
「すみません。もうすぐ帰らないと。あの、お話楽しかったです。ありがとうございました。」
そう言って、リリーは頭をペコリと下げる。
「こちらこそ楽しかったわ。酪農関係は左奥の棚よ。」
女性も挨拶を返し、親切に教えてくれた。
もう一度礼を言って離れるリリーの背中に、声がかかった。
「またお会いしましょう。」
リリーが振り返ると、艶然と微笑む女性が軽く手を振った。
また偶然会えるものかしら?
そう思いながら、リリーは会釈をしたのだった。
酪農の話題に続いて、恋愛小説の好みを訊かれた。
「定番ですが、やっぱり王子様が出てくるものが好きです。」
色々読むが、リリーもやはり女の子。
王子様には憧れるし、王子様と結ばれる小説に惹かれた。
あくまで『小説の中の王子様』ではあるが。
すると、女性の眉が上がり、面白がるような、それでいて少し意地悪をするような口調で尋ねてきた。
「なぜ王子様がいいのかしら?王子様と何がしてみたい?」
なんでそんなことを訊かれるのでしょう?
王子様としてみたいことなんて、特に考えたことはなかったけれど・・・
変な質問だと思いつつ、リリーは正直に思ったことを答えることにした。
「小説に出てくる王子様は、格好良くて公平で、愛情深い素敵な方だからです。してみたいことというか、王子様ってきっと大変だし、疲れると思うので、ミルクスープを作ってあげたいです。」
「ミルクスープ?」
不思議そうに繰り返す女性に、リリーは説明した。
「はい、私の得意料理なんです。温まるし、栄養が採れて、胃に優しいスープなので。あ、でも王子様はそんな庶民の味は口にされないですよね。えっと、私の王子様が現れたら作ってあげたいって思っただけで・・・って、私何を言っているのかしら・・・」
だんだんしどろもどろになりながら、赤い顔で俯くリリーに、女性が弾んだ声で言った。
「素敵ね!ええ、とてもいいと思うわ!」
『うちの子、胃が少し弱いしね』という言葉は、真っ赤になって動揺しているリリーには聞こえていなかった。
その時、侍女のアイラが遠慮がちにリリーに声をかけてきた。
「お邪魔をして申し訳ございません、しかしもうあまり時間が・・・。」
そうだったわ。
初めて町に出るから、今日は早めに帰るとお母様と約束したんだったわ。
冷静さを取り戻すと、
「すみません。もうすぐ帰らないと。あの、お話楽しかったです。ありがとうございました。」
そう言って、リリーは頭をペコリと下げる。
「こちらこそ楽しかったわ。酪農関係は左奥の棚よ。」
女性も挨拶を返し、親切に教えてくれた。
もう一度礼を言って離れるリリーの背中に、声がかかった。
「またお会いしましょう。」
リリーが振り返ると、艶然と微笑む女性が軽く手を振った。
また偶然会えるものかしら?
そう思いながら、リリーは会釈をしたのだった。
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