26 / 69
王子様、全員集合。
しおりを挟む
なんでこんなことに??
リリーは混乱していた。
厨房まで迎えに来てくれたラインハルトにエスコートされ、前回同様、城の応接室へ案内された。
が・・・。
なんかキラキラする人達がたくさんいらっしゃるのですが。
応接室にはリリーを待ちわびたロイヤルファミリーが勢揃いしていた。
国王以外だが。
ハリーが嬉しそうに手を振ってくれるので、ついこちらも小さく振り返してしまう。
やっちゃったわ。思わず振り返してしまったけど、絶対ダメな行動だったわよね・・・。
お辞儀をするべきだったかしら。
自分の人生に王族が関わることを想定していなかったのと、緊張で素が出てしまうのとで、もはや何が正しいのかリリーにはよくわからなくなっていた。
手を振り返されたハリーが、更にご機嫌な様子で隣の男性の膝に抱きついたので、正解じゃなくてもとりあえずは乗りきったと安心する。
王妃が立ち上がってリリーに声をかけてきた。
「リリーちゃん、よく来てくれたわね。さあ、皆を紹介するわ。こちらにいらして。」
遠慮しながらリリーが王妃に近付く。
「最初に言っておくけれど、今日は堅苦しい挨拶は必要ないわ。こちらの手前から、王太子のオリバー、王太子妃のソフィアちゃん、その息子のハリー。そちらの二人が第2王子のノアと、婚約者のイザベラちゃんよ。」
紹介された王族と、その婚約者がフレンドリーに微笑みかけてくれる。
念の為、王族関連の皆様の名前と簡単な経歴をお父様から教わっておいて良かったわ。
まさかこんなすぐに必要な知識だとは思っていなかったけど。
それにしても、なんて美しい集団なのかしら。
そして、何故私がここに混ざっているのかしら。
リリーは神様をちょっとだけ恨みたくなった。
集まっていた全員の紹介が終わり、リリーも軽く挨拶をする。
「リリー・スペンサーと申します。お会いできて光栄です。」
ペコッと頭を下げると、ハリーがパチパチと手を叩いてくれ、温かい雰囲気に包まれた。
「リリーちゃんはこの席ね。今日はたくさん作らせてごめんなさいね。皆、あなたとスープに興味があって。」
「だって、僕達も一応王子だからね、権利はあるよ。ラインハルトだけなんてずるいでしょ。」
「僕も王子だよね?」
「そうだな、ハリーも王子だし、パパだって王子だぞ?」
楽しそうに第2王子、ハリー、王太子が会話をしている。
王妃様、皆さんに話してしまわれたのですね。
確かに王子様に作ってあげたいと言いましたけど、王子様全員集合させる必要あります?
「ちぇっ、僕のスープだったのにな。まあ、リリーの王子様になれるのは僕だけだけど。ね、リリー?」
含みのある笑顔で、誘うようにラインハルトがリリーに問いかけた。
「え?ああ、確かに小説に出てくる王子様は独身で、まだ婚約者もいらっしゃらない方が多い・・・って、ハルト様に婚約者様はいらっしゃらないのですか?」
「えええっ!?いないよ!!いないけど・・・。リリー、今頃それを訊く!?」
ラインハルトは叫んだ途端、ガックリと肩を落とした。
「ぶはっ!なんだ、全然通じていないのか。」
「あはは!これは先が長そうだな。でも僕達兄弟は諦めが悪いからね。」
うなだれたラインハルトに戸惑っていたら、オリバーとノアが吹き出した。
ハルト様に気安くプライベートなことを尋ねてしまったから、呆れられたのかも。
でも王太子様と第2王子様は何がそんなに面白かったのかしら?
首を傾げるリリーだったが、王妃、ソフィア、イザベラも困った顔をしつつもクスクスと楽しそうだ。
ハリーも皆が笑っているので、キャッキャッとはしゃいでいる。
こうして、リリーだけが付いていけないまま、王家との食事会は幕を開けたのだった。
リリーは混乱していた。
厨房まで迎えに来てくれたラインハルトにエスコートされ、前回同様、城の応接室へ案内された。
が・・・。
なんかキラキラする人達がたくさんいらっしゃるのですが。
応接室にはリリーを待ちわびたロイヤルファミリーが勢揃いしていた。
国王以外だが。
ハリーが嬉しそうに手を振ってくれるので、ついこちらも小さく振り返してしまう。
やっちゃったわ。思わず振り返してしまったけど、絶対ダメな行動だったわよね・・・。
お辞儀をするべきだったかしら。
自分の人生に王族が関わることを想定していなかったのと、緊張で素が出てしまうのとで、もはや何が正しいのかリリーにはよくわからなくなっていた。
手を振り返されたハリーが、更にご機嫌な様子で隣の男性の膝に抱きついたので、正解じゃなくてもとりあえずは乗りきったと安心する。
王妃が立ち上がってリリーに声をかけてきた。
「リリーちゃん、よく来てくれたわね。さあ、皆を紹介するわ。こちらにいらして。」
遠慮しながらリリーが王妃に近付く。
「最初に言っておくけれど、今日は堅苦しい挨拶は必要ないわ。こちらの手前から、王太子のオリバー、王太子妃のソフィアちゃん、その息子のハリー。そちらの二人が第2王子のノアと、婚約者のイザベラちゃんよ。」
紹介された王族と、その婚約者がフレンドリーに微笑みかけてくれる。
念の為、王族関連の皆様の名前と簡単な経歴をお父様から教わっておいて良かったわ。
まさかこんなすぐに必要な知識だとは思っていなかったけど。
それにしても、なんて美しい集団なのかしら。
そして、何故私がここに混ざっているのかしら。
リリーは神様をちょっとだけ恨みたくなった。
集まっていた全員の紹介が終わり、リリーも軽く挨拶をする。
「リリー・スペンサーと申します。お会いできて光栄です。」
ペコッと頭を下げると、ハリーがパチパチと手を叩いてくれ、温かい雰囲気に包まれた。
「リリーちゃんはこの席ね。今日はたくさん作らせてごめんなさいね。皆、あなたとスープに興味があって。」
「だって、僕達も一応王子だからね、権利はあるよ。ラインハルトだけなんてずるいでしょ。」
「僕も王子だよね?」
「そうだな、ハリーも王子だし、パパだって王子だぞ?」
楽しそうに第2王子、ハリー、王太子が会話をしている。
王妃様、皆さんに話してしまわれたのですね。
確かに王子様に作ってあげたいと言いましたけど、王子様全員集合させる必要あります?
「ちぇっ、僕のスープだったのにな。まあ、リリーの王子様になれるのは僕だけだけど。ね、リリー?」
含みのある笑顔で、誘うようにラインハルトがリリーに問いかけた。
「え?ああ、確かに小説に出てくる王子様は独身で、まだ婚約者もいらっしゃらない方が多い・・・って、ハルト様に婚約者様はいらっしゃらないのですか?」
「えええっ!?いないよ!!いないけど・・・。リリー、今頃それを訊く!?」
ラインハルトは叫んだ途端、ガックリと肩を落とした。
「ぶはっ!なんだ、全然通じていないのか。」
「あはは!これは先が長そうだな。でも僕達兄弟は諦めが悪いからね。」
うなだれたラインハルトに戸惑っていたら、オリバーとノアが吹き出した。
ハルト様に気安くプライベートなことを尋ねてしまったから、呆れられたのかも。
でも王太子様と第2王子様は何がそんなに面白かったのかしら?
首を傾げるリリーだったが、王妃、ソフィア、イザベラも困った顔をしつつもクスクスと楽しそうだ。
ハリーも皆が笑っているので、キャッキャッとはしゃいでいる。
こうして、リリーだけが付いていけないまま、王家との食事会は幕を開けたのだった。
90
あなたにおすすめの小説
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
【完結】ありのままのわたしを愛して
彩華(あやはな)
恋愛
私、ノエルは左目に傷があった。
そのため学園では悪意に晒されている。婚約者であるマルス様は庇ってくれないので、図書館に逃げていた。そんな時、外交官である兄が国外視察から帰ってきたことで、王立大図書館に行けることに。そこで、一人の青年に会うー。
私は好きなことをしてはいけないの?傷があってはいけないの?
自分が自分らしくあるために私は動き出すー。ありのままでいいよね?
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
【完結】触れた人の心の声が聞こえてしまう私は、王子様の恋人のフリをする事になったのですが甘々過ぎて困っています!
Rohdea
恋愛
──私は、何故か触れた人の心の声が聞こえる。
見た目だけは可愛い姉と比べられて来た伯爵家の次女、セシリナは、
幼い頃に自分が素手で触れた人の心の声が聞こえる事に気付く。
心の声を聞きたくなくて、常に手袋を装着し、最小限の人としか付き合ってこなかったセシリナは、
いつしか“薄気味悪い令嬢”と世間では呼ばれるようになっていた。
そんなある日、セシリナは渋々参加していたお茶会で、
この国の王子様……悪い噂が絶えない第二王子エリオスと偶然出会い、
つい彼の心の声を聞いてしまう。
偶然聞いてしまったエリオスの噂とは違う心の声に戸惑いつつも、
その場はどうにかやり過ごしたはずだったのに……
「うん。だからね、君に僕の恋人のフリをして欲しいんだよ」
なぜか後日、セシリナを訪ねて来たエリオスは、そんなとんでもないお願い事をして来た!
何やら色々と目的があるらしい王子様とそうして始まった仮の恋人関係だったけれど、
あれ? 何かがおかしい……
契約結婚の相手が優しすぎて困ります
みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる