【完結】田舎育ち令嬢、都会で愛される

櫻野くるみ

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王子様、全員集合。

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なんでこんなことに??

リリーは混乱していた。

厨房まで迎えに来てくれたラインハルトにエスコートされ、前回同様、城の応接室へ案内された。
が・・・。

なんかキラキラする人達がたくさんいらっしゃるのですが。

応接室にはリリーを待ちわびたロイヤルファミリーが勢揃いしていた。
国王以外だが。
ハリーが嬉しそうに手を振ってくれるので、ついこちらも小さく振り返してしまう。

やっちゃったわ。思わず振り返してしまったけど、絶対ダメな行動だったわよね・・・。
お辞儀をするべきだったかしら。

自分の人生に王族が関わることを想定していなかったのと、緊張で素が出てしまうのとで、もはや何が正しいのかリリーにはよくわからなくなっていた。

手を振り返されたハリーが、更にご機嫌な様子で隣の男性の膝に抱きついたので、正解じゃなくてもとりあえずは乗りきったと安心する。



王妃が立ち上がってリリーに声をかけてきた。

「リリーちゃん、よく来てくれたわね。さあ、皆を紹介するわ。こちらにいらして。」

遠慮しながらリリーが王妃に近付く。

「最初に言っておくけれど、今日は堅苦しい挨拶は必要ないわ。こちらの手前から、王太子のオリバー、王太子妃のソフィアちゃん、その息子のハリー。そちらの二人が第2王子のノアと、婚約者のイザベラちゃんよ。」

紹介された王族と、その婚約者がフレンドリーに微笑みかけてくれる。

念の為、王族関連の皆様の名前と簡単な経歴をお父様から教わっておいて良かったわ。
まさかこんなすぐに必要な知識だとは思っていなかったけど。
それにしても、なんて美しい集団なのかしら。
そして、何故私がここに混ざっているのかしら。

リリーは神様をちょっとだけ恨みたくなった。


集まっていた全員の紹介が終わり、リリーも軽く挨拶をする。

「リリー・スペンサーと申します。お会いできて光栄です。」

ペコッと頭を下げると、ハリーがパチパチと手を叩いてくれ、温かい雰囲気に包まれた。

「リリーちゃんはこの席ね。今日はたくさん作らせてごめんなさいね。皆、あなたとスープに興味があって。」

「だって、僕達も一応王子だからね、権利はあるよ。ラインハルトだけなんてずるいでしょ。」

「僕も王子だよね?」

「そうだな、ハリーも王子だし、パパだって王子だぞ?」

楽しそうに第2王子、ハリー、王太子が会話をしている。

王妃様、皆さんに話してしまわれたのですね。
確かに王子様に作ってあげたいと言いましたけど、王子様全員集合させる必要あります?

「ちぇっ、僕のスープだったのにな。まあ、リリーの王子様になれるのは僕だけだけど。ね、リリー?」

含みのある笑顔で、誘うようにラインハルトがリリーに問いかけた。

「え?ああ、確かに小説に出てくる王子様は独身で、まだ婚約者もいらっしゃらない方が多い・・・って、ハルト様に婚約者様はいらっしゃらないのですか?」

「えええっ!?いないよ!!いないけど・・・。リリー、今頃それを訊く!?」

ラインハルトは叫んだ途端、ガックリと肩を落とした。

「ぶはっ!なんだ、全然通じていないのか。」

「あはは!これは先が長そうだな。でも僕達兄弟は諦めが悪いからね。」

うなだれたラインハルトに戸惑っていたら、オリバーとノアが吹き出した。

ハルト様に気安くプライベートなことを尋ねてしまったから、呆れられたのかも。
でも王太子様と第2王子様は何がそんなに面白かったのかしら?

首を傾げるリリーだったが、王妃、ソフィア、イザベラも困った顔をしつつもクスクスと楽しそうだ。
ハリーも皆が笑っているので、キャッキャッとはしゃいでいる。


こうして、リリーだけが付いていけないまま、王家との食事会は幕を開けたのだった。

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