50 / 69
好きってやっと言えたけれど。
しおりを挟む
ジェシーの帰宅により、応接室に残されたラインハルトとリリー。
ラインハルトに、自分の気持ちを告白しようと心に決めたリリーは、心臓が早鐘を打っていた。
少し挙動不審なリリーの向かいで、ラインハルトは優雅に紅茶を口に運んでいたが、思い出したかのように言った。
「あ、リリー。婚約お披露目の夜会なんだけど、ドレスは僕がもう注文してるから、準備しなくていいからね。」
「え?もう手配して下さったのですか?」
「うん。母上にも相談して、特別素敵なドレスになる予定だから楽しみにしてて。」
「ありがとうございます!あ、でも私ばっかりいつもいただいてしまって・・・。私も何かハルト様へご用意出来ればいいのですけど。」
「リリーのその気持ちだけで嬉しいよ。」
微笑まれたが、リリーは納得しなかった。
それは、ハルト様は王子様だし、何でも持っているとは思いますけど・・・
私も、身につけてもらえるものを贈ってみたいのです!
まだ渋っているリリーに、ラインハルトはプッと笑いながら言った。
「そんなに思ってくれるなら、今度一緒に街へ買い物に行かない?お忍びだけど。」
「お忍び!?いいのですか?」
それはとても楽しそうな響きだが、第3王子ともあろう人がいいのだろうか。
「平気平気。だって、母上とも街で会ったでしょ?」
そうでした!
あれは紛れもなく、お忍び中の王妃様でした!!
「じゃあ、楽しみにしてますね。」
ラインハルトと出かけるのが嬉しくて、自然と笑顔が溢れてしまう。
そんなリリーの可愛い顔を見て、ラインハルトがじっとしている訳もなく・・・
気付けばラインハルトがリリーの隣に移動してきていた。
「どうされたのですか?」
思わず照れ臭くて尋ねてしまったが、これは告白のチャンスだと気付いた。
「せっかくだから、リリーの顔を近くで見たくて。」
ラインハルトは、更に距離を詰めてきた。
「あの、ハルト様!」
「んー?」
ラインハルトはリリーの左手をとると、握り始めた。
うひゃー、何を言うのかわからなくなりそうです。
「えっと、私、ハルト様にお伝えしたいことが・・・」「婚約破棄なら聞いてあげられないよ?」
何で婚約破棄?
疑問に思うが、ラインハルトは今度はリリーの左手の指をニギニギしている。
「えっと、違います。ずっと言いたかったのですが・・・」「僕より好きな人がいてもムダだよ?」
へ?
ハルト様より好きな人?
「ふふっ。ハルト様が一番好きなのに、ハルト様より好きな人なんていませんよ。ふふふ。」
「そっか。僕より好きな人なんて、いないよね。あはは・・・」
・・・・・
「「えっ??」」
二人の声が重なった。
きゃー、私ったら、なんとなくサラッと好きだと言ってしまいましたよ!
ハルト様が変なことを言うからです!!
リリーは慌て、せっかく色々告白のシミュレーションをしたのに、ラインハルトのせいで失敗したと、恨みがましい目で見ている。
しかし、ラインハルトはリリー以上に慌てていた。
「リリー、今なんて言った?僕より好きな人はいないって言った?」
「聞こえているじゃないですか!知らないです!もう言わないです!!」
「うわ、なに、拗ねてるリリーも可愛いんだけど!!え、僕ってもう長くないのかな?幸せ過ぎて死にそう・・・」
「何、縁起でもないことを言ってるんですか!街へ行く約束をしたばかりなのに。」
「そうだった!死んでる場合じゃないや。これからリリーを幸せにするんだから。でも僕はもう幸せ。」
ラインハルトがリリーをギュッと抱きしめ、頬にキスをした。
「うひゃぁ」
リリーが変な声をあげたが、ラインハルトは気にせず抱きしめ続けていた。
兄のアーサーが帰り、扉を開くまでそれは続き、帰って早々まさかの光景を目にしたアーサーは、心底うんざりした顔をしていた。
ラインハルトに、自分の気持ちを告白しようと心に決めたリリーは、心臓が早鐘を打っていた。
少し挙動不審なリリーの向かいで、ラインハルトは優雅に紅茶を口に運んでいたが、思い出したかのように言った。
「あ、リリー。婚約お披露目の夜会なんだけど、ドレスは僕がもう注文してるから、準備しなくていいからね。」
「え?もう手配して下さったのですか?」
「うん。母上にも相談して、特別素敵なドレスになる予定だから楽しみにしてて。」
「ありがとうございます!あ、でも私ばっかりいつもいただいてしまって・・・。私も何かハルト様へご用意出来ればいいのですけど。」
「リリーのその気持ちだけで嬉しいよ。」
微笑まれたが、リリーは納得しなかった。
それは、ハルト様は王子様だし、何でも持っているとは思いますけど・・・
私も、身につけてもらえるものを贈ってみたいのです!
まだ渋っているリリーに、ラインハルトはプッと笑いながら言った。
「そんなに思ってくれるなら、今度一緒に街へ買い物に行かない?お忍びだけど。」
「お忍び!?いいのですか?」
それはとても楽しそうな響きだが、第3王子ともあろう人がいいのだろうか。
「平気平気。だって、母上とも街で会ったでしょ?」
そうでした!
あれは紛れもなく、お忍び中の王妃様でした!!
「じゃあ、楽しみにしてますね。」
ラインハルトと出かけるのが嬉しくて、自然と笑顔が溢れてしまう。
そんなリリーの可愛い顔を見て、ラインハルトがじっとしている訳もなく・・・
気付けばラインハルトがリリーの隣に移動してきていた。
「どうされたのですか?」
思わず照れ臭くて尋ねてしまったが、これは告白のチャンスだと気付いた。
「せっかくだから、リリーの顔を近くで見たくて。」
ラインハルトは、更に距離を詰めてきた。
「あの、ハルト様!」
「んー?」
ラインハルトはリリーの左手をとると、握り始めた。
うひゃー、何を言うのかわからなくなりそうです。
「えっと、私、ハルト様にお伝えしたいことが・・・」「婚約破棄なら聞いてあげられないよ?」
何で婚約破棄?
疑問に思うが、ラインハルトは今度はリリーの左手の指をニギニギしている。
「えっと、違います。ずっと言いたかったのですが・・・」「僕より好きな人がいてもムダだよ?」
へ?
ハルト様より好きな人?
「ふふっ。ハルト様が一番好きなのに、ハルト様より好きな人なんていませんよ。ふふふ。」
「そっか。僕より好きな人なんて、いないよね。あはは・・・」
・・・・・
「「えっ??」」
二人の声が重なった。
きゃー、私ったら、なんとなくサラッと好きだと言ってしまいましたよ!
ハルト様が変なことを言うからです!!
リリーは慌て、せっかく色々告白のシミュレーションをしたのに、ラインハルトのせいで失敗したと、恨みがましい目で見ている。
しかし、ラインハルトはリリー以上に慌てていた。
「リリー、今なんて言った?僕より好きな人はいないって言った?」
「聞こえているじゃないですか!知らないです!もう言わないです!!」
「うわ、なに、拗ねてるリリーも可愛いんだけど!!え、僕ってもう長くないのかな?幸せ過ぎて死にそう・・・」
「何、縁起でもないことを言ってるんですか!街へ行く約束をしたばかりなのに。」
「そうだった!死んでる場合じゃないや。これからリリーを幸せにするんだから。でも僕はもう幸せ。」
ラインハルトがリリーをギュッと抱きしめ、頬にキスをした。
「うひゃぁ」
リリーが変な声をあげたが、ラインハルトは気にせず抱きしめ続けていた。
兄のアーサーが帰り、扉を開くまでそれは続き、帰って早々まさかの光景を目にしたアーサーは、心底うんざりした顔をしていた。
90
あなたにおすすめの小説
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
【完結】ありのままのわたしを愛して
彩華(あやはな)
恋愛
私、ノエルは左目に傷があった。
そのため学園では悪意に晒されている。婚約者であるマルス様は庇ってくれないので、図書館に逃げていた。そんな時、外交官である兄が国外視察から帰ってきたことで、王立大図書館に行けることに。そこで、一人の青年に会うー。
私は好きなことをしてはいけないの?傷があってはいけないの?
自分が自分らしくあるために私は動き出すー。ありのままでいいよね?
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
【完結】触れた人の心の声が聞こえてしまう私は、王子様の恋人のフリをする事になったのですが甘々過ぎて困っています!
Rohdea
恋愛
──私は、何故か触れた人の心の声が聞こえる。
見た目だけは可愛い姉と比べられて来た伯爵家の次女、セシリナは、
幼い頃に自分が素手で触れた人の心の声が聞こえる事に気付く。
心の声を聞きたくなくて、常に手袋を装着し、最小限の人としか付き合ってこなかったセシリナは、
いつしか“薄気味悪い令嬢”と世間では呼ばれるようになっていた。
そんなある日、セシリナは渋々参加していたお茶会で、
この国の王子様……悪い噂が絶えない第二王子エリオスと偶然出会い、
つい彼の心の声を聞いてしまう。
偶然聞いてしまったエリオスの噂とは違う心の声に戸惑いつつも、
その場はどうにかやり過ごしたはずだったのに……
「うん。だからね、君に僕の恋人のフリをして欲しいんだよ」
なぜか後日、セシリナを訪ねて来たエリオスは、そんなとんでもないお願い事をして来た!
何やら色々と目的があるらしい王子様とそうして始まった仮の恋人関係だったけれど、
あれ? 何かがおかしい……
契約結婚の相手が優しすぎて困ります
みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる