【完結】田舎育ち令嬢、都会で愛される

櫻野くるみ

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あっという間に試験終了。

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それでは、試験を頑張るとしましょう!!

リリーは早速、セイラに王子妃試験の話をしに行った。

「・・・というわけで、なんだか話が大きくなってしまって申し訳ないのですが、良かったら子爵様にも私から説明いたしますので、ご協力いただければと・・・」

口をあんぐりと開けて驚いていたセイラは、飛びはねて喜び、リリーの手を握った。

「ありがとうございます、リリー様!!両親も喜びますわ。すぐに手紙を書いて帰ってきてもらうので、父に直接話していただけますか?私では、お前は夢でも見てるのかと言われてしまいますもの。」

そんな大袈裟だわ。
まだ成功もしていないし、むしろこちらがお願いしている側なのに。

苦笑していたリリーだったが、子爵夫妻は矢のような速さで王都に舞い戻った。
リリーは恐縮しながら、バーキン領をモデルとして発展させたい旨を一生懸命伝えた。

「こんな小娘に口を出されるなんて不快だとは思いますが、ぜひ領地とお力を貸していただけないでしょうか。」

リリーが真摯な態度で頭を下げると、夫妻はそれ以上に平伏していた。

「こんなありがたいお話はありません!最大限にご協力させていただきますので、よろしくお願い致します!!」

セイラは良くやった!と父に褒められ、嬉しそうにはにかんでいた。


続いて、『王子様との秘密の恋愛』の著者にも鐘の許可をもらいに行った。
貴族令息だったが、会うのは比較的簡単だった。

「まさか、読者にリリー様がいらっしゃるとはねー。本当に王子様と婚約しちゃうなんて、小説を地で行ってるよね。ん?『恋人の鐘』、作ってくれるの?もちろんいいよ!うわぁ、僕も見に行こうっと。」

スムーズに許可が貰えた。


発展計画の噂は人から人へと伝わり、腕に覚えがある庭師がバーキン領に勝手に集まりだした。
大きな仕事が貰えると、目が爛々としている。
一旗あげたい飲食店も、バーキン領に移動したり、支店を出し始めた。
人が集まり、にわかに活気付いてきた街の人々は、宿を広げたり、土産物を開発したり積極的に動き始めた。

リリーによるバーキン領の発展計画は、凄まじい勢いで進んでいった。
もはや、リリー抜きでどんどん進んでいる。

なんだか、私が口を出すまでもなく、全てが出来上がっていくわ・・・
私の試験なのにいいのかしら?

バーキン子爵が水を得た魚のように生き生きと指示を出し、領民が一致団結している。
『恋人の鐘』の公園は、セイラが中心となって進めていた。
セイラはすっかりリリーのファンの為、リリーに喜んで貰えるよう張り切っていた。
引っ込み思案は治ったらしい。

影でラインハルトを始めとした王家の人々も暗躍していた。
リリーに恥をかかせる訳にはいかない。

蓋を開けてみれば、バーキン領は短期間で見違えるような変貌を遂げていた。

「リリー様、お疲れさまでした!」

「さすがスペシャリストですね!!」

最終確認に訪れたリリーを、皆が労ってくれるが、リリーは内心複雑だった。

いえいえ、私、途中からただ居ただけでしたよね?
私がお願いする前に、全部やってくれてましたよね?

役に立たなかったことを心苦しく思い、リリーが皆に挨拶をして廻っていると、ラインハルトが現れた。

「ハルト様!?なぜバーキン領に?」

驚くリリーの腰に腕を回しながら、ハルトが答える。

「僕も見に来ちゃった。リリーと永遠に結ばれる為の、鐘の確認にね。」

『鐘など鳴らさなくても、永遠にリリー様を離す気もないくせに』と皆は思ったが、黙って手を動かしていた。

オープンセレモニーは、二日後に行われる。



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