【完結】この婚約破棄はお芝居なのですが···。乱入してきた勘違い男を成敗します!

櫻野くるみ

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幸せなプロポーズとその後の人々

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急に照明が落とされ、気付くと私とクロードにだけスポットライトが当たっていた。

何が始まるの?

アーサーとエリザベスが退場したにも関わらず、予定と違う進行に不安を感じていると、クロードが私の前で片膝を付き、左の胸ポケットに右手を差し入れた。
辺りは水を打ったように静かで、世界に二人しかいないみたいに感じられる。

「アメリア、劇は思った通りに進まなかったけれど、今日渡すと決めていたんだ。僕と結婚して下さい。君を一生愛し、守り、幸せにすると誓うよ。」

クロードの右手には、ライトを浴びて輝くダイヤの指輪があった。

え?
指輪を用意してくれていたの?
これってプロポーズ??

思わず後ろを見ると、生徒会のメンバーがニヤニヤと楽しそうにこちらを見ている。

もしかして、みんな知っていたの!?
あ、もしかして劇の練習の時にコソコソしてたのって、これ?
もう、私に内緒でこんなことして!!

みんなの気持ちが嬉しくて涙が出てくる。

「アメリア、返事を聞かせて?」

そんなの決まってるじゃない。

アメリアはクロードの首に思いっきり抱きついた。

「うわぁ!!!」

急に抱きつかれたクロードが、驚いて体勢を崩すが、会場は今日一番の歓声に包まれ、大きな拍手が鳴り響いた。

「いいぞーっ!!」

「お幸せにー!!」

祝福の言葉が二人に降り注ぎ、クロードに指輪を左手の薬指に嵌めてもらったアメリアは、誰よりも美しく笑っていた。


「あーんなに練習したっていうのに、全っ然台本通りに行かなかったわねー。ま、終わりよければ全て良しって感じー?」

セレンが言うと、

「このエンディングにさえ辿り着ければ、実は何でも良かったですからね。」

「内容はともかく、印象深い余興にはなったかもな。」

エミールとフレディが頷く。

こうして、余興の断罪劇は幕を下ろしたのだった。
台本とは大分違ったが、皆の心に強烈な印象を残して・・・。



2ヶ月後、クロードとアメリアの結婚式が盛大に行われた。

あの日の卒業パーティー参加者は、全員式に招待された。
貴族の派閥や爵位関係なく、パーティーで時間を共有した者達は喜んで出席し、皆心から二人を祝福してくれた。

断罪劇は世間でちょっとしたブームを引き起こし、なんと舞台化された。
しかし、本気で婚約破棄したり、断罪することはゲスの極みとばかりに敬遠され、今までより婚約者を大切にするカップルが増えているらしい。

卒業パーティーの余興としても、今までで一番の盛り上がりだったと伝説扱いされ、『これじゃあ次回のパーティーで何やったって霞んじゃうわー』と、セレンが嘆いている。

乱入してきた二人がその後どうなったかというと・・・


アーサーは領地で父親にしごかれ、脱走を試みる度に失敗し、連れ戻されているらしい。
まだアメリアに執着しているみたいだが、直にアメリアが結婚したことが伝わるだろう。
いい加減に諦めて、前を向いて生きて欲しい。

エリザベスは、学長から話を聞いた男爵が激怒し、庶民に戻されたそうだ。
今はパン屋で働いているみたいだが、斬新なパンを次々と作り出して、町で評判になっているとか。
エリザベスはやはり同じ転生者だったのだろう。
いつかパン屋を訪ねて訊いてみたいと思う。


「アメリア?どうかした?結婚式、疲れたかい?」

結婚式が終わり、新居に帰ってきた二人。

今日から夫婦としてここで暮らしていくのだ。

「ううん、大丈夫。なんだか劇のことを思い出して。これからも台本通りに行かないことがたくさんあると思うけど、一緒に乗り越えていきましょうね。」

「もちろんだ。どんな物語になろうとも、僕達のエンディングはハッピーエンドしかないよ。」

クスクス笑いながら抱き付いたアメリアを、今度はしっかりとクロードが受け止めた。



こうして乱入した邪魔者は成敗され、二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。



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