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魔法のほうき

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今日も良い天気だから、昨日買ったカーディガンでも着ていこうかな。


富士山登子ふじさんのぼこ、今日はそのカーディガンより、素敵な衣装をプレゼントしてあげられるよ」


「あんた、まだいたの?いや、まだあったの?魔法のほうき…!」



「失くしたと思っちゃった?フフフ、バカ。ちゃんと、ここにいるから、大丈夫!」



「それが一大事なのよ」



こいつ、確かこの間の燃えるゴミの日に出したはずなのに、自力で戻ってきたわね。やっぱり、直接火をつけて燃やすしかないか。




「今度は、本当に素敵な魔法使いのババァが着る様な、素敵なお洋服に変身できるのよ?」




「素敵なと、ババァって言葉が反義語よ。あんたは、まともな服出さないでしょ!?いい加減にして!」




「今度は大丈夫!イモマムシカラダジュウハイハイ…!えいっ!」



「気持ち悪い言葉を呪文にしないで!」




「…。真っ白の全身タイツだけど、これが何だっての?」




「魔法使いの姿でしょう?」






「全身白タイツで魔法を放つ魔法使い?インパクトは強烈だわ。だけど、魔法はどちらかというと、黒のイメージがあるんじゃない?まぁ、どっちでも、バカにしか見えないから、どうでもいいんだけどね」






「パーティでは大ウケ間違いなしよ」







「パーティでの姿を、あんたと相談してたつもりはないんだけど。しかも、やるとしても、女芸人がやる様な姿だしね。私、別に笑いに飢えてるわけじゃないの」








「その姿のまま、私に跨りなさい。素敵な合コン会場へ貴女を運びます」







「その後、恥ずかしさのあまり自殺するだけだわ。さては、あんた、燃えるゴミの日に捨てたの、恨んでるでしょ?」









「フフフ、当たり前じゃない?」













『魔法のほうき』…完




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