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エレスチャル王国編
20.ガーディアンのお仕事
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「カーネリアン様がいらっしゃらないのでしたら、私が代わりにお仕事をお教えしますわ」
暫く雑談を交わしていたが、まだ到着する気配のないカーネリアン嬢。
仕事が遅れるのは問題ということで、フローライトが教育係の代理をするようだ。
「宜しいのですか?」
「構いませんよ」
申し訳なさげに俯き加減でこちらを窺うハウ殿に、フローライトは微笑んで頷いている。
それにホッとした顔の彼に、見ているこちらまで頬が緩む。
どうもハウ殿は、なんというか、小動物のような雰囲気があるな。
「ケイにも、私の普段の学院での生活を知ってもらえる良い機会ですし」
「そうだな……その方が守りやすくなる事もあるだろう」
今の一番の問題は私に土地勘がない事だが、これは私が今後努力すれば良いだけの話だ。
頼む、と頷き返すと、フローライトは正面のハウ殿へと視線を移す。
ハウ殿も姿勢を正し聞く態勢に入った。
「まずは、ガーディアンのお仕事について軽く説明しましょうか。ガーディアンとは、ヴィオレット学院の規律を守る組織です。これは生徒に対してだけではなく、教師も含まれますわ。
1年次から5年次の各主席がガーディアンとなります。もちろん本人の意思で辞退は出来ますが、今代のガーディアンは全員主席の方達です。
ハウ様、違反者にはどういった罰則が課せられるのか、お答えできます?」
「は、はいっ! 生徒には学院側より実家への通達、そして罰に応じて成績が下がり、基準値を下回ると留年または退学処分となります。教師には減給または謹慎、最悪の場合は教師の資格没収、学院追放となります」
「ふふ、そうです。ちゃんとカーネリアン様から学んでいらっしゃるようですね」
フローライトの表情はまるで弟の成長を喜んでいるようだ。ハウ殿も満更ではない様子で、照れたようにはにかんでいる。
「規律を守ると共に、学院の行事を運営するのもガーディアンのお仕事です。今日の始業式も、本運営はガーディアンが、そのサポートとして教師が動いています。
この運営はガーディアンの1席から3席が担当する習わしになっていますから、ハウ様は2年後になりますわね」
「1席から3席……というと、5年次から3年次か。確か、フローラは3年次だったろう。運営はどうしたんだ?」
「私の担当は当日の司会・進行ですの。台本は既に休暇中に覚えてありますから、特に急ぐ必要はないわ」
褒めろと言わんばかりにこちらを振り向いてドヤ顔を決めているフローライトに、苦笑しつつも頭を撫でてやる。
目を見開いているハウ殿を見る限り、かなり彼女のイメージが壊れているようだが大丈夫なのだろうか。
髪型が崩れないよう優しく撫でてやると、満足したのか正面へと向き直った。
「4席と5席の今日のお仕事は、まだ学院に慣れていない生徒が迷ってしまわないよう、正堂までご案内して差し上げる事になります。ハウ様は、もう学院の構図は把握してありますか?」
「はい、問題ありません」
「本来であれば4席と共に回るものなのですが、カーネリアン様がいらっしゃらないとなると、ハウ様お一人になってしまうのですが……」
「もしもの時はマグがいますので、大丈夫かと」
「そう。ふふ、今年の主席は優秀だと教師の間でも有名なのよ。期待しているわ」
「あ、ありがとうございますっ‼︎」
感動した表情で頭を下げたハウ殿。頑張ろうね、と隣に座るマグに声を掛けている。
「フローラは指導者に向いているな」
「そう? ケイがそういうのなら、そうなのかしらね」
暫く雑談を交わしていたが、まだ到着する気配のないカーネリアン嬢。
仕事が遅れるのは問題ということで、フローライトが教育係の代理をするようだ。
「宜しいのですか?」
「構いませんよ」
申し訳なさげに俯き加減でこちらを窺うハウ殿に、フローライトは微笑んで頷いている。
それにホッとした顔の彼に、見ているこちらまで頬が緩む。
どうもハウ殿は、なんというか、小動物のような雰囲気があるな。
「ケイにも、私の普段の学院での生活を知ってもらえる良い機会ですし」
「そうだな……その方が守りやすくなる事もあるだろう」
今の一番の問題は私に土地勘がない事だが、これは私が今後努力すれば良いだけの話だ。
頼む、と頷き返すと、フローライトは正面のハウ殿へと視線を移す。
ハウ殿も姿勢を正し聞く態勢に入った。
「まずは、ガーディアンのお仕事について軽く説明しましょうか。ガーディアンとは、ヴィオレット学院の規律を守る組織です。これは生徒に対してだけではなく、教師も含まれますわ。
1年次から5年次の各主席がガーディアンとなります。もちろん本人の意思で辞退は出来ますが、今代のガーディアンは全員主席の方達です。
ハウ様、違反者にはどういった罰則が課せられるのか、お答えできます?」
「は、はいっ! 生徒には学院側より実家への通達、そして罰に応じて成績が下がり、基準値を下回ると留年または退学処分となります。教師には減給または謹慎、最悪の場合は教師の資格没収、学院追放となります」
「ふふ、そうです。ちゃんとカーネリアン様から学んでいらっしゃるようですね」
フローライトの表情はまるで弟の成長を喜んでいるようだ。ハウ殿も満更ではない様子で、照れたようにはにかんでいる。
「規律を守ると共に、学院の行事を運営するのもガーディアンのお仕事です。今日の始業式も、本運営はガーディアンが、そのサポートとして教師が動いています。
この運営はガーディアンの1席から3席が担当する習わしになっていますから、ハウ様は2年後になりますわね」
「1席から3席……というと、5年次から3年次か。確か、フローラは3年次だったろう。運営はどうしたんだ?」
「私の担当は当日の司会・進行ですの。台本は既に休暇中に覚えてありますから、特に急ぐ必要はないわ」
褒めろと言わんばかりにこちらを振り向いてドヤ顔を決めているフローライトに、苦笑しつつも頭を撫でてやる。
目を見開いているハウ殿を見る限り、かなり彼女のイメージが壊れているようだが大丈夫なのだろうか。
髪型が崩れないよう優しく撫でてやると、満足したのか正面へと向き直った。
「4席と5席の今日のお仕事は、まだ学院に慣れていない生徒が迷ってしまわないよう、正堂までご案内して差し上げる事になります。ハウ様は、もう学院の構図は把握してありますか?」
「はい、問題ありません」
「本来であれば4席と共に回るものなのですが、カーネリアン様がいらっしゃらないとなると、ハウ様お一人になってしまうのですが……」
「もしもの時はマグがいますので、大丈夫かと」
「そう。ふふ、今年の主席は優秀だと教師の間でも有名なのよ。期待しているわ」
「あ、ありがとうございますっ‼︎」
感動した表情で頭を下げたハウ殿。頑張ろうね、と隣に座るマグに声を掛けている。
「フローラは指導者に向いているな」
「そう? ケイがそういうのなら、そうなのかしらね」
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