「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「小さなすれ違いと甘いサプライズ」 (蒼汰視点)

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 夜の仕事を終えて帰宅。今日も長い一日やったなぁ……と思いながら玄関を開けると、家の中に人の気配がない。
「あれ、悠真、家おらんのか?」
 スマホを取り出して電話をかけるけど、応答なし。
 ――なんでや? こんな時間にどこ行ったんやろ……。
 不安が胸をもたげる。なんで連絡くれへんの? ちょっとイライラも混じる。

 玄関の鍵が開く音がして、悠真が帰ってきた。
「おかえり」って言いかけたけど、口元がちょっと下がってまう。
「なぁ……なんで電話出んかったん?」
「え、あっ、ごめん…マナーモードのままだ……でも昼にLINE送っただろ、まだ見てなかった?」
「えっ!? ……だって仕事中やったから!」
「……俺も仕事だったの。打ち合わせ」

 声を張るつもりはなかったのに、気づけば二人の間には険悪な空気が漂う。
 悠真の少しムッとした横顔からつい目を逸らしてまう……

 その時、悠真が小さな箱を差し出した。
「はい、これ。打ち合わせ先で、美味しそうだったから……思ったより帰るの遅くなってしまったから」
 箱を開けると、中には小さなモンブランと栗の乗ったプリン。栗の甘い香りがふわりと漂う。
「……え? これ、俺の?」
「うん。ちょっとしたお詫び」
 照れくさそうに笑う悠真を見て、思わず肩の力が抜けた。
「もぉ……あほやな、悠真。でも、ありがとう」

 モンブランを頬張ると、甘さが口いっぱいに広がり、さっきまでの険悪さがすっと消えていく。

「……次からは、メッセージ、ちゃんと後で確認するから。俺もごめん」
「うん、約束な、俺も気をつけるよ」 

 二人の間には、言葉にしなくても伝わる温かい沈黙が流れる。
 小さなすれ違いと甘いサプライズ。悠真の優しさがほんのり幸せに包んでくれた。
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