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「ぬくもり中毒」( 蒼汰視点)
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朝晩、急に寒なってきた。
ベッドの中は、毛布の端をめぐって小競り合いするのが、
ここ数日の定番になってきた……
「なぁ悠真、もう一枚かけ布団買わへん? これ、絶対またどっちか風邪ひくでぇ」
「んー……1枚で……布団増やしたら、蒼汰がくっついてこなくなるだろ」
「え?」
思わず固まってもうた。
「……それ、俺のセリフやん。」
「たまには言ってみたくなるんだよ」
悠真は照れたように笑って、毛布の端を俺の方に引き寄せる。
「なにそれ、ずるいわ。そんな言い方されたら、離れられへんやん」
「じゃあ、このままでいいな」
「……うん」
布団の中で、そっと手が触れた。
冷たい指先があったかい肌に触れて、思わず息が詰まる。
「なぁ悠真」
「ん?」
「布団二枚になっても、俺、毎晩ぎゅーってしてもらうから」
「強制?」
「もちろん。嫌がっても、俺がぎゅーってすんねん」
「……ほんと、甘えた。」
「違う、ぬくもり中毒やねん」
「なにそれ」
「悠真成分が足りひんと、寒くて寝られへん」
そう言うと、悠真が小さく吹き出した。
「……じゃあ、仕方ないな。俺も蒼汰成分補充する」
言葉と一緒に、ぎゅーっと抱き寄せられる。
胸のあたりから伝わる鼓動が、まるでこっちの音と重なるみたいや。
「なぁ、悠真」
「うん?」
「これ、幸せやな」
「……あぁ、あたたかい」
そのまま、毛布の中で顔を寄せて、軽くチュッと触れた。
小さな音がして、二人とも同時に笑ってしまう。
「悠真、次の休み、一緒に布団見に行こ」
「あぁ、ついでに、土鍋も新しいの買いたいし」
「ええな、それ。冬支度やん」
初めてふたりで迎える秋と冬。
寒い季節やけど、心はもうすでにぽかぽかや。
――たぶん、これからの冬は、
寒さよりもぬくもりのほうが増えてくんやろな。
ベッドの中は、毛布の端をめぐって小競り合いするのが、
ここ数日の定番になってきた……
「なぁ悠真、もう一枚かけ布団買わへん? これ、絶対またどっちか風邪ひくでぇ」
「んー……1枚で……布団増やしたら、蒼汰がくっついてこなくなるだろ」
「え?」
思わず固まってもうた。
「……それ、俺のセリフやん。」
「たまには言ってみたくなるんだよ」
悠真は照れたように笑って、毛布の端を俺の方に引き寄せる。
「なにそれ、ずるいわ。そんな言い方されたら、離れられへんやん」
「じゃあ、このままでいいな」
「……うん」
布団の中で、そっと手が触れた。
冷たい指先があったかい肌に触れて、思わず息が詰まる。
「なぁ悠真」
「ん?」
「布団二枚になっても、俺、毎晩ぎゅーってしてもらうから」
「強制?」
「もちろん。嫌がっても、俺がぎゅーってすんねん」
「……ほんと、甘えた。」
「違う、ぬくもり中毒やねん」
「なにそれ」
「悠真成分が足りひんと、寒くて寝られへん」
そう言うと、悠真が小さく吹き出した。
「……じゃあ、仕方ないな。俺も蒼汰成分補充する」
言葉と一緒に、ぎゅーっと抱き寄せられる。
胸のあたりから伝わる鼓動が、まるでこっちの音と重なるみたいや。
「なぁ、悠真」
「うん?」
「これ、幸せやな」
「……あぁ、あたたかい」
そのまま、毛布の中で顔を寄せて、軽くチュッと触れた。
小さな音がして、二人とも同時に笑ってしまう。
「悠真、次の休み、一緒に布団見に行こ」
「あぁ、ついでに、土鍋も新しいの買いたいし」
「ええな、それ。冬支度やん」
初めてふたりで迎える秋と冬。
寒い季節やけど、心はもうすでにぽかぽかや。
――たぶん、これからの冬は、
寒さよりもぬくもりのほうが増えてくんやろな。
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