「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「寝るときの電気問題」

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 同棲を始めて、数か月が過ぎた……
 蒼汰との毎日のいろんなことが自然になった。
 歯ブラシが二本並んでることも、
 洗濯物に二人分の靴下が混ざってることも。

 だけど――ひとつだけ、いまだにちょっと気になることがある。
 それは、夜寝るときの明かりだ。
 もちろん、ベッドはひとつ、蒼汰と並んで寝ているんだけど……
 俺は真っ暗タイプで、蒼汰は豆電球をつけるタイプ。
 これまでは蒼汰に合わせてきたけど、やっぱり明るいと寝つきが悪い。
 特に、夜遅くまでパソコン仕事をして目が冴えてるときなんか、余計に。
 
 そんな夜、思い切って言ってみた。

「……なぁ、蒼汰。今夜、電気消してもいい?」
「えぇ~……暗いの苦手っていうか……悠真の顔も見えへんやん……」

 返ってきた声は、少しだけ戸惑ってる。
 無理させたかな、と思いつつも、俺は笑って言った。

「おれが隣にいるんだから、怖くないだろ」

 蒼汰は数秒、黙ったままこっちを見ていた。
 そして小さく息を吐いて、ふっと笑う。

「……まぁ、そうやな。そんなら、“ぎゅー”ってして寝てもいい?」
 
 照れ隠しみたいに言って、蒼汰が毛布ごと抱きついてくる。
 思わず笑ってしまったけど、そのまま背中に腕を回した。

「悠真、あったかい……朝までちゃんと“ぎゅー”やで……」
 
 電気が消えて、世界がふっと静かになった……
 暗闇の中で、蒼汰の息が肩にかかる。

「おやすみ。蒼汰」
「……おやすみ、悠真」

 さっきまで明るすぎた世界が、今はやけに落ち着いてる。
 ――これくらいの暗さなら、きっとお互いにちょうどいい。
 そんなことを思いながら、蒼汰の髪を軽く撫でる。
 
 でも、明日の朝もまた、毛布の奪い合いから始まるんだろうな……
 蒼汰が全部巻き取って、俺が文句言って。
 ――それでいい。俺らの毎日は、ちゃんと続いてる。
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