「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「大阪から届く愛情小包」

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 玄関のチャイムが鳴って、荷物が届いた。
 送り主は――蒼汰の実家。

「お、オカンからやな。今月も来たか~!」
 蒼汰が嬉しそうに箱を抱えて、リビングのテーブルに置く。
 蒼汰のお母さんは、ほぼ毎月のようにこうして荷物を送ってくれる。
 中身はいつも、食べ物とか日用品とか、よくわからない大阪土産とか。
 ほんと、やさしい人だ。

「もぉ、今回は何送ってきたんやろ?」
 箱を開けながら、蒼汰がニヤニヤしている。
 俺はその横顔を見て、思わず笑ってしまった。
「いつもありがたいな。ホント」
「最近もう、悠真宛てみたいなもんやで。
 オカン、すっかり悠真のファンやもん」

「いや、そんな……」
 そう言いながらも、なんだか頬がゆるむ。

「おっ、出た出た。……って、うわ、またこの柄か!」
 蒼汰が取り出したのは――ど派手な大阪名物柄の長袖パジャマ。
 たこ焼き、通天閣、そして“浪速魂”の文字まで。

「……誰が着んねんこれ!」
「似合うよ、蒼汰。ほら、赤のほう」
「いや、悠真こそ青いのん」
「またペアルック……」
「ほんま。オカン頼むわぁ……」

 笑いながら、ふたりでパジャマをたたむ。
 そのあと、蒼汰が箱の中をのぞき込んで、声を上げた。
「これは初めて見るなぁ……」
 中には、“大阪弁一口カステラ”なる謎のスイーツ。
 ひとつひとつに「ええねん」「ほんまや」などの文字入り。

「もぉ、うちのオカン、こういうの見つけたらすぐ送ってくんねん。
 完全にうけねらい」
「でも、愛されてるな」
「そやねんけど、これはもう愛情テロやん」

 そう言いながら、蒼汰が一口カステラを二つ取り出した。
 ひとつを俺の前に差し出して、
 
「すきやねん」

 俺も一つつまんで返す。

「おおきに」

 見つめ合って、ふたりして吹き出した。

「なにやってんだか」
「いや、これも大阪流の愛の交換やん」

 笑い声が混ざるリビングに、甘いカステラの香りが広がった。

「なぁ悠真」
 蒼汰が、例のパジャマを広げてニヤッと笑う。

「せっかくやし、今夜これ着よ。ほら、“浪速の夜”の開幕」
「そのネーミングやめろ」
「ええやん、記念や記念。……なぁ、ほらほら、もう襲うから」
「襲うて、なんだよ!何の記念だよ」

 ツッコミながらも、結局ふたりして笑い崩れる。
 気づけば、くだらないことで笑って、肩を並べて――
 この部屋が、まるで“ふたりの家族”みたいにあったかかった。
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