「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「こたつ届いた日の、ぬくぬく初日」(蒼汰視点)

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 仕事終えて帰宅したら、リビングに見慣れへん存在感。
 ……こたつ、ある。
 少し丸みのあるデザインで、うちの部屋にめちゃしっくり馴染んでる。

「わぁ、もう届いたん? はやっ」
「うん。ほら、形も色もリビングに合うだろ? あっためておいたから、入っていいよ」

 言われるままこたつ布団に潜り込むと、“ほわっ”と天国みたいな温度。
 悠真も隣に座って、自然と足先が触れ合う。手も、ぽわっと当たる。

「……あっ、当たってるやん」
「あぁ。あったかくて気持ちいい」

 それだけで胸の奥がじーんとして、
 目の前のミカンなんか完全に背景。

「……あったかいな」

 こたつの中でふたりして顔寄せて、ただ触れ合うだけでぽわぽわする。

「悠真……このまま、ずっとこうしときたい」
「俺も……」

 しばらくぬくぬくしてたら、悠真がふいに呼ぶ。

「蒼汰……」
「ん?」
「……あ、ミカン食べる?」
「うん……」

 そう答えた瞬間、悠真が手をぱっと離した。

 あったかさがスッと消えて、こたつの中に冷気が入り込む。

 ……え、めっちゃ寂しい。
 自分でも笑うくらい、胸がきゅっとした。

 悠真はというと、何事もなかったみたいにミカンむいてる。
 指が動くたびに、柑橘の香りがふわっと広がる。

「はい、蒼汰」

 気づいたら、悠真が俺の口元にミカンを差し出していた。

「え?」
「うん。だって蒼汰、さっき寂しそうな顔してたよ」

「してへん!」
 即否定したけど、悠真はにこって笑う。

「じゃあ、食べない?」
「……食べる」

 結局、甘々を受け入れてしまう俺がいる。

 パクッと口に含んだ瞬間、
 ミカンより先に悠真の指先がふわっと唇に触れた。

 うわ……

「甘い?」
「ミカン? それとも?」
「どっちも」

 悠真はまたこたつの奥に潜り込み、自然に俺の手を取ってくる。

「悠真の手、冷たなっとるやん。ほら、貸して」

 絡めた指をぎゅっと握ると、
 悠真の頭が俺の肩にこてんと乗っかった。

 その重みが、なんか安心する。

「……こたつ……やっぱり買うてよかった」
「うん。蒼汰にくっつき放題こたつだもんな?」

「アホ……」
 もぉ、やめてぇ、照れるやん。

「ミカン、もっと食べる?」
「このままがええ。手、握ってたい」

 握った手の熱がじわじわ広がって、
 こたつの中はミカンの香りと、悠真のぬくもりでいっぱいになる。

 ……この小さなこたつ、世界でいちばんあったかいわ。
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