「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「こたつ買いに行くだけのはずが、心までぬくぬくした日」

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 最近、本気で寒くなってきた。

「なぁ~…こたつ、まだ買わんの? 俺の“たってのお願い”やって」
 “たっての”の言い方が可愛すぎて、はいはい分かったよ…と思いながら、
 早番で仕事終わりの蒼汰を迎えに行って、二人で電気屋へ向かう。

 町はすっかりクリスマスモードだった。
 きらきらした電飾の中を歩きながら、蒼汰がふいに言う。

「今年で二回目やんな、二人で迎えるクリスマス。
 しかも今年は一緒に住んでるからなぁ~、楽しみすぎる」

 そんな顔されたら、こっちも頬がゆるむ。

「仕事、早めに終わらせる。今年は絶対一緒にゆっくりしたいやん」

 …なんか、妙に張り切ってる。
 横顔を見てると、胸がじんわり温かくなる。

 クリスマスの飾りをあれこれ見ながら歩いていたら、
 ふと三年前のことを思い出してしまった。

 ホントは蒼汰と過ごすクリスマスは、3回目。蒼汰は知らないけど……
 あの日、姉さんのカフェで助っ人で働いていたクリスマスイブ。
 閉店間際、蒼汰が息を切らしてケーキを取りに来た。

「今日、一緒に食べるはずの相手にな…無理って言われてさ。
 加奈さん、ごめん、一緒に食べてくれへん?」

 あの時の蒼汰、苦笑しながらもなんか寂しそうで。
 姉さんが「じゃあケーキはプレゼントね」と言って、
 二人で静かに祝ってるのを、厨房からこっそり見てた。

 あの頃から、俺はきっとお前のことが気になってたんだよな。
 思い出に沈んで歩いていたら、

「悠真?」
 肩をぽん、と叩かれた。

「どうしたん。ほら、こたつ売り場見えてきたで」
「……あ、ごめん。ちょっと考えごと」
「ふーん?」
 蒼汰はじーっと俺の顔をのぞき込んでニヤッとする。

「ま、ええわ。で!こたつやけどな、ちっちゃいのでええよな? 」
「あぁ。部屋も広くないしな」
「うん。…それに、小さいほうがさ」

 目を細めて、蒼汰がにっこり笑う。

「悠真に、もっとくっつけるからな」

 ど真ん中ストレート。
 心臓が跳ねる音、絶対バレた。

「……蒼汰」
「ん? 嫌なん?」
「嫌じゃない!!」
「じゃあ決まりやん。“俺が悠真にくっつき放題こたつ”にしよ」

 そんな変な名前のこたつあるか。
 でも、笑ってる蒼汰の横顔を見たら、もうどうでもよくなる。

 クリスマスの光が反射して、蒼汰の頬がほんのり赤く見えた。
 こたつ買いに来ただけなのに、気付いたら心までぽっかぽか……。
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