「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「お弁当の落書き事件」

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 朝、弁当を詰めながら、ふと悪戯心が湧いた。
 ……蒼汰、最近忙しそうやし、ちょっとでも笑ってほしいな。
 綺麗に切れた卵焼きの端っこに、
 食用ペンでちょこんと笑顔を描いた。

「……俺、なにしてんの
 こういうくだらないの蒼汰好きそう。
 蒼汰がこれを見て笑う姿まで浮かんで、胸が少しあったかくなる。

 ……けど同時に、ふと未来がよぎる。

(いや待てよ。こうやって顔描いたり、飾り切りとか始めて……そのうちキャラ弁マスター??)

 そんな心配を振り払いながら弁当箱を閉めたタイミングで、
 寝癖を直しきれんままの蒼汰が、目こすりながら出てきた。

「おはよ。今日も弁当ありがとな~」

「はいはい。」

 当たり前の会話やのに——
 こういう瞬間、一緒に暮らしてる実感がじんわり来る。

 蒼汰は弁当をバッグに入れて、
 俺の頬にちょんっとキスして出ていった。

 ……で、昼すぎ。

 スマホがぶるっと震えた。蒼汰から。

 ──《おま……これなん?》

 卵焼きのドアップ写真。
 ちっちゃい笑顔の顔つき。

 つい吹き出してまう。

 《顔やけど? 嫌やった?》

 すぐ通知。

 《可愛すぎて5分悩んだんやけど》
 《食べたらかわいそうやん》
 《けど食べた。うまかった。罪悪感あるけど》

 何その罪悪感。かわいすぎ。
 笑いながら返そうとしたら、追撃。

 《なぁ悠真》
 《こういうの、時々してやぁ》
 《嬉しすぎて手元震えた》

 そこまで……?
 そんなこと言うなよ。
 また作りたくなるだろ。
 あぁ、……ほんとに俺、キャラ弁マスターの道を歩んでしまう未来が……

 《はいはい。今度はおにぎりに顔つけてやるよ》
 《いやそれは照れるからやめてぇえ》

 言いながら絶対喜ぶくはず。
 その顔が簡単に想像できて、ため息まじりに笑ってしまう。

 ……まぁ。
 蒼汰がこんなに嬉しそうなら、
 たとえ“キャラ弁マスタ-化”した未来が来たとしても——
 悪くないかも。
 ほんと、あいつのこういうとこ……反則にかわいい
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