「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「ひつじとオオカミ」

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 昼休み、後輩に誘われて商店街をぶらついてたら――
 店先のラックに“もこもこ動物パジャマ”
 冬特有の“反則的に可愛い”やつらがぶら下がってる。

「え、なにこれ?めっちゃ手触りええ……うわ、もこもこ動物パジャマ?」
「先輩、それ可愛いですね!」
「このクマいいけど……これ、キツネ? あ、犬もあるやん」
「私はウサギ買おうかな。彼氏よろこびますし」
「おつ。白石の彼氏絶対好きやろそれ」
「先輩は……キツネ?似合いそうかな……」
「おま、適当言うてるやろ……あっ、ええやん。じゃぁ俺は……これするわ」


 ひつじのもこもこを抱えた瞬間、ああもう勝ち確やって確信した。
 ……悠真、絶対好きやんこれ。想像してしまって、にやける自分が悔しい。
 ついでに、悠真には冬用の落ち着いたブルー系チェックのパジャマも購入。


 夜ごはんを食べ終わって、リビング。

「蒼汰、その袋なに?」
「冬用やん。悠真のパジャマも買った」

 俺がひつじパジャマを出した瞬間、悠真が固まった。

「……えぇ……いや俺、普通のでよかったけど」
「アホやなぁ。違う。これは俺が着るねん」

 袋からブルーのチェックを出すと、悠真の眉が“あ、よかった”ってゆるむ。

 そして、お風呂上がり、
 ふわふわひつじになった俺がリビングに戻ると……
 悠真、持ったまま静止。

「……え?」
「どや、かわええやろ」
「…………」
「お~い、なんかいってやぁ」

 ものすごいゆっくり瞬きして、ぽつり。

「……かわ……いや、なんでもない」
「……気に入った?」

 耳が赤いのをごまかしもせん。
 可愛すぎて、ちょっと勝った気分。

「悠真はさ、オオカミやろ? 絶対似合うで」
「どうして俺だけリアルな感じ……」
「ひつじとおおかみ。ほら、セットやん」

 悠真がちょっとだけ、照れ笑いした。
 あぁ~、その顔見れただけで、今日買った分の元は余裕で取れたやん。

 冬、悪ないなぁ……もっと寒なったらええねん。
 そしたら、もっとくっつけるやん?
 冬の夜は、ふわふわであったかく、そしてめちゃくちゃ甘かった。
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