「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

文字の大きさ
54 / 150

「背中から始まる冬の朝」

しおりを挟む
 朝起きたら、家の中の空気がひやっとしてた。
 冬特有の“起きるがツライ温度”。
 とりあえずコーヒー淹れようとキッチンに立った。
 背後から、ふにゃっと何かがまとわりついた。

「……おわっ、蒼汰?」

 上下もこもこパジャマの蒼汰が、そのまま俺の背中へぎゅー。
 顔を押しつけて、完全に貼りついて動かん。

「……蒼汰? なんで背後から……」
「寒い。あと……なんか抱きつきた買ったん顛…」
 ためらいゼロ
「あぁ……ここあったか……」
 低くて、まだ寝起きの声。
「寒いなら暖房つけようか……」
「つくまで待てへん。悠真のほうが早いし、あったかいし……」

 すごく理屈になってるようで、全然なってない理由……
 蒼汰の額が、俺の肩甲骨のとこにこつん。
 吐息が背中にかかって、くすぐったい。

「……朝から甘えすぎ」
「朝は甘える時間やん? それとも、嫌なん?」
 そんなはずない。けど、素直に言ったら絶対調子に乗る。
「……じゃあ“彼氏やから抱きつきたいねん”って言うほうがいいん?」
「えっ?……」
「悠真、耳赤いでぇ」

 ぎゅうううっと、更に強く抱きついてくる

「……じゃぁ、コーヒーどうする?」
「……ん、あとでええ。いまはこれ」
 その“いまはこれ”に心臓掴まれたみたい、たぶん俺の耳も真っ赤。
 結局そのまま、蒼汰が俺の背中にくっついたままコーヒーを淹れた。

 冬の朝は寒いけど、
 背後からぎゅーしてくる蒼汰は……それ以上にあったかい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

黒獅子の愛でる花

なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。 中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。 深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。 サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。 しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。 毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。  そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。 王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。 王妃は現在、病で療養中だという。 幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。 サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…

とあるΩ達の試練

如月圭
BL
 吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。  この話はフィクションです。更新は、不定期です。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

定時後、指先が覚えている

こさ
BL
職場で長く反目し合ってきた二人。 それでも定時後の時間だけは、少しずつ重なっていく。 触れるはずのなかった指先。 逸らさなかった視線。 何も始まっていないのに、 もう偶然とは呼べなくなった距離。 静かなオフィスでゆっくりと近づいていく、 等身大の社会人BL。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

イケメンオジイついに交際したことを忘れる

彩根梨愛
BL
天然雰囲気冴えない系イケメンの高校生、綾野蒼に知らん間に彼氏が出来ていた話。

さよなら、永遠の友達

万里
BL
高校時代、バスケットボール部のキャプテン・基樹と、副部長として彼を支える冷静な舜一。対照的な二人は親友であり、マネージャーの結子を含めた三人は分かちがたい絆で結ばれていた。しかし舜一は、基樹への決して報われない恋心を隠し続けていた。 卒業を控え、基樹との「ずっと一緒にバスケをする」という約束を破り、舜一は逃げるように東京の大学へ進学する。基樹を突き放したのは、彼が結子と結ばれる幸せを近くで見届ける自信がなかったからだ。 10年後。孤独に生きる舜一のもとに、基樹から「結子が事故で亡くなった」という絶望の電話が入る。ボロボロになった親友の悲痛な叫びを聞いた瞬間、舜一の中にあった想いが目を覚ます。仕事もキャリアも投げ出し、舜一は深夜の高速をひた走る。

処理中です...