「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「クリスマスの夜、光の中で」

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 会場に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
 白と金のライトが木々に絡まり、夜そのものが、光っている。

「……すご、今年もめっちゃキレイなぁ」

 蒼汰が、思わず足を止める。その横顔にライトが当たって、
 柔らかく影が落ちた。
 きれいだな。景色でもなく、光でもなく。蒼汰が……

 無意識に、一歩近づく。寒さのせいにして、
 肩が触れる距離まで。

 蒼汰の耳元で、
 すみれ色のピアスが控えめに光っていた。
 派手じゃないのに、ちゃんと存在感がある。
 ……似合う。
 胸の奥が、静かに満たされる。

「悠真」

 蒼汰が、俺を見上げる。

「蒼汰。やっぱり来てよかったな」
「うん」
 人の流れに合わせて歩きながら、自然に、指先が触れた。
 離れなかった。そのまま、手をつなぐ。当たり前みたいに。

 ライトの下を歩くたび、蒼汰の表情が変わる。
 笑って、少し照れて、また前を見る。

「なぁ」
「ん?」

 蒼汰が、
 つないだ手に、きゅっと力を入れた。

「去年さ」
「……うん」

「ここで、俺の手、ぎゅって握ったやろ」

 覚えてる。寒くて、人が多くて、でも、離したくなくて。

「そのままさ」
「あぁ」
「好き……って、言いかけて」
 蒼汰は少し笑った。

「付き合うとか、告白とか。
 いっきに越えて……
 いきなり“一緒に暮らそう”って
 悠真に言われたん顛…」

 ……あのときのこと。

「俺、どんな言葉より、うれしかった」
「……蒼汰」
「俺も、そうしたかってん。一緒にいたいって」

 蒼汰は、照れたように視線を逸らす。
 ライトが、その表情を照らす。

「俺さ」
「うん」
「悠真に“選ばれる”んじゃなくて、
 悠真となら、一緒に決めていける気がしてん」

 つないだ手を、ぎゅっと握り返す。
 蒼汰が少し驚いた顔をして、それから、安心したみたいに笑った。

「悠真」
「なに?」
「今、幸せ?」

 答えるまでもない。

「……決まってるだろ」
「そうやんなぁ。よかった」

 ピアスが、また、きらっと光る。

 去年も、今年も。同じ場所で、手をつないで歩いてる。
 違うのは、帰る家が、同じになったこと。

 ライトの海の中で、
 俺たちは、ふたりクリスマスを更新していった。
 手を握る。
 キスをする。
 景色も、夜も。
 そして何より
 蒼汰が、ここにいることが、俺の幸せってこと
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