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「ちゃんと帰ってきた」
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時計を見るたび、ため息が出る。
……遅い。
「もう終わる」って言ってた時間は、
とっくに過ぎている。
スマホは、相変わらず静かなまま。
新年会だって分かってる。
忙しいのも、抜けにくいのも。
それでも、
何も連絡がないのは、やっぱり不安だった。
がちゃ。玄関の音。
胸の奥が、きゅっと締まって、
すぐにほどける。
「ただいまぁ~」
やけに明るい声。
靴を脱ぐ音も、少し乱暴。
「……おかえり」
短く返す。表情は崩さない。
「いやぁ~聞いてや、今日なぁ」
蒼汰は上着を脱ぎながら、
楽しそうに続ける。
「新年会の料理がさ、めっちゃいっぱいあってん」
「……」
「から揚げ山盛り、鍋二種類、
締めの雑炊まであって」
「……へえ」
「ほんでな、店長がテンション上がって
謎の乾杯三回目して」
「そう」
反応は薄く。
それでも蒼汰はは止まらない。
「〇〇さん、酔って踊り出すし」
「……」
「俺?俺はなぁ、ちゃんと大人しくしてたで?」
ちょっと得意げに胸を張る。
「……本当?」
「たぶん!」
たぶん、で信用できるわけがない。
「ほら見て」
「……連絡は?終電ギリギリ……」
「……あ」
一瞬、言葉が詰まる。
「ごめん」
「……」
むっつり、継続。
「店長の旦那さんが最後、
みんな駅まで送ってくれてん」
「……」
「なぁ悠真」
距離を詰めてくる。
「怒ってる?」
「怒ってない」
「絶対怒ってるやつやん」
そう言いながら、ぐっと抱きついてくる。
「……っ」酒の匂い。体温。少し重たい体。
「悠真~」名前の呼び方が、もう甘えてる。
「ちゃんと帰ってきたで」
「……分かってる」
「心配させたん……ごめん」
「……」
「でもな」
蒼汰は額を俺の肩に擦りつけて、声を落とす。
「帰ってきて一番に顔見たかったん、悠真や」
……反則だろ。
「なぁ~ちょっとだけ、ぎゅってしてて」
さらに腕に力を込めてくる。
ため息ひとつ。それから、背中に手を回した。
安心したみたいに、蒼汰がふにゃっと笑う。
「好きやねん、悠真」
「……はいはい」
「ほんまに好きやねん」
「……分かったから」
「悠真おらんと、俺あかんねん」
「大げさ」
そう言いながら、指先で背中を撫でてしまう。
さっきまでのむっつりは、もう、きれいに溶けていた。
「……可愛いな」
「今なんか言うた?」
「なんでもない」
新年会の夜。
遅くなった理由より、
こうして甘えられる距離の方が、
ずっと大事だった。
……本当に、ずるくてカワイイ酔っ払いだ。
……遅い。
「もう終わる」って言ってた時間は、
とっくに過ぎている。
スマホは、相変わらず静かなまま。
新年会だって分かってる。
忙しいのも、抜けにくいのも。
それでも、
何も連絡がないのは、やっぱり不安だった。
がちゃ。玄関の音。
胸の奥が、きゅっと締まって、
すぐにほどける。
「ただいまぁ~」
やけに明るい声。
靴を脱ぐ音も、少し乱暴。
「……おかえり」
短く返す。表情は崩さない。
「いやぁ~聞いてや、今日なぁ」
蒼汰は上着を脱ぎながら、
楽しそうに続ける。
「新年会の料理がさ、めっちゃいっぱいあってん」
「……」
「から揚げ山盛り、鍋二種類、
締めの雑炊まであって」
「……へえ」
「ほんでな、店長がテンション上がって
謎の乾杯三回目して」
「そう」
反応は薄く。
それでも蒼汰はは止まらない。
「〇〇さん、酔って踊り出すし」
「……」
「俺?俺はなぁ、ちゃんと大人しくしてたで?」
ちょっと得意げに胸を張る。
「……本当?」
「たぶん!」
たぶん、で信用できるわけがない。
「ほら見て」
「……連絡は?終電ギリギリ……」
「……あ」
一瞬、言葉が詰まる。
「ごめん」
「……」
むっつり、継続。
「店長の旦那さんが最後、
みんな駅まで送ってくれてん」
「……」
「なぁ悠真」
距離を詰めてくる。
「怒ってる?」
「怒ってない」
「絶対怒ってるやつやん」
そう言いながら、ぐっと抱きついてくる。
「……っ」酒の匂い。体温。少し重たい体。
「悠真~」名前の呼び方が、もう甘えてる。
「ちゃんと帰ってきたで」
「……分かってる」
「心配させたん……ごめん」
「……」
「でもな」
蒼汰は額を俺の肩に擦りつけて、声を落とす。
「帰ってきて一番に顔見たかったん、悠真や」
……反則だろ。
「なぁ~ちょっとだけ、ぎゅってしてて」
さらに腕に力を込めてくる。
ため息ひとつ。それから、背中に手を回した。
安心したみたいに、蒼汰がふにゃっと笑う。
「好きやねん、悠真」
「……はいはい」
「ほんまに好きやねん」
「……分かったから」
「悠真おらんと、俺あかんねん」
「大げさ」
そう言いながら、指先で背中を撫でてしまう。
さっきまでのむっつりは、もう、きれいに溶けていた。
「……可愛いな」
「今なんか言うた?」
「なんでもない」
新年会の夜。
遅くなった理由より、
こうして甘えられる距離の方が、
ずっと大事だった。
……本当に、ずるくてカワイイ酔っ払いだ。
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