「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「おかえり」、その声がめっちゃ好き(蒼汰視点)

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 玄関のドアを開けた瞬間、「あ、帰ってきた」って思った。
 靴を脱いで、鍵を閉める音。
 それだけで、胸の奥が少し落ち着く。

「ただいまー」

 ちょっと間延びした声で言ったら、
 キッチンの奥から返事が飛んできた。

「蒼汰、おかえり」

 顔を出した悠真は、いつもの部屋着で、いつもの声。
 それがもう、めちゃくちゃ好きで、
 それだけで安心してしまう。

「結婚式、どうやった?」
「よかったで。従弟、めっちゃキメててな」

 バッグを探って、紙袋を差し出す。

「あ、これ。お土産。悠真、好きそうやなって思って」
「おぅ、ありがとう。……蒼汰、なにニヤニヤしてん」
「いや、俺って重症やなぁ~思って」
「何の?」
「悠真依存症」

 即答したら、
 悠真がため息まじりに笑った。
「はいはい、知ってるよ」
 強い。

 荷物を置いて、リビングへ。
 部屋はきれいで、
 俺がおらんかった時間が、ちゃんと分かる。

「もぉ……掃除したやろ……ゆっくりしたらええのに」
「まあな。蒼汰がいないと、静かすぎてさぁ」
「俺、騒音扱いなん?」
「自覚あった?」

 ひどいこと言うくせに、目はちゃんと笑ってる。

 ソファに並んで座る。
 最初は少しだけ間があって、でも、気づいたら肩が触れてた。

「なぁ……」

 言葉を探して、少し間を置く。

「離れてたらさ、やっぱ、隣がええなって思ってもうた」

 悠真が一瞬だけ目を瞬かせて、
 それから小さく笑う。

「俺も」

 短いけど、まっすぐな声。
 そのまま、どっちからともなく距離が縮まる。
 抱きしめるほどじゃない。
 でも、肩に頭を預けるには、ちょうどいい近さ。

「一人でおると、悠真のことばっか考えてたわ」
「それ、俺も」

 ちょっと笑って、でも、嘘はひとつもない。

「なぁ、蒼汰」
「ん?」
「ちゃんと一緒に、先のこと考えような」

 そう言って、悠真が俺の頭をぽんって撫でた。

「うん。俺も、ちゃんと考える」

 指先がそっと絡む。その手があったかくて、
 もう離れる気、まったくなくなった。

 やっぱりここが、俺の場所や。
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