「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「雪の日の静かな時間」(蒼汰視点)

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 外が、妙に静かやった。
 車の音も、人の声も消えて、ただ白いものが落ちていく。

「雪、降ってんなぁ……」

 そう言ったのは俺やけど、
 悠真は返事せえへん。
 そのまま、同じ窓を見てる。

 カーテン越しの光がやわらかくて、
 部屋の中まで静かになる。

 隣に立ってるだけ。
 肩が触れて、体温が分かる距離。
 それ以上、近づく理由も、離れる理由もない。

 俺は黙ったまま、悠真の横顔を見る。
 いつもより、少しだけ穏やかで、
 何も考えてなさそうで。

 こういう時間、嫌いやない。
 話さんでもええ時間。

 外の雪が、音を全部吸い込んでくれるから、
 俺らの息の音だけが、部屋に残る。

「……静かだな」

 今度は悠真が、ぽつっと言う。

「せやな」
 それだけで、十分やった。

 しばらくして、
 悠真がほんの少しだけ俺の方に体重を預けてくる。
 無意識みたいな動き。
 俺は何も言わず、そのまま受け止める。
 指先が触れて、絡めるでもなく、離れへん。

 この沈黙が、心地ええって知ってるから。

 雪の日は、ええな。
 世界が静かになって、
 二人だけが残ったみたいで。

 この時間が、ずっと続けばええのにな……
 なんて思いながら、
 俺はまた窓の外に目を戻した。

 白い中で、ちゃんと、あったかい。
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