「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「好きが重なる夜」②

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「はい、これ……」

 差し出されたのは、ハートの箱に大きなリボン。
 少し不揃いで、でも丁寧に包まれた手作りチョコ。
「食べていい?」
「味の保証は、せえへんけど」
 視線が泳ぎまくってる。
 かわいすぎるやろ。

 受け取りながら、わざと首をかしげる。
「……他に言うことない?」
 ぴたり、と蒼汰が止まる。
「えっ」
 じっと見ると、みるみる赤くなる。
「え、えええ……それ……」
「ほら」
 一歩近づく。
「俺のために作ってくれたんだろ?」
 腰に手を回すと、びくっと震える。
 体温が伝わる。
「……言わんとあかん?」
 逃げ場なく囲われてるの、分かってる顔。
「聞きたい」
 蒼汰が一瞬、ぎゅっと目を閉じる。
 小さく息を吸って。

「……じゃあ」
 そして。
「悠真。俺、悠真のこと、好きです」

 真っ直ぐ。震えてるのに、ちゃんと真っ直ぐ。
 その一言で、胸の奥が一気に熱くなる。
 嬉しすぎて、思わず顔を覆った。

「……ちょ、悠真?」
「無理やって今の」

 心臓うるさい。
 顔、絶対やばい。
 初めて好きな人からチョコをもらって、
 初めてちゃんと「好き」って言われた。

 破壊力、すごい。

「なんで顔隠すん」
「嬉しすぎる」

 指の隙間から見ると、
 蒼汰がまだ赤いまま、でも少し笑ってる。

「俺のほうが、もっと好きやのに」
 今度は俺が言う番。
 頬に手を添える。
「チョコも嬉しいけど」
 額を軽く合わせる。
「好きって言われるほうが、何倍もやばい」

 蒼汰がふっと笑う。
「……来年も言うで?」
「うん、毎年言って」

 ワインも、花も、料理も、全部ぼやけて。
 今は、目の前の蒼汰だけ。

 そしてまた唇が触れる
 バレンタインの夜

 特別なのはチョコじゃなくて、ちゃんと伝え合えたこの時間。
 好きな人からもらうチョコと、
 好きな人の「好き」で、俺たちは、また照れる……
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