「君と暮せば毎日がちょっといい日」

るみ乃。

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「陽だまりのなかで」

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 ぽかぽか陽気。
 ああ、気持ちええなあって思いながら、
 ソファにごろんって転がったのが最後の記憶。

 目、閉じたら一瞬やった。
 次に目が覚めたとき、
 部屋はまだ明るくて、窓からやわらかい光が差してる。

 あれ、何時や。
 ぼんやり視線を横にずらして、止まる。

 ……悠真。

 いつの間にか隣で寝てる。
 本、胸の上に落ちたまま。
 太陽の光がちょうど顔に当たってて、
 まつ毛がうっすら影を落としてる。

 なんやろこれ。

 静かで、あったかくて。
 触れたくなる。
 そっと頬に指先を近づけると、
 ほんのり熱を持ってる。

 日向の匂い。

 気持ちよさそうな寝顔。
 ちょっと口元がゆるんでて、
 まるで大型わんこがひなたぼっこしてるみたい。
 でかいくせに、無防備やな。

 かわいい。

 思わず、
 柔らかい栗色の髪に指を差し込んでる。
 くしゃ、って軽く撫でる。

「……んん」
 低い声。やば、起こした?
 手を引こうとした瞬間、
 くい。腕、つかまれた。

 えっ!

 次の瞬間、ぐっと引き寄せられて、
 気づいたら胸の中。

 すっぽり。ホールド。

「ちょ、悠真……?」

 寝ぼけた声が、耳元で落ちる。

「……あったかい」

 起きてるんか寝てるんか分からん声。
 でも腕はしっかり回ってる。
 逃げ道なし。

 俺の顔、ちょうど胸のあたりに押しつけられて、
 鼓動がゆっくり響く。

 日差しと体温で、
 二重にあったかい。

「重いって言うんちゃうん」

 小さく言うと、

「言わない」

 目、閉じたまま。
 俺は観念して、そのまま背中に腕を回す。

 ぴったり。
 外はまだ二月やのに、
 ここだけ春。

 静かで、ぽかぽかで、
 呼吸のリズムが重なる。

 悠真の胸がゆっくり上下するたび、
 俺もまた眠くなる。

「……もうちょいだけ」

 小さくつぶやくと、
 腕がほんの少し強くなる。

 大型わんこに抱き込まれたまま、
 俺はまた目を閉じる。

 二月末の午後。
 何も予定ない、
 ただ甘いだけの時間。
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