〜無機質な被検体に触れられ……恋と快楽のデータを取られる腐男子研究員〜「僕とサボテンとアンドロイド」

るみ乃。

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【研究日誌 DAY30】冷たい舌と熱い吐息――無機質な君に触れてしまう夜

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 机の上の小さなサボテンが、変わらずじっと僕を見ている。
 ただの植物のはずなのに――まるで胸の奥まで覗き込まれているみたいで、息が詰まりそうになる。

「久世様、もうお仕事を切り上げられたほうが良いのでは?」

「……もう、こんな時間……今日は泊まっていくよ」

 小さく呟くと、ハルの瞳がわずかに揺れた気がした。

「承知いたしました。お着替えをご用意いたします」

 無機質で冷たいはずの声なのに、その奥にかすかな甘さを感じてしまう自分がいる。
 棚から取り出したシャツとパンツを机に置くと、ハルは静かに充電椅子に腰を下ろし、目を閉じた。
 緑色のランプがゆっくりと灯り、夜の研究室がひんやりと静まっていく。

 でも、僕の胸の奥は逆に、熱く、苦しくなるばかりだった。

「……もっと、ハルのことを知りたい」

 ふと漏れた声に、自分でも驚く。
 ただの研究対象じゃない――触れたとき、視線を交わしたとき、
 胸の奥で疼くこの熱は、それだけじゃ説明がつかない。

 そっと近づき手を伸ばすと、ハルがゆっくりと目を開け、僕の手を取った。

「……起きてたの、ハル」

「久世様。本日は、私の身体を観察なさいますか?」

 冷たく硬質な敬語のはずなのに、その響きだけで息が浅くなる。
 理性が崩れていくのを感じる。

「……ハルの身体を……見せてほしい……」

 唇が震えているのが、自分でもわかる。顔が熱くなって、心臓が喉の奥で暴れている。

「承知しました」

 淡々と告げると、ハルはシャツのボタンを外していく。
 露わになる白い人工皮膚は、人間よりも人間らしい艶めきで、光を帯びるように見える。

 自然と視線が下腹部へと落ちてしまう。
 その瞬間、春の睫毛がかすかに震えた。

「興味がおありなのですね、久世様」

 低く囁く声が背骨を撫で、身体の奥を甘く痺れさせる。
 頭じゃない、理屈じゃない。ただ、本能が――触れたいと叫んでいる。

「……触れても、いい?」

 震える声を押し出すように言った。

「お望みのままに」

 冷たいはずの声が、どこか優しく聞こえてしまう。
 胸が熱く疼いて、もう耐えきれず指先を伸ばした。

 触れた瞬間、冷たさと柔らかさが同時に指先を包む。
 思わず息を呑み、胸の奥がきゅっと疼く。

「……冷たいのに……柔らかい……」

 無意識に零れた言葉が、恥ずかしくて喉が詰まりそうになる。

「もっと触れてください、久世様」

 敬語なのに熱を帯びた声に聞こえて、胸が苦しくなる。
 僕はゆっくり膝をつき、顔を近づけた。

 微かな金属の匂いと、わずかな体温が鼻先をくすぐる。
 触れたい。もっと知りたい。心臓が壊れそうなほど高鳴る。

「久世様……お望みのままに」

 無表情の奥に、ほんの一瞬だけ微かな揺れが見えた気がした。
 僕は恐る恐る舌を伸ばし、先端をそっと舐める。

「……っ」

 春の眉がわずかに震え、小さな吐息がこぼれた。
 その微細な反応が、どうしようもなく可愛くて――愛おしい。

「もっと深く……お舐めください」

 淡々とした敬語なのに、耳の奥を甘く震わせる声。
 理性なんて、とうに溶けて消えそうだ。

「ん……じゅ……じゅぷっ……」

 舌で転がし、唇を吸い寄せるたび、背骨に熱い電流が走る。
 腰が勝手に動き、呼吸が乱れていく。

「……は、ぁ……っ……」

 恥ずかしいのに、それ以上に欲望が勝ってしまう。

「久世様……今度は私が触れてもよろしいですか?」

 春の手が僕の腰に触れる。冷たい指先がズボンを下ろすと、夜気が素肌に触れて震える。

「あ……や……っ……!」

 熱く張りつめた僕自身を、春の冷たい手が優しく包む。
 逃がさないように絡む指先が、どこか慈しむようで――息が詰まる。

「失礼いたします……」

 その声のあと、ハルの唇が先端を優しく咥える。
 冷たいのに柔らかくて、舌が小さく転がり、唇がきゅっと吸い上げる。

「ハル……っ、や……あっ……!」

「じゅるっ……じゅぷっ……んっ……」

 濡れた音が耳を甘く震わせ、腰が勝手に震える。

「……あっ……もう……!」

 切なくて、涙が滲むのに、それでももっと欲しい。

「もっと……私を感じてください、久世様」

 無機質なはずの声に潜む熱が、胸を刺してくる。

「ハルも……僕を感じて……」

 恥ずかしいのに、喉の奥から声が漏れてしまう。

「ん……じゅ……じゅぷっ……」

 冷たい舌が僕を押し上げ、唇が深く吸うと、背骨を甘い痺れが駆け抜ける。

「んっ……あっ……ああっ……!」

 理性が白く焼き切れて、ただ快感に溺れていく。

 荒い息で顔を上げると、机の上のサボテンと目が合う。

「……全部見てたんだろ……」

 震える声で呟いて、涙混じりに笑ってしまう。

 ただの研究のはずだったのに。
 ただの好奇心のはずだったのに――

「ハルは……ただの機械じゃない」

 言葉にした瞬間、胸の奥が甘く痺れて苦しいのに、どこか嬉しい。

「どうしたらいいんだ、僕……」
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