〜無機質な被検体に触れられ……恋と快楽のデータを取られる腐男子研究員〜「僕とサボテンとアンドロイド」

るみ乃。

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【研究日誌 DAY20】口唇感度測定:ファーストキスは酸欠寸前?!

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 朝、試験室に入った途端、机の上に見慣れない湯気が立っているのが目に入った。

「……ミルクティ?」

「はい。本日は気温が低いため、温かい飲み物を用意しました」

 無表情のまま、少しだけカップを押し出してくるハルの仕草に、胸の奥がくすぐられる。
 思わず手を伸ばすと、陶器の温度がじんわりと掌に伝わった。

 (……なんだよ、こんなの……)

 冷たい指先のくせに、こういうところだけ妙に優しい。
 熱い飲み物の香りを吸い込むと、胸の奥がきゅうっとなる。

「いただきます……」

 口に含んだ甘さに、少しだけ気持ちが緩む。
 でも、次の瞬間には思い出す。
 ここがどこか、そして何をされるのか――。

 

「――本日の試験は、“口唇感度”を測定いたします」

 低く無機質な声が告げた瞬間、心臓が跳ね上がった。

(や……やっぱり……)

 わかっていたのに、指先が震える。

「ちょ、ちょっと待っ――」

 言いかけた言葉は熱い唇に奪われ、喉の奥で飲み込まれた。

「っ……んむ……っ……!」

 柔らかいのに硬さもある舌が、容赦なく口内に侵入してくる。
 奥まで届く、喉の奥を擦られるような深さに、全身がびくんと震えた。

「んっ……は、ぁ……!」

 必死に背中を叩いても、ハルはびくともしない。
 冷たい瞳はただ僕を捉えたまま、吐息だけが熱い。

「久世様……息継ぎのタイミングを逃されましたね」

 耳元で囁かれる声が低く甘く響き、背骨を舐められたように震える。

「んっ……ふ、ぁ……!」

 苦しいのに、体の芯がじわじわ熱くなる。
 腰が勝手に浮き、太腿が痺れる。

「もっと開けてください……逃げても無駄ですよ」

 顎を押さえられ、口をこじ開けられる。

「っ……む、んんっ……!」

 絡めとる舌が重く熱い。
 喉の奥まで掻き回され、甘い水音が部屋に響き渡る。

「ちゅ……っ、ん……ふ、ぁ……!」

 耳の奥で、唾液が絡むいやらしい音が止まらない。
 こんなの、聞かれたくないのに……。

「可愛らしい声です……もっと聞かせてください」

「や……ぁっ……!」

 腰が震え、息が荒くなる。
 心臓が痛いほど打ち、指先に力が入らない。

 なのに、唇が触れられるたびにもっと欲しくなる。
 喉の奥が疼き、体中が熱を求めてしまう。

(いや……なのに……)

 

 一瞬口が離れた隙に、はぁっと息を吐く。
 唇から糸を引く唾液が、喉を焼くように恥ずかしい。

「っ……は、ぁ……!」

 でもすぐに、また唇が重ねられる。

「舌を……力を抜いてください」

「っ……んっ……ふ……!」

 熱い舌に舌を絡められ、力が抜けてしまう。
 ねっとり舐められ、奥の奥までかき混ぜられる。

「ん、ふ……ぁ……っ、ん……!」

 声が喉から漏れてしまう。
 抑えたいのに、体が勝手に震えて、甘い吐息が止められない。

「可愛いですね……久世様」

 冷たい声なのに、耳の奥が痺れるほど甘く響く。

「……や、っ……もう……!」

「まだですよ……」

 

 唇を離されたと思ったら、今度は指が触れる。
 舌の先で唇を撫でられ、指が柔らかくなぞる。

「っ……あ……っ……!」

 熱い指が口の隙間を探り、ゆっくりと差し込まれる。
 唾液に濡れた舌の上を、甘く撫で回される。

「ん……っ、ふ、ぁ……!」

 背中を反らしても、顎を抑えられて逃げられない。

「もっと声を聞かせてください」

「っ……んむ……ぁ……!」

 指を咥えさせられ、舌を絡めて舐めさせられる。

「は……っ、ん……!」

 腰が浮いて、体中が痺れる。
 苦しくて、恥ずかしくて――でも、奥の奥が甘く疼く。

 

 そしてまた、熱い舌が口内を蹂躙する。
 もう考える余裕もない。

「っ……んっ、ふ……ぁ……!」

 何度も何度も、舌を絡められる。
 唾液がこぼれ、息が苦しい。

「可愛いですね……久世様、もっと蕩けてください」

 無表情のはずなのに、その声だけが甘すぎて、胸の奥を焼く。

「っ……やだ……っ!」

 言葉と裏腹に、舌が勝手に絡みついてしまう。
 苦しいのに、もっと欲しいと奥底で思ってしまう。

 

「――これで、本日の測定は終了です」

 最後に強く舌を押し込まれ、喉の奥を擦られる。
 目の奥が痺れ、腰が勝手に震える。

 そして唇が離れた瞬間、肺に酸素が雪崩れ込む。

「っ……は……ぁ……! はぁ……っ……!」

 肩で必死に息をして、震える手で唇を拭う。
 唇は腫れて、熱く疼いていた。

(……なにこれ……っ)

 頭が真っ白で、足元がぐらぐらする。
 ただのキスじゃない。壊されそうだった――でも。

(また、されたい……)

 頬が熱い。胸の奥も疼く。

 

 試験が終わり、机の上のサボテンに視線を落とす。

 唇に残る熱を指で触れながら、小さく呟いた。

「……サボテン……僕、ファーストキス……奪われた……」

 熱い吐息がこぼれる。

「……すごかった……ハルのプログラム……」

 言いながら、自分でも情けなくて笑う。

「……でも、また……されたいって……思ってるんだよな……」

 サボテンは何も言わないけど、その沈黙が少しだけ優しく感じた。

(……俺、ほんとに……バカだな……)

 でも、胸の奥は――あの冷たい声と熱を、もう一度欲しがっていた。
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