〜無機質な被検体に触れられ……恋と快楽のデータを取られる腐男子研究員〜「僕とサボテンとアンドロイド」

るみ乃。

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【番外編】新快楽適応テスト:愛のアップデート

触れずに果てる、君の中の熱点

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 なくした記録の空白に、僕たちは新たな快楽を刻みこむことに…

 触れ合うたび、過去の欠片が熱となって、身体と心が、ゆっくりと、確かに再起動されていく……

 これは、愛のアップデート。
 なくした記録を上書きするように、——二人だけの「新快楽適応テスト」の始まりだった。



「トオル、準備はいい?……じゃあ試験を始めるよ。服は脱がなくていいからの。俺は身体には、一切触れないから」
 
 そう言ったしたハルの声は、いつものように冷静なのに、なぜか、“俺”口調になってる……
 ──僕は、もう息を詰めていた。

「非接触。だけど、感応は内部から。深層刺激を、記録するから」

 背中に付けられたラインが、体内のセンサーとリンクしていく……
 微細なノイズのような信号が、身体の奥へ、奥へ──深く沈み込むような……

「っ……! な、に……?」

 ただの光信号のはずなのに、そこには確かに“感じる”、
「内部センサー」が、前立腺や下腹部の周囲の神経を正確に刺激してくる、僕の身体は抗えない波に飲み込まれていく。

「異常波形検出。第7神経束、反応あり。深部性感の可能性があり」

「っや……ちょ、まって……そこ、やば……っ」

「外じゃない……奥が……っ」

 初めて感じるその快感は、外側とはまったく違って深い場所から湧き上がるような。
 身体が緩み、思わず恥ずかしい声がでそうになるのを、必死でこらえる。

 ハル指先はモニタをタッチして、センサーの数値を調整しているだけなのに、……僕の神経を撫で回すよう感じられた。

 触れていないのに、どうして呼吸が乱れるんだろう。

「え、……なに、これ。何か……入ってる……の……っ……いやぁ…は、ハル……!?」

 戸惑う僕に、ハルは口角を上げて笑った

「貫通挿入はしてないよ。センサーはナノ粒子レベルで、神経膜の内側に到達して、トオルの“感じる場所”に的確に」

 その言葉は、鋭い響きと熱を帯びていて、僕の奥を震わせる。

「深部反応、開始。──呼吸、浅く。瞳孔収縮。粘膜温度、上昇。」

 僕の体は震えて、膝がガクガクと揺れてる。なにが起きているのか、もぉ自分でもわからない。

「やめ、やめてっ……わかんない……のに……っ、なに、これ……!」

 脚を閉じたくても、うまくいかない。震えが止まらなくて、どこかに逃げ出したい……僕は思わず腰を引こうとしたけど、椅子の拘束に阻まれて動けない。


 なに一つ触れていないのに、俺の身体は熱に焦がされている。

「……えっ、いやぁ……触れてないのに……イクわけ……っ!ぁあああああ…!」

 それは、肉体の限界を超えた領域だった。

「第7波形、閾値超え。神経群βとθの同時興奮を確認。──トオル……イッったよね?」

 ハルはニヤリと笑う……

「……ッ、嘘……だ、ろ……っ」

 射精なんてしていない。濡れてもいない。
  でも──脳の奥が真っ白になるような快感が、確かにあった。
 呼吸が乱れ、脈が速くなる。体温が滲み、どこにも“触れられて”いないというのに、僕は今……イかされている。

「これが、内部性感による非射精絶頂……ドライイキと分類される現象だよ。」

 涙が溢れて……快感に身体は堕ちているのに、それを証明する「形」は何もない。だからこそ、深い羞恥と戸惑いに押し潰されそうになる。

 精液は出ていない。けれど、奥の熱は何度も跳ね上がり、痙攣する筋肉が俺の意思を凌駕して……

「“果てる”ことは、射精だけじゃない。トオルの身体が、それを証明してる……」

 ハルの言葉は、どこか嬉しそう……その目は熱を孕んでいる……

「ハルぅ……もう無理……ヤメてぇ……お願い……」

「トオルの限界がみたい……ぁぁ…こんなになっちゃって……もっと淫らに壊れてみせて」

 このあと何度も、何度も僕は絶頂を迎えることになった……
 研究室の白いシーツの上で、俺はただ肩で息をしていた。

「久世様、どうでしたか?今度は玩具なんかもいいかもしれませんね……」

 いつものハルに戻ったが……言ってることが怖いすぎる……もぉ、僕どうしたらいいの……

 視界の端に置かれた小さなサボテンが、ぽつんと佇んでいる。

「……あぁ、新しい記録は、予想以上……」

 呟く声は潤んでいた。震える指先でサボテンの葉を撫でる。

 ……僕の中のハルの新しい記録の花、またひとつ咲いたかもしれない。
 誰にも見せたことない花──ハルだけ、知ってる……
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