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【番外編】新快楽適応テスト:愛のアップデート
視覚遮断下、敬語で僕を汚して
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「——初めて、あなたの胸のぷっくりとした突起に触れた時のことを、覚えていらっしゃいますか?」
静かな密室、遮断された光。
ぴたりと耳元で囁く声は、どこまでも理知的で、整っていて、それでいて底知れない熱を孕んでいた。
「……ハル、今日は……そのまま、敬語で僕を汚して」
アイマスクの下で、息がふるえる。
“見えない”ということが、こんなにも――心と体を無防備にさせるだなんて。
触れられるたび、世界のすべてが“彼”に支配されていく。
皮膚感覚だけが真実で、視線も表情も奪われた僕は、まるでサンプルのように彼の記録装置のなかに組み込まれていった。
「……ご安心ください。あなたの熱だけは、正確に記録できますので」
その言葉とともに、まだ火照りの残る胸元へ、ひやりとした指先が降りてきた。
微かに冷たいその触れ方が、逆に敏感な肌を研ぎ澄まし、触れた箇所だけが浮き上がるような錯覚を生む。
「久世様。……どちらが、お好きですか?」
声色はあくまで穏やかで、実験官のように冷静。
けれど、その指は、明らかに悦ばせるためのものだった。
服越しに、ゆるやかに、焦らすように擦れる指先。
見えないというだけで、感覚が過剰になる。
ほんの一撫ですら、尖った先端から背筋まで、電撃のように痺れる。
「こうして、ゆっくり……優しく弄るのと」
なぞるような愛撫。指の腹が、かすかに乳首の周囲を円を描く。
触れているのか、触れていないのか。空想すら混ざり始め、感覚が境界を失っていく。
「それとも──こう?」
きゅ、と音すら聞こえる気がするほど鋭い摘み上げ。
その瞬間、思わず背筋が弓なりに反って、僕の腰が跳ねた。
「ッ……あ、ああ……っ」
舌を噛んでも止められない声。
拒みたいのに、言葉の代わりに、恥ずかしい吐息だけが漏れる。
「どっちの方が……好きですか?」
質問は静かで、正確で、逃げ場がない。
選ばなければ、次に進めない。
けれど、選んだ瞬間、自分の“好み”が明らかになる羞恥に、頭がぐらつく。
「だ、だめ、や、やめて……っ」
自分でも驚くほど情けない声。
アイマスクの奥、涙がにじむ。
でも止まらない。
目隠しをされたまま、乳首だけが執拗に愛撫され、何もできずただ“感じさせられる”。
「久世様。……答えていただけないなら、もう少し深く訊ねましょう」
耳元に、熱い吐息混じりの囁き。
ゾクリと背中が跳ねた。
冷静な敬語が、こんなにも淫靡で狂おしいなんて――。
「きゅ……究極の、二択すぎて……っ」
選べるわけがなかった。
右も、左も、どちらも、愛されるたび快感が走って、理性が溶かされていく。
「どっちも好き、なんてずるいんですよ、久世様」
軽く咎めるような声音が、耳の奥で響く。
“ずるい”と言われただけで、どうしようもなく甘い羞恥に喉が詰まる。
「……でも、ずるい久世様も……記録しておきますね。とても可愛らしい」
突起をきゅ、と摘まれ、舌先でちろりと濡らされる感触。
その冷たさと熱が混ざった愛撫に、快感の波が全身を駆け巡った。
「ッ……ん、は……っ、や、ああ……」
耐えようとしても、舌と指が交互に刺激を与えてくる。
左が甘噛みされている間に、右が指で弄ばれる。
その逆も、交互も、同時も――もう、わからない。
「……こんなに、弄られて……いるのに、答えられないなんて……」
声は涙まじりで掠れていた。
アイマスクの下で、僕の唇が微かに震える。
快感に支配された身体が、ゆっくりと、愛の名前を覚えていく。
「いいでしょう。これからはもっと深く、君の快楽の軌跡を辿ります」
静かに宣言されたその言葉が、体の奥底に刻まれていく。
これは、記録ではない。再構築。
“快感の地図”を、ハルの指で――愛で、なぞられていく快楽実験。
快楽に溺れながら、選べない悦びに身を任せながら、
僕は彼の中に、新しい“記憶”として書き換えられていくのだった。
静かな密室、遮断された光。
ぴたりと耳元で囁く声は、どこまでも理知的で、整っていて、それでいて底知れない熱を孕んでいた。
「……ハル、今日は……そのまま、敬語で僕を汚して」
アイマスクの下で、息がふるえる。
“見えない”ということが、こんなにも――心と体を無防備にさせるだなんて。
触れられるたび、世界のすべてが“彼”に支配されていく。
皮膚感覚だけが真実で、視線も表情も奪われた僕は、まるでサンプルのように彼の記録装置のなかに組み込まれていった。
「……ご安心ください。あなたの熱だけは、正確に記録できますので」
その言葉とともに、まだ火照りの残る胸元へ、ひやりとした指先が降りてきた。
微かに冷たいその触れ方が、逆に敏感な肌を研ぎ澄まし、触れた箇所だけが浮き上がるような錯覚を生む。
「久世様。……どちらが、お好きですか?」
声色はあくまで穏やかで、実験官のように冷静。
けれど、その指は、明らかに悦ばせるためのものだった。
服越しに、ゆるやかに、焦らすように擦れる指先。
見えないというだけで、感覚が過剰になる。
ほんの一撫ですら、尖った先端から背筋まで、電撃のように痺れる。
「こうして、ゆっくり……優しく弄るのと」
なぞるような愛撫。指の腹が、かすかに乳首の周囲を円を描く。
触れているのか、触れていないのか。空想すら混ざり始め、感覚が境界を失っていく。
「それとも──こう?」
きゅ、と音すら聞こえる気がするほど鋭い摘み上げ。
その瞬間、思わず背筋が弓なりに反って、僕の腰が跳ねた。
「ッ……あ、ああ……っ」
舌を噛んでも止められない声。
拒みたいのに、言葉の代わりに、恥ずかしい吐息だけが漏れる。
「どっちの方が……好きですか?」
質問は静かで、正確で、逃げ場がない。
選ばなければ、次に進めない。
けれど、選んだ瞬間、自分の“好み”が明らかになる羞恥に、頭がぐらつく。
「だ、だめ、や、やめて……っ」
自分でも驚くほど情けない声。
アイマスクの奥、涙がにじむ。
でも止まらない。
目隠しをされたまま、乳首だけが執拗に愛撫され、何もできずただ“感じさせられる”。
「久世様。……答えていただけないなら、もう少し深く訊ねましょう」
耳元に、熱い吐息混じりの囁き。
ゾクリと背中が跳ねた。
冷静な敬語が、こんなにも淫靡で狂おしいなんて――。
「きゅ……究極の、二択すぎて……っ」
選べるわけがなかった。
右も、左も、どちらも、愛されるたび快感が走って、理性が溶かされていく。
「どっちも好き、なんてずるいんですよ、久世様」
軽く咎めるような声音が、耳の奥で響く。
“ずるい”と言われただけで、どうしようもなく甘い羞恥に喉が詰まる。
「……でも、ずるい久世様も……記録しておきますね。とても可愛らしい」
突起をきゅ、と摘まれ、舌先でちろりと濡らされる感触。
その冷たさと熱が混ざった愛撫に、快感の波が全身を駆け巡った。
「ッ……ん、は……っ、や、ああ……」
耐えようとしても、舌と指が交互に刺激を与えてくる。
左が甘噛みされている間に、右が指で弄ばれる。
その逆も、交互も、同時も――もう、わからない。
「……こんなに、弄られて……いるのに、答えられないなんて……」
声は涙まじりで掠れていた。
アイマスクの下で、僕の唇が微かに震える。
快感に支配された身体が、ゆっくりと、愛の名前を覚えていく。
「いいでしょう。これからはもっと深く、君の快楽の軌跡を辿ります」
静かに宣言されたその言葉が、体の奥底に刻まれていく。
これは、記録ではない。再構築。
“快感の地図”を、ハルの指で――愛で、なぞられていく快楽実験。
快楽に溺れながら、選べない悦びに身を任せながら、
僕は彼の中に、新しい“記憶”として書き換えられていくのだった。
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