『恋のアラカルト:BL・超短編集』~どの恋が好き?~

るみ乃。

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『神様、お願い!恋させて!!』

第3章 願いのその先で、恋は叶う~神様、お願い。恋させて!!~

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 告白は、いつだって不格好だ。
 完璧な言葉なんて、最初から用意されていない。

 ユウは深く息を吸い、そしてゆっくり吐いた。
 胸の奥が、うるさいくらいに騒いでいる。

「俺……神様でも、何でもええ」

 その一言で、神様の表情がわずかに揺れた。
 ほんの一瞬。けれど、確かに。

「好きです」

 短く、はっきりとした声。
 逃げ道を残さない、真正面からの想いだった。

 世界が、ほんの一拍だけ止まったように感じられる。
 風の音も、遠くの話し声も、すべてが背景に溶けた。

 神様は、すぐには答えなかった。
 永遠に近い時を生きてきた彼にとっても、この沈黙は特別だ。

「……君は、本当に面倒な人だ」

 そう言って、神様は小さく笑う。
 それは今までで一番、肩の力が抜けた笑顔だった。

「私は本来、願いが叶えば消える存在だ」

 その言葉に、ユウの胸がきゅっと締めつけられる。
 それでも――目を逸らさない。

「それでも?」

 問いかけるような声。
 どこか試すようで、けれど優しい。

 ユウは、少しだけ照れたように笑った。
「それでも、です」

 次の瞬間。
 神様は、そっとユウの頬に触れた。

 軽く、羽が触れるようなキス。
 驚くほど静かで、でも確かに熱を残す。

「……参ったな」

 その呟きには、はっきりとした恋が宿っていた。

 奇跡は、完全じゃない。
 神様は人間にはなれず、かといって完全に消えることもない。

 ただ――
 時々、風みたいに現れる。
 ユウが落ち込んだとき、何も言わず隣に立つ。

 それで十分だと、二人は思った。

 願いは、確かに叶った。
 ただしそれは、
 神に恋をした少年と、
 少年に恋をしてしまった神の、
 少し不思議で、少し騒がしくて、
 とびきり愛おしい恋の始まりだった。

『神様、お願い。恋させて。』

 《完》
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