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日常2
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「立花(たちばな)さん、この資料、このあとの会議までにまとめてほしいんだけどお願いできるかな?」
「15時からの会議ですよね? わかりました。すぐにやります」
資料を受け取り、ちらっと時計を確認する。
あと1時間……。
すぐに資料を確認し、作業に取り掛かった。
「先程の資料、お願いします」
「おお、さすが立花さん。早いね。ありがとう、助かったよ」
「いえ」
こっちのデータは明日までで、もう一つはなるべく早いほうがいいか。
黙々と仕事を終わらせていく。
「ふうー」
ちょっとひと息入れよう。
席を外し、カフェスペースでコーヒーを一口。
「立花」
ん?
声をかけてきたのは茶色のショートヘアーの黒い切れ長の目をしたすらっとした男。
「神谷(かみや)」
彼は同期の神谷涼(りょう)。営業のホープと言われている男だ。
「珍しいな、お前がこんな時間にここにいるなんて」
「ちょっと息抜きしに来ただけ」
「ふうーん」
「そっちは商談の帰り?」
「まあな」
気落ちしてる感じはしないし、成功したのかな? でもなんか……疲れてる?
「今日仕事終わったら暇?」
「……まあ、暇かな」
予定と言ってもカフェに行くくらいしかないし。
「じゃあ久しぶりに飲みに行こうぜ。明日休みだし」
「わかった」
「じゃあ仕事終わったら迎えに行く」
「うん」
手をヒラヒラと振りながら去っていく姿を静かに見送り、手に持っていたコーヒーを再び口に含む。
「……さて、戻るか」
残っているコーヒーを一気に飲み干し、その場を後にする。
うっ……苦い。ブラックを一気飲みするべきじゃなかった。
口内に残る苦味に顔をしかめながらも仕事に戻り、淡々と終わらせていった。
「15時からの会議ですよね? わかりました。すぐにやります」
資料を受け取り、ちらっと時計を確認する。
あと1時間……。
すぐに資料を確認し、作業に取り掛かった。
「先程の資料、お願いします」
「おお、さすが立花さん。早いね。ありがとう、助かったよ」
「いえ」
こっちのデータは明日までで、もう一つはなるべく早いほうがいいか。
黙々と仕事を終わらせていく。
「ふうー」
ちょっとひと息入れよう。
席を外し、カフェスペースでコーヒーを一口。
「立花」
ん?
声をかけてきたのは茶色のショートヘアーの黒い切れ長の目をしたすらっとした男。
「神谷(かみや)」
彼は同期の神谷涼(りょう)。営業のホープと言われている男だ。
「珍しいな、お前がこんな時間にここにいるなんて」
「ちょっと息抜きしに来ただけ」
「ふうーん」
「そっちは商談の帰り?」
「まあな」
気落ちしてる感じはしないし、成功したのかな? でもなんか……疲れてる?
「今日仕事終わったら暇?」
「……まあ、暇かな」
予定と言ってもカフェに行くくらいしかないし。
「じゃあ久しぶりに飲みに行こうぜ。明日休みだし」
「わかった」
「じゃあ仕事終わったら迎えに行く」
「うん」
手をヒラヒラと振りながら去っていく姿を静かに見送り、手に持っていたコーヒーを再び口に含む。
「……さて、戻るか」
残っているコーヒーを一気に飲み干し、その場を後にする。
うっ……苦い。ブラックを一気飲みするべきじゃなかった。
口内に残る苦味に顔をしかめながらも仕事に戻り、淡々と終わらせていった。
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