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第1章
報酬と指名依頼
しおりを挟むナギアは転移でデアトリーナ国の門の近くに転移した。
「さっきはナギアの魔法で行きは楽だったんだが帰りが走りだから疲れたわ..」
「そういえばお父さんはクエスト受けに行ったんじゃないの?」
「あぁ!受けようとした所で伝言頼まれたんだがギルマスが伝言依頼料を出すと言ってくれたから他のクエストは受けなかった!」
へぇ~伝言を依頼するほど急いでいるのかな?
ナギアとセルベルは門に着くと始めてデアトリーナ国に来たときに対応してくれた門番さんが立っていた。
「こんにちは!」
「ん?あぁ、こんにちは。身分証的なのは子供の方は無くても大丈夫だぞ!一度入った事を覚えているからな。」
「大丈夫です。ギルドで作ったので……どうぞ!」
「へぇ~、すごいな!その年でギルドカードを作るなんてな!どれどれ~……はぁ!?」
やっぱり驚きますよね~
「そうなったのはギルマスに聞いてください!僕には基準が分からないので!」
「ギルマスがこんな小さい子にSSSを…信じられんがギルドカードは本物だな……まぁ通って大丈夫だぞ!」
「ありがとう!」
ナギアが通りセルベルも確認を終わり城の方に向かった。
城の目の前まで着くと城はとても大きかった。
白を基調としたフランスのお城みたいだった…
さすがファンタジー..遠くから見るのも凄かったけど近くで見ると別の迫力があるな~
城の入口と思われるところに進みお父さんは門番の人に話しかける。
「王様に呼ばれたので来たのですが…」
「ちょっと待ってろ、確認をとるから名前を教えてくれ」
「ナギア・ハールトークとその父のセルベル・ハールトークです」
門の裏辺りに設けてある部屋に入り戻ってきた。
「確認が済みました。ナギア様とその御家族の方は客間の方にお通しするように言われています。案内の者を付かせますので客間の方に行ってください」
「こちらです」
案内の兵士の人についていき客間に着いた。
中は豪華ではあるが落ち着いた雰囲気がありリラックス出来た。
しばらく待っていると1人の金髪オールバックの男の人が現れた。
「我がこの国デアトリーナ国の王のエリディオ・デアトリーナだ。」
「お会いできて光栄です。エリディオ国王様」
「…!?国王様!おおお会い出来て..光栄です!」
お父さんはガチガチ緊張していた。
正直僕も緊張はしている王族に対する礼儀何て知らないから言葉使いが間違ってないか不安で仕方が無い。
「面をあげよ…ナギアとそのお父さん..セルベルと言ったかな?俺がこの客間を選んだのは堅苦しいのが嫌いだからなんだ。だから、楽にして良いぞ!」
「ありがとう!」
「ありがとうございます!」
ふふふ、ここで子供の特権を使う!笑顔の子供なら普通に失礼な事でも大抵の事なら許されるのだ!
「ナギアと言ったか!実に面白い子供だなゼルの言ったとおりだ!」
ゼルって誰だろう?
ナギアがそんな考えを察したのか
「ゼルってやつはギルドマスターのことだ。ゼルフィスって言うんだ。」
あぁ~あの頭の人か!聞いたって事は試合内容とかも知られてるんだろうな。
「まずこれが今回アルティメットオーガの討伐報酬だ」
この世界のお金の価値は
1銅貨 → 100円
1大銅貨 → 1000円
1銀貨 → 1万
1大銀貨 →10万
1金貨 → 100万
1大金貨 → 1000万
1白金貨 → 1億
1大白金貨 → 10億
という価値ぐらいらしい事が分かってる。
「白金貨5枚、大金貨10枚、金貨10枚、大銀貨10枚だ。冒険者ギルドに言えばギルドカードに移せるから後でいれてもらえ」
6億1100万円手に入れたのか!?
うわぁ~宝くじ当たった気分だわ~
買ったことないけど..
お父さんは顔がポカーンとしている..金額に驚いているのだろう。
「ありがとうございます!」
「いやいや正直足りねぇくらいだわ。あと俺からの依頼を受けてくれねぇか?」
国王様からの依頼か..
「内容によります、聞かせてください。」
「あぁ、数年前からいる盗賊団を討伐、出来るなら捕縛して欲しいんだ。その盗賊団の名前は『ケルベロス』だ。ただの盗賊団なら冒険者ギルドに依頼を出すんだがその盗賊団のレベルが高くて今冒険者ギルドにいるヤツだと多分倒せない。だから、SSSランクのお前にこの依頼を頼む。」
「わかりました。その盗賊団の情報など頂けませんか?」
エリディオ国王様は紙を数枚持ってきた。
「これが盗賊団の情報とかだ後これは依頼書だ。これを冒険者ギルドに渡せば正式に依頼として認められる。頼んだぞ!」
「わかりました。」
ナギアは《思考超加速》ですぐに読み終える。
1年前に現れた盗賊団。盗賊団『ケルベロス』首領がSSランクの実力を持っていると言われている。幹部はSランクの実力を持つものが5人いると言われている。そして戦闘員が最低50人程いるらしく実力はAランクとBランクらしい。最初は3人から始めた盗賊らしくこの1年で人数が増えたのだ。
被害は大きく弱った村や町、国なども襲い食料や高価な物、人を攫ってしまうと資料に書いてあった。
「読み終わりました。資料ありがとうございます!」
「早!?....では健闘を祈る。」
ナギアとセルベルは客間を出ていった。
「あれが本当に3歳児なのか!?マジすげぇな!気に入ったわ!」
客間で1人の王様はナギアの事を気に入ったようだった。
冒険者ギルドに着いたナギアとセルベルは受付に向かう。
「シルフィさん、こんにちは!」
「あれ?ナギア君、こんにちは! セルベルさん伝言伝えたのですか?」
「あぁ!伝えて城にちゃんと行ってきたぞ!」
「そうなんですか..早い....では、セルベルさんギルドカードを渡してください」
セルベルはシルフィさんにギルドカードを渡し報酬のお金を入れてもらう。
ギルドカードにお金が入れられるのは防犯という事もあるが管理しやすいというのもある。ギルドカードに入れなくても普通に銅貨とかで払うことも出来る。
国によってはギルドカードでお買い物が広まってない所もあるらしい。
「では、ナギア君にもギルドからの報酬と売ってくださった魔石のお金を入れますのでギルドカードを渡してください。」
「あっ、このお金もギルドカードに入れといてください~」
ナギアはそう言って白金貨5枚を渡すとシルフィさんが目を見開き驚いたが城に行ったことを思い出したのかすぐに落ち着きお金を入れてくれた。
「はい、ありがとうございます!討伐の件の報酬は白金貨6枚です。魔石の方の換金は白金貨3枚、大金貨6枚、金貨5枚、大銀貨1枚、銀貨9枚、大銅貨5枚、銅貨2枚分です。」
うわ~すげぇー、日本円にすると……9億6519万5200円か…うん、すげぇー
ナギアは一瞬放心してしまったがすぐに王様の依頼を思い出しシルフィさんに紙を渡す。
「……!?..これは本当ですか?....気をつけて下さいね!相手の実力は最低でもBランク程と聞いています。……まさか、王様からの指名依頼だけでも驚くのに、有名な盗賊団の討伐及び捕縛の依頼とは……」
「情報ありがとうございます!初の依頼なので頑張ります!」
他の冒険者達が今のナギアの姿を見れば親の手伝いで薬草クエストを受けて『いっぱい薬草取るぞ~!』と言っている元気いっぱいの男の子に見えるだろう。
だが、クエスト内容は恐ろしいものだ。
「おう、ナギアじゃねえか!クエストでも受けるみたいだが何受けたんだ?」
筋肉の塊の冒険者プリティスさんが声をかけてきた。
「はい!ちょっと盗賊捕まえてきます!」
「え?何の冗談か知らねぇが頑張れよ!」
プリティスは冗談ととらえて酒場に戻った。
ふふふ……計画通り…
あえて、このクエストを言うことで子供の冗談と思わせる元気な子供を演じたのだ。
ナギアは今、少し悪い顔をしているだろう。
「(……助けて!!!ナギア君!)」
突如、リルリアから念話が送られてきた。
「(どうした!?)」
リルリアの返答は無かった..
村に何かあったのか?とにかく急ごう..
「お父さん!村が危険かも!!急ぐよ!」
「えっ…どうした?ナ…」
喋り中のお父さんと村に急いで転移した。
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