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第2章

闘技大会 1

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ナギアとリルリアは屋台で買ったコーラとソーダを飲みながら試合が始まるのを待っていた。
異世界にもソーダとコーラの飲み物があったことに驚いた。
そこまで炭酸が強くないので飲みやすかった。

『お待たせいたしました!これより闘技大会トーナメント出場決定戦を始めます!
最初に一般の部から始めますので、1番の番号札をお持ちの方はバトルフィールドに集まって下さい!』

「やっと始まったね!」

「最初は一般の部なんだね~
凄い人の良いところをしっかりと見るんだよ」

「うん!」

しばらくするとフィールドには30人集まり、対戦相手と話たり睨み合ったりしている者や武器の確認をする者など様々だった。

『集まりましたので試合を始めたいと思います!
試合開始!!!』

試合の内容はとてもゴチャゴチャしていた。
人が沢山集まっているから当然なのだが、1人が1人を倒せば背後から殺られるといった状況が何度も起こり、ある意味すごい光景だった。

「....なんか凄いね。殺られちゃった人がどんどん場外に転移されてくね」

「そうだね..多分見に来たお客さんにとっては、この方が盛り上がるんじゃないかな?」

「確かに凄い盛り上がりだね。一般の部はトーナメント出場出来るの何人なの?」

「この試合では30人スタートだったから、僕の予想だと2,3人がトーナメント出場出来るんだと思うよ」

「2,3人か~..となると、あそこの大きな男の人と隠れている男の人、短剣を使ってる女の人が残りそうだね」

フィールドの真ん中では大きな男が大剣を振り回しながら無双し、端のほうでは女の人が速く動き回りながら短剣で相手を倒して行く。隠れている男の人は隠密で見つからない様にフィールド内を歩いているが、見つかった瞬間長剣で斬り裂いて倒していた。

リアの言った通りトーナメント出場権を手に入れたのは、その3人だった。

試合が終わるとすぐに次の試合の準備に入り、意外と早いペースで進んでいくのだった。





〇〇〇 side

『次で一般の部トーナメント出場決定戦最後の試合になります!
試合開始!!!』


「やっと俺の番が来たが強そうな奴がいねぇな..
まぁ、面白いスキルを持ってるやつは見つけたから良しとするか」

「オラァ!オイラの一撃を受けてみろぉ!」

大きなデブ男がハンマーを俺に振り下ろしてきたので素手で受け止めた。

「なぬぅ!?」

「うるせぇ!」

ハンマーを奪い取りデブ男の鳩尾を蹴り飛ばし、奪い取ったハンマーを投げつけた。
吹っ飛んでいた男はハンマーの追撃を受け場外に除外された。

その光景を見ていた他の参加者は危険視したのか、全員が男に向かっていった。

「少しは楽しませろよ!」

右側から飛び掛ってきた奴を上空に蹴り上げると《ダークランス》という闇魔法を放ち上空の奴を貫く。

左側から魔法を放ってきた奴の魔法を威力を倍にして跳ね返し吹っ飛ばす。

「全然つまんねぇな..飽きたわ」

男は鞘から長剣を取り出し
一瞬で他の参加者の首を跳ねた。

もちろん闘技場では人が死なない様にはされているが、残酷過ぎる戦い方に会場は静まり返った。

『しょ、勝者ブラッド選手!
これは驚きの結果だァ!圧倒的な強さを見せてくれたブラッド選手に拍手!!』

司会者の人は気を利かせて観客に拍手を促した。

「あーあ、弱っちいなー。
トーナメントは明日だし帰って宿で寝るか」

男はトーナメント出場権を手に入れるとすぐに宿に帰るのだった。




ウボトゥア side

「あやつの可能性は高いのぉ」

数ヶ月前連続殺人が何度か起こったが、ここ3ヵ月の間は殺人が起こらなかった....

犯人は実力のある冒険者が狙う事がとても多いが、そうでも無い一般人も殺害していた。
これは予想だが珍しいスキルを持つ者も狙われると思っている。

犯人は何の目的で殺人を犯すのかは不明だが、国とギルドが連携しすぐにでも見つけて捕まえなければならない。

学園長であるギルマスは、今回の大会の優勝賞金を餌に食いついて来ないか考えたのだ。
闘技大会トーナメント出場決定戦が始まりトーナメント出場権を手にした選手達を調べ上げ怪しい点がないか調べたりした。

そして、遂に怪しい男を見つけた。

「この男と一緒に依頼を受けた人が全員死んでるだと!?」

男は偽名だろうが冒険者ギルドでブラッドという名で登録していた。
Bランク冒険者で様々な依頼をこなしているが、一緒のパーティーになった者は全員行方不明か魔物に殺られたと記載されていた。
更に調べあげると殺人事件の被害者の一人に森の中で首筋を斬られ死んでしまった冒険者がいた。
その冒険者が受けた依頼とブラッドの受けた依頼の場所は同じというのもわかった。

とりあえず今は監視して様子を見よう。
尻尾を出した時に捕まえてやるのじゃ!

「正直、ナギア君に言えばすぐに終わりそうじゃな....駄目じゃ。よく忘れるがナギア君はまだ子供じゃ。学園の生徒として殺人事件などは大人に任せて学園生活を満喫してほしいのじゃ..」

しかし、わしがいくら遠ざけても
ナギア君とブラッドが戦いそうな気がするのじゃ..
申し訳ないのぉ

「情報の共有を国とせねばの..」

学園長はイソーギス国の王に今回の情報を知らせ警備体制の強化を勧めに行くのだった....




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どうも!こんにちは

お気に入り数が2300越えました!
ありがとうございます!

【助けて!  ナギア君】のコーナーは
『【助けて!  ナギア君】』とそのまんまのタイトルで出した場所に移動させて貰います。
プロフィールから
作品一覧を見て頂ければ大丈夫です。
(読みずらくなってしまうので本当にすみません)
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