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第4章
勇者達の修行(前半)
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ドーイ達との訓練が始まり、最初の3日間の訓練は内容は[魔力操作]や[接近戦]の基礎的な内容をやる事になった。
この異世界にやって来てから初めに何度もやった訓練なので、竹中やクラスメイト達は内心不満に思いながらもドーイ達の言う通りに訓練を始めた。
「初めに、この魔道具を皆さんにお配りします」
ドーイはそう言って勇者達に手渡したのは、スイカより小さい位の水晶だった。
「この魔道具は私達の師匠が用意してくれた魔道具です。
この魔道具の効果は魔力を流す事で、水晶の中で何でも作れたり、映像を流す事も出来るそうです。
例えば、このように...」
ドーイ達にも師匠がいる事を知らなかった勇者達は、とても驚いていたがドーイはそれに気付かないで話を進めた。
ドーイが水晶を掌に置いて魔力を込めると、水晶の中に泡が発生したり雷雲を生成したりと勇者達に様々な光景を見せた。
「私が今やったのは魔力操作を使ってイメージしていたものに変えました。
属性魔法は関係ないので魔力操作するだけです。
では、やってみましょう」
ドーイの合図で勇者達は、一斉に水晶に魔力操作で魔力を流し始めるのだった。
「はぁ...はぁ......全然出来ねぇ」
「やっと...棒人間作れたよ...」
「魔力が...無くなってきて...辛い...」
水晶による魔力操作の訓練を始めて3時間が経過するが、勇者達は水晶内に糸みたいな細い線を出すのが精一杯な状態だった。
「上手く出来るようになれば、魔力を循環させて魔力消費を無くすことが出来ますよ」
ドーイは勇者達の様子を見ながらアドバイスをしていくが、成長速度が思っていたより遅いことに少し焦っていた。
「(師匠...勇者様達でこのスピードなのに、私達に教えた時のあの速さは何だったのですか......あの修行の異常さを今でも思い知らせてくれますね...)」
「ドーイさん...ドーイさんの師匠はドーイさん達にどんな方法で教えていたのですか?」
「俺も知りたいです!」
「参考にしたいので教えて下さい!」
ドーイが過去に師匠の訓練を受けた時の事を思い出しながら、そこから良い方法がないか考えていると、疲れた顔の竹中がドーイが行った修行について聞いてきた。
竹中の質問する声は、魔力消費で疲れきって静まり返っていた訓練場に響いたため、他の勇者達も知りたいとドーイにお願いするのだった。
「今から休憩を挟むのでその間にお話しましょう。
......私達の師匠が2週間のうち最初の1週間に行ったことは、私達の脳内に師匠の持つ能力を送ることからでした。
既に意味わからなくなるでしょう?
そして、私達1人1人にあった属性魔法と剣術や短剣術、他にも色々と見つけてもらいました」
「それってドーイさん達が俺らに同じようには出来ないのですか?」
「はい、絶対無理です。
師匠にあとからやり方を教えてもらいましたが、途中から聞くのも辛くなりましたね...
私達の得意な魔法や剣術などが分かると、師匠が闇魔法で色々な人型の影を作り、それと何度も戦いました。
速い人型、攻撃力の高い人型、魔物に似せた影と種類は沢山ありましたね。
...怪我をしても精神的に疲れても、師匠は笑顔で私達を回復してきましたね。
魔力も師匠と共有していたので、撃ち放題でしたね......」
『生き抜いた者』のメンバーは思い出しているのか、全員顔色が悪くなっていた。
「ここまでが、1週間の間ですね。
ただでさえ、修行を見ていた冒険者達が震え上がる様な修行が終わったと思ったら、師匠はなんて言ったと思います?」
「え?......お疲れ様...とかですか?」
「 少しだけ正解です。
師匠が言ったのは、
『皆さん1週間お疲れ様です!では、明日からは影を複数にして対集団戦と大型魔物を想定した修行をしましょう!』
...これを笑顔で言われたんです。
想像出来ますか?
ここの訓練場を埋め尽くす量の魔物の大軍や、体長10m以上はあるだろう魔物と戦わされたのですよ...」
ドーイが不満を吐き出すように喋り終わると、『生き抜いた者』のメンバーの体は小刻みに震えていた。
その姿を見た勇者達は、その師匠はどんだけ強いんだ?と興味が湧くのだった。
「この前、偶然会った時がありましてね。
師匠に私達の強くなったところを見せようと試合を挑んだのです。
試合は私達『生き抜いた者』対 師匠1人ハンデ付きでしました。
師匠に付けられたハンデ内容は
・目隠し
・属性魔法禁止
・武器の所持禁止(生成あり)
・手足拘束状態
と結構めちゃくちゃなハンデを貰いました。
もちろん、私達はハンデなんていらないです!と言ったのですが、「勝ってから言いなさい」と言われてしまいました。
そして、私達は師匠と戦ったのですが手も足も出ませんでした...」
「「「「「「「「「...はぁ!?」」」」」」」」」
無茶苦茶なハンデの多さに既に驚いていたが、試合の結果を聞いて勇者達は余りの結果に驚き、声が出てしまった。
『生き抜いた者』のメンバーは、立っているの辛くなったのか、地面に座り負のオーラを放っていた。
「私達は気配を消して、魔法を放ったり剣で斬ろうとしたりと様々な手段を使って挑みましたが、躱されたり、掻き消されたりとしましたね。
どうやって攻撃してくるか気になりますよね?
...私達目掛けて凄い速さで飛んで来たんですよ。
目で追う事が出来ないほどの速さで頭突きされて意識が飛んで終了です。
その後師匠に、また鍛えられまして、おかげで私達はSSランクになりましたね...
...では、この話もここまでにして、訓練に戻りましょう!
今日魔力操作を完璧にするまで終わりませんよ」
勇者達は、ドーイの合図で再び魔力操作の訓練を始めた。しかし、勇者1グループを簡単に倒す『生き抜いた者』の冒険者達を、頭突きで倒すという師匠の存在が本当に何者なのか気になるのだった...
======================
どうも!こんにちは
勇者達の修行なのに、
後半のドーイさんの思い出話が
メインになってる気が......
魔族さんはもう少しです
この異世界にやって来てから初めに何度もやった訓練なので、竹中やクラスメイト達は内心不満に思いながらもドーイ達の言う通りに訓練を始めた。
「初めに、この魔道具を皆さんにお配りします」
ドーイはそう言って勇者達に手渡したのは、スイカより小さい位の水晶だった。
「この魔道具は私達の師匠が用意してくれた魔道具です。
この魔道具の効果は魔力を流す事で、水晶の中で何でも作れたり、映像を流す事も出来るそうです。
例えば、このように...」
ドーイ達にも師匠がいる事を知らなかった勇者達は、とても驚いていたがドーイはそれに気付かないで話を進めた。
ドーイが水晶を掌に置いて魔力を込めると、水晶の中に泡が発生したり雷雲を生成したりと勇者達に様々な光景を見せた。
「私が今やったのは魔力操作を使ってイメージしていたものに変えました。
属性魔法は関係ないので魔力操作するだけです。
では、やってみましょう」
ドーイの合図で勇者達は、一斉に水晶に魔力操作で魔力を流し始めるのだった。
「はぁ...はぁ......全然出来ねぇ」
「やっと...棒人間作れたよ...」
「魔力が...無くなってきて...辛い...」
水晶による魔力操作の訓練を始めて3時間が経過するが、勇者達は水晶内に糸みたいな細い線を出すのが精一杯な状態だった。
「上手く出来るようになれば、魔力を循環させて魔力消費を無くすことが出来ますよ」
ドーイは勇者達の様子を見ながらアドバイスをしていくが、成長速度が思っていたより遅いことに少し焦っていた。
「(師匠...勇者様達でこのスピードなのに、私達に教えた時のあの速さは何だったのですか......あの修行の異常さを今でも思い知らせてくれますね...)」
「ドーイさん...ドーイさんの師匠はドーイさん達にどんな方法で教えていたのですか?」
「俺も知りたいです!」
「参考にしたいので教えて下さい!」
ドーイが過去に師匠の訓練を受けた時の事を思い出しながら、そこから良い方法がないか考えていると、疲れた顔の竹中がドーイが行った修行について聞いてきた。
竹中の質問する声は、魔力消費で疲れきって静まり返っていた訓練場に響いたため、他の勇者達も知りたいとドーイにお願いするのだった。
「今から休憩を挟むのでその間にお話しましょう。
......私達の師匠が2週間のうち最初の1週間に行ったことは、私達の脳内に師匠の持つ能力を送ることからでした。
既に意味わからなくなるでしょう?
そして、私達1人1人にあった属性魔法と剣術や短剣術、他にも色々と見つけてもらいました」
「それってドーイさん達が俺らに同じようには出来ないのですか?」
「はい、絶対無理です。
師匠にあとからやり方を教えてもらいましたが、途中から聞くのも辛くなりましたね...
私達の得意な魔法や剣術などが分かると、師匠が闇魔法で色々な人型の影を作り、それと何度も戦いました。
速い人型、攻撃力の高い人型、魔物に似せた影と種類は沢山ありましたね。
...怪我をしても精神的に疲れても、師匠は笑顔で私達を回復してきましたね。
魔力も師匠と共有していたので、撃ち放題でしたね......」
『生き抜いた者』のメンバーは思い出しているのか、全員顔色が悪くなっていた。
「ここまでが、1週間の間ですね。
ただでさえ、修行を見ていた冒険者達が震え上がる様な修行が終わったと思ったら、師匠はなんて言ったと思います?」
「え?......お疲れ様...とかですか?」
「 少しだけ正解です。
師匠が言ったのは、
『皆さん1週間お疲れ様です!では、明日からは影を複数にして対集団戦と大型魔物を想定した修行をしましょう!』
...これを笑顔で言われたんです。
想像出来ますか?
ここの訓練場を埋め尽くす量の魔物の大軍や、体長10m以上はあるだろう魔物と戦わされたのですよ...」
ドーイが不満を吐き出すように喋り終わると、『生き抜いた者』のメンバーの体は小刻みに震えていた。
その姿を見た勇者達は、その師匠はどんだけ強いんだ?と興味が湧くのだった。
「この前、偶然会った時がありましてね。
師匠に私達の強くなったところを見せようと試合を挑んだのです。
試合は私達『生き抜いた者』対 師匠1人ハンデ付きでしました。
師匠に付けられたハンデ内容は
・目隠し
・属性魔法禁止
・武器の所持禁止(生成あり)
・手足拘束状態
と結構めちゃくちゃなハンデを貰いました。
もちろん、私達はハンデなんていらないです!と言ったのですが、「勝ってから言いなさい」と言われてしまいました。
そして、私達は師匠と戦ったのですが手も足も出ませんでした...」
「「「「「「「「「...はぁ!?」」」」」」」」」
無茶苦茶なハンデの多さに既に驚いていたが、試合の結果を聞いて勇者達は余りの結果に驚き、声が出てしまった。
『生き抜いた者』のメンバーは、立っているの辛くなったのか、地面に座り負のオーラを放っていた。
「私達は気配を消して、魔法を放ったり剣で斬ろうとしたりと様々な手段を使って挑みましたが、躱されたり、掻き消されたりとしましたね。
どうやって攻撃してくるか気になりますよね?
...私達目掛けて凄い速さで飛んで来たんですよ。
目で追う事が出来ないほどの速さで頭突きされて意識が飛んで終了です。
その後師匠に、また鍛えられまして、おかげで私達はSSランクになりましたね...
...では、この話もここまでにして、訓練に戻りましょう!
今日魔力操作を完璧にするまで終わりませんよ」
勇者達は、ドーイの合図で再び魔力操作の訓練を始めた。しかし、勇者1グループを簡単に倒す『生き抜いた者』の冒険者達を、頭突きで倒すという師匠の存在が本当に何者なのか気になるのだった...
======================
どうも!こんにちは
勇者達の修行なのに、
後半のドーイさんの思い出話が
メインになってる気が......
魔族さんはもう少しです
応援ありがとうございます!
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