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終わって、始まる。
しおりを挟む「ーーー!ーーー!!」
うっすらと目を開くと見慣れた白い天井と消毒液の匂い。
そして、俺の鼓動を知らせる電子音が響いている。
「か、さん、とう、さん、」
身体が思うように動かない。
あぁもう死ぬんだなぁ、とどこか他人事のように感じていた。
どうか、生まれ変われる事ができるなら、今度は自由に生きていけますように。
(まぶしい…)
眩い光に包まれて意識が浮上する。
「…?」
体を包んでいた光が段々と薄くなり、眩しさを感じなくなり少しずつ目を開く。
ゆっくりと目を開くと、そこは見慣れない庭園で、奥には中世ヨーロッパ時代にタイムスリップでもしたようなお城、さらには騎士のような人たちがこちらを見ていた。
「こ、これは…」
「誰か!陛下を!」
その言葉を受け騎士の一人はどこかへ走り去っていった。
夢でも、見ているのだろうか。
だって俺は死んだはずで…。
ここは一体…。
しばらくぼんやりとしていると先ほど走り去った騎士が二人の男の人を連れて戻ってきた。
「陛下、これは…」
「…間違いない、神子だ」
陛下と呼ばれた男の人は深い紫色をした髪色に黄金の瞳をしていて、何故だか既視感を覚える。
(この人…どこかで…)
でもこんなイケメンの知り合いなんていないし…と思った瞬間、既視感の謎が解ける。
「奇跡の神子よ、よくぞ参られた。この方はルーナル国の57代目国王アルティミア・フォン・ルーン。そして私は宰相のカゼルディア・カナルと申します」
アルティミア…?
それにルーナル国って…
もしかしてここって…俺がどハマりしてやりこんでいたBLゲーム「ルーナルの神子」の世界…!?!!!?!
って事は、目の前のこの二人は攻略対象で…
でも俺の推しはこの二人ではなくて…
さらに言えば俺の推しは神子が攻略対象の誰かとエンドを迎えれば死んでしまう運命で…
つまり、神子…もとい俺は誰とも恋愛関係にならずにエンドを迎えないといけなくて…
…生まれ変わったら自由に生きていきたいって願ったけど!!!!
神様!!これじゃ前世よりも大変なのではないですか!?!!!?
でも、いずれ出会うだろう推しの為に、俺は友情エンド目指します!!!!
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