【R18・完結】鳳凰鳴けり~関白秀吉と茶々

みなわなみ

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第三夜

肆 茶々の答え

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「わたくしも殿下の望みを…叶えて差し上げとう…ございまする…」 
 目を伏せて男の手を帯へといざない、耳たぶまでを真っ赤にし、小さな声で茶々が言った。 
「無理をせずともよいのじゃ。」 
 秀吉は優しく茶々の頭を撫でる。 
「茶々は殿下の妻にござりますれば。」 
「茶々…」 
 きりりとした声に、秀吉は茶々を抱き寄せ、改めて口づけをした。 
 茶々の吐息が再び甘くなる頃、秀吉は茶々の帯を解いた。 
 前合わせが次第にはだけて、柔らかな膨らみが見え隠れする。秀吉の手が夜着を脱がそうと止まった。 
 その刹那、茶々はグッと目を閉じ、躰に力が入った。 

「茶々…。無理せずともよい」 
「大事のうございます。」 
「…ふむ、ならば、こうしよう」 
 秀吉は、懐から柔らかな絹の手拭いを取りだし、茶々に目隠しをした。 
「殿下?…」 
「どうされておるか見えぬ。の?」 
 確かに目をつぶっているのと同じ状態は、恥ずかしさを軽減させる。 
「茶々…儂の茶々…そなたは儂のものじゃ。」 
 秀吉は夜着を脱がそうとせず、はだけた前合わせがら覗く膨らみを優しくねた。 
「この柔らかな餅も、儂のものじゃ。」 
 秀吉は、小さな躯に茶々を抱き抱え、膨らみをもてあそんだ。 
 茶々の体がよじれ、肩から、はらりと夜着が落ちる。 
 目隠しをされた茶々は、秀吉の動きがわからず、ただただ秀吉を感じるために敏感になっていた。 
 秀吉の首に回した茶々の右手が、男の肩に爪を立てる。
 男の唇は、胸の柔らかな膨らみをゆっくりと楽しんだ。 

「ぅっ…ぅんっ…くぅっ…」 
 茶々の口から、女の悦びが漏れる。 
「茶々…茶々…」 
 目隠しされた茶々を不安にさせないよう、秀吉は呼び掛け、体に触れ、また呼び掛けた。 
 茶々の吐息は乱れ、それに呼応するように、躰は男の腕のなかで身悶える。 
「茶々…そなたは儂の宝じゃ…離さぬ…」 
「…殿下…」 
 茶々は思わず秀吉の首に手を回し、秀吉の躯を確認するように頬を擦り付けた。躰を擦り付けたくなっているのは、一緒にいられる喜びからなのか、それとも見えない不安からなのか、茶々にはわからなかった。 
 ただ、身のなかに沸き上がる気持ちよさが、トロトロと自分の泉を潤しているのを感じていた。 


 茶々の胸は夜着から身を出している。薄桜色に染まった躰が、ぼんやりと暗闇に浮かんでいた。 
「…美しいぞ…茶々…美しい…」 
 秀吉は、飽きずに茶々の張りのある膨らみを貪る。 
 茶々は腰をよじり、切ない吐息をあげながら、甘い痺れをこらえていた。 
「…殿下…」 
 (あぁ、また脚の間が…) 
 うずうずとする感覚が女の快感であるのを、茶々はすでに十分学んでいた。 

「茶々を…もっと感じさせてくださいませ。」 
「茶々…」 
「もっと…もっと…」 
 切なくねだりながら、肩から落ちていた夜着の袖から、茶々は腕を外した。白く美しく丸い胸が、わずかに隠れるところさえ失い、秀吉の目の前に現れた。 
 それでも恥ずかしさに堪えかねたのか、茶々は胸を隠すように秀吉に抱きつく。 
 止まるところを失った夜着がふわりと揺れ、茶々の背中があらわになった。 
 茶々の夜着は、辛うじて左袖だけがあるじの体を隠している。 
 茶々は身を固くし、秀吉に抱きついていた。 

「無理をせずともよい。」 
 茶々の躰から落ちた、柔らかな絹の夜着を、秀吉は女の強ばった背中にかける。 
「殿下のお心に添いとうございまする。」 
 恥ずかしげに、しかし、はっきりと茶々はつぶやく。 
「儂が無体なことを申した。許せ。」 
 秀吉は優しく語りかけ、茶々の目隠しをとろうとした。しかし、茶々が秀吉に抱きつき、ゆっくりとかぶりを振った。 
い奴じゃ…茶々は、儂の宝じゃ…」 
 茶々を一度安心させるように強く抱き締めた秀吉は、再び女の躰に口づけを落とす。耳を、鼻を、唇を、細い肩を甘噛みされ、茶々の体は桜色に染まる。 

「うっ…あぁん…」 
 身をよじる茶々から、夜着がふぁさりと落ち、半身が露となった。 
 (なんと美しい体じゃ…) 
「茶々…なんと美しいのじゃ…」 
 溜め息混じりの、心底感嘆したような声に、茶々の自尊心が満たされた。 
「見たこともない美しさじゃ…」 
 茶々は、驚いたように目を見張っているであろう秀吉の顔を探りあげると、そっと口づけをした。 
「嬉しゅうございまする…」 
 秀吉の手が、茶々の躰に残っていた夜着をグイと引っ張った。 
 茶々はもう逆らわなかった。 
「茶々、美しい…儂の茶々…」 
 秀吉は露になった胸に口づけを落とすと、生まれたままの姿の茶々を抱き上げた。 

「キャッ。」 
 目隠しをされている茶々は、小さな悲鳴をあげ、秀吉に抱きついた。 
「褥へまいるぞ。」 
 秀吉が耳元で囁く。 
「…はい…」 
 潤んだ声で茶々は返事をした。 
 秀吉は茶々を滑るような絹の褥の上にそっと寝かせた。白い褥の上でほのかに赤みを帯びた薄桜色の艶やかな肌が輝く。 
 茶々は身を小さくするように脚を固く組み、胸元を両腕で恥ずかしげに隠していた。 

「茶々、美しいぞ。」 
 秀吉は、大きな手で茶々の肩から足先までを一気に撫でた。 
「…美しい……これほどまでに美しいとは…」 
 茶々は秀吉の視線を感じながら、誇らしさと恥ずかしさに、鼓動が高まるのを感じている。 
「茶々のすべてを見せてくれぬか」 
 頬を染めていた茶々は、秀吉の優しい声に、身までをさらに染めた。 
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