Ωの皇妃

永峯 祥司

文字の大きさ
上 下
14 / 51
第1部

ナルノロン

しおりを挟む
「ホントにこんなとこに人間がいんのかよ」

 岩でゴツゴツした道を歩きながらバルトリスが言う。

「“ナルノロン”はここだ。間違いない」

 前を歩くリューシが淡々と答えると、「そうは見えねぇけどなぁ……」とぼやく。その足元でガラリと岩石が落ちた。

「あっぶねぇ……!」

 岩壁に張り付き事なきを得たが、バルトリスの額には冷たい汗が流れる。

「気をつけろ。落ちれば即死だ」

 「殿下もお足元にご注意下さい」とリューシが振り向いた。前後をリューシとバルトリスに挟まれて歩くセドルアがああと頷く。彼も随分慎重に進んでいるがいつ足元が崩れるかわからない。落差約300mの崖道を、3人は2時間も歩いていた。

 ──「ナルノロン」という場所は地図に載っていなかった。しかし、様々な文献から、東部にある「アッサクルム山」の岩場の通称が「ナルノロン」である事を突き止めた。地元でしか使われていない呼び名で、正式には「ムルソプト渓谷」というらしい。山道はあるにはあるが、切り立った崖で人は殆ど通らない。ウラウロイ族はこの岩場の周辺に住んでいるのだ。

「今更ですが、勝手に宮殿を脱け出して宜しいんですか」

 バルトリスが尋ねると、セドルアは「問題ない」と答える。

「上手く細工はしてある。バレる心配はない」
「そんならいいんですがね……」

 疑わし気に呟く悪友は、やはりセドルアを信用していないようである。考えてみれば、彼がセドルアと顔を合わせたのは執務室で会ったのが初めてだ。皇族とはいえ、すぐに信用しろというのも無理なのかも知れない。かく言うリューシ自身も、10年程も姿を見ていなかったのだ。やはり、セドルアが何を考えているのかはよくわからない。

「ん……? あれ、煙か?」

 視力のいいバルトリスが声を上げた。リューシも目を凝らしてみる。確かに、遠くで細い煙が上がっていた。

「人がいるかも知れない」

 どうにか細い崖道を抜けて広い場所に立ち、一行は驚愕した。

 見える範囲で老若男女合わせてざっと2、300人。男は鹿皮の上着を羽織り、荒縄を帯にして腰から下を麻のような布に刺繍を施したズボン型のもので覆っている。女は1枚の美しい織物をワンピースのように纏い、繊細な装飾品で飾っていた。男女共足元は簡単なサンダル履きだ。子供らは腰布だけの裸同然で、裸足で駆け回っている。
 住居と見えるものはなく、岩の窪みや洞窟を利用して暮らしているらしかった。何人かの女達はその外で炊事をしている。先程見えた煙はその焚き火から立ち上るものだったのだろう。

「これは……凄いな」

 目を見張るバルトリスの隣で、セドルアは絶句している。こんな場所で人間が生活出来るのかと、それが衝撃だった。

 その場に立ち尽くしていると、3人の余所者の存在に気付いた者がこちらを指差して叫んだ。一斉に視線が集中し、リューシ達に突き刺さる。女子供を庇っている辺り、友好的なものではないのは明らかだ。
 これはどう交渉したものかと考えたその時、槍を持った男達が現れた。20人はいるであろう、全員の手首に宇宙の欠片が輝いていた。ずらりと並んで壁を作り、鋭い目付きで睨む。そこには確かに余所者を排除しようという殺気があった。

「おい、不味いんじゃねぇか? すぐにでも串刺しにしてやろうって雰囲気だぜ?」

 じっとウラウロイの戦士達を見返しながらバルトリスが言う。怯えたり怖じ気付いたりしていないのは流石と言うべきか。

「どうする。話が出来そうな者がいればいいが」

 辺りを見回すセドルアもかなり冷静だ。皇族たる威厳は充分に保っている。とりあえずこちらが崩れる事はなさそうだとリューシは心中で頷いた。

「我々はルバルア帝国の者だ。ルバルア語が話せる者はいないか」

 そう相手側に問いかけてみると、暫くのざわめきの後に1人の若者が進み出た。

「俺が話せる」

 流暢なルバルア語で応えた青年は、弛める事のない視線でリューシを射抜いた。年の頃は20歳前後といったところか。精悍な顔付きの中に僅かな幼さの跡が残っている。その顔を見返し、リューシはふと、あいつの目付きによく似ているなと生意気で射撃が上手い部下の顔を思い浮かべた。

「何をしに来た」

 警戒心を剥き出しにした態度に「交渉不可」の文字が頭を過るが、慎重に言葉を選ぶ。彼らには下手に婉曲した言い方をしても怪しまれるだけだろう。簡潔に要件を伝えた方がいい。

「それを輸出させて欲しい」

 リューシが視線で示したマストネラに、青年は怪訝な表情を見せた。自分の左手首を持ち上げ、しげしげと見つめる。

「……これを?」
「そうだ。──いや、正確には、その装飾技術だ」
「技術?」
「その石や銀の加工法は他にないものだ。是非、それを応用した装飾品を隣国に輸出したい」

 数秒の沈黙の後、青年はきっぱりと言い放った。

「断る」

 身も蓋もない拒絶の言葉だが、リューシはそうかと頷いた。
 別段驚くべき返答ではない。閉塞的なコミュニティの中で生きる彼らにそう簡単に受け入れられる訳がないのだ。この青年に限っては理解しているようだが、そもそも貿易という観念があるかどうかが怪しかった。まずはじっくり話す事が第一。元よりそのつもりだ。
 
「今はそれでいい。それとは別に、もうひとつ」

 セドルアを促すと、彼は手首のマストネラを外し青年の前に掲げた。

「10年前、バロタミという男に託されたものだ。心当たりはあるか?」

 途端、青年の瞳が驚愕に彩られる。

「バロタミ……確かに、そう名乗ったのか」

 噛み締めるような問いにセドルアはそうだと答える。10年の重みの載った、誠実な返答であった。青年は何かを堪えるように天を仰ぎ、暫し沈黙した。そして3人の来訪者に向き直ると、敵愾心の抜けた声音で言った。

「俺の“ラシルァン”に来い。話がしたい」


◇◇◇


「バロタミは、俺の父親だ」

 名をイェンと言った青年は、洞窟を利用した住居──ラシルァンの中でそう切り出した。動物の皮を丹念になめした敷物の上に座るリューシ達は思わず顔を見合わせる。

「10年前の冬、ナルノロンはかつてない寒さに襲われた。それは春になっても続いた。動物は冬眠から目覚めず、植物は芽を出さない。狩りも採集も出来ない状況で、冬越しの為に蓄えた食料はとうに底をついていた──」

 ──そこで、一族の長だったバロタミと数人の男が麓へ降り、物資を得て来るという事になった。ウラウロイ族が山を降りるのは実に200年振りの事であった。当時9つになったばかりだったイェンはどうしてもついて行くと言って聞かず、絶対に大人に従う事を条件に唯一の子供の参加者として山を下った。
 麓はふんだんに物資があり、これだけ確保すれば大丈夫だろうという量を得る事が出来た。

 しかし、問題が起きた。
 “部族狩り”に遭ってしまったのだ。

 2代目皇帝の時のような虐殺は行われなくなったが、“部族狩り”は根強く残っているのが現実だった。生き残りの少数民族の中にも居住区から迷い出たり、バロタミ達のように物資調達の為に遠出をしたりする者は一定数存在する。彼らを襲撃し、所持品を強奪するのが、所謂“部族狩り”というものだ。少数民族の所持品は珍しい物が多い為、高く売れる。それを狙う人間は少なくない。殺害する事自体ではなく、奪う事を目的としている点で皇帝の虐殺とは性質が違うが、人間に危害を加えるのはどちらも同じだった。

 一族の長であり、ウラウロイ族一の戦士であったバロタミは襲撃者と戦い、仲間を守った。一緒に戦うと言った仲間を叱咤し、凍えながら待つ女子供の元へ無理矢理帰した。勿論、息子のイェンにも逃げろと言った。だが、イェンには幼いながら長の息子であるというプライドがあった。この時、イェンは初めて父親に逆らった。

 仲間は無事に逃げ延び、親子は捕らえられた。一度は奴隷商人に売り飛ばす事を考えたようだが、深い傷を全身に負った2人は使い物にならない。襲撃者達は諦めてその場に置き去りにした。自らが重傷を負いながら息子を励ます父親の傍らで、イェンは意識を失った。

  気がつくと、父親は側にいなかった。
 自分を見てみれば、簡素な寝台に寝かされており、雑な手当ても施されていた。暫くすると粗末な服を着た中年の女が現れ、何やら話しかけてきた。ウラウロイ語しか知らない少年には何を言っているのかわからなかったが、乱暴な口振りから自分が良くは扱われない事を悟った。

 イェンが連れて来られていたのは農夫の家だった。働き手のいないその家では、夫婦が安く奴隷を買おうと相談していた。そんな時に傷だらけの子供が放り出されているのを見つけ、これ幸いと持ち帰ったのだ。

 怪我が治ったイェンは大人の2倍も3倍も働かされた。言葉がわからないせいで父親の行方も尋ねられず、ただ黙って鞭で打たれ続けた。
 そんな日々が数年続き、13歳になったイェンはとうとう農夫の家を脱け出した。その頃にはある程度のルバルア語は理解するようになっており、覚束ないながら話す事も出来た。
 街まで逃げたイェンは武器屋に雇われ、その賃金で故郷へ帰る為に必要な物を揃えた。13歳の子供に支払われる金額は少なく、全ての準備が整った時には、イェンは17歳になっていた。

 父親が帰っていると信じ、イェンはナルノロンへ戻った。8年の時を経て帰還した長の息子に一族は歓喜した。懐かしいウラウロイ語で歓迎され、宴が開かれた。しかし、そこに父の姿はなかった。長の地位は弟であるイロトミに引き継がれており、バロタミは死んだものとされていたのだ。
 死体を確認した者はいない。だが、最後に彼を見たイェン自身が、最早生きる望みのない姿だった事を知っていた。手当てをしても出血が多過ぎて助からない傷を負っていた。誰より知っていたが、8年間見て見ぬふりをしてきたのだ。父は生きている。自分の帰りを待っている。そう考える事で生き長らえてきた。それを自覚したイェンは泣いた。涙という涙を絞り出して泣いた。二度と泣けないように──

「──そして、俺がここに帰って来て2年が経ち、あんた達が来た」

 そう締め括り、イェンは口をつぐんだ。
 本人によって語られたあまりに壮絶な人生に、3人は暫し絶句していたが、セドルアが沈黙を破った。

「この地を訪れるまでに、随分時間がかかってしまった。ようやく、これをあるべき場所に返せる」

 マストネラをイェンに差し出し、広げられた掌に落とす。セドルア本人も気付いていないが、それはバロタミが幼いセドルアにマストネラを託した時と同じ動作であった。
 イェンの手首に元々あったマストネラの上からはめられた時、リューシにはバロタミの戦士の証が煌めいたように思えた。遂に、10年という年月を経て、死者の遺物はあるべき場所に還ったのだ。

「どういう経緯であんたに託されたのか知らないが、感謝する」

 イェンの声は力強かった。父から引き継いだマストネラを身に付け、彼の面差しは堂々たる戦士のそれである。数時間前に見え隠れしていた少年の影は最早どこにもなかった。これがウラウロイか、とリューシは何に対するものかわからない感想を声に出さず呟く。

「今夜は是非泊まって行ってくれ。客人として歓迎しよう」

 そう提案し、ウラウロイ族の若い戦士は初めて笑みを見せた。


◇◇◇


 イェンが客人だと紹介すると、リューシ達への警戒は直ぐに解かれた。あの槍を向けてきた戦士達も一緒に飲もうと酒を勧めてくるという変わりようだ。いかにイェンが信頼されているかを表す変化である。騒いでいるうちに我も我もと人が集まり、宴会にまで発展した。
 
「~~~~」
「ん?」

 隣の男に話しかけられ、リューシは首を傾げた。生憎ウラウロイ語はわからない。イェンに通訳を頼もうかと思ったが、彼は今セドルアと談笑している。互いに真顔のままだが、年が近い者同士打ち解けた雰囲気で会話を続けられているようだ。それを邪魔するのは憚られた。

「~~~!」

 どうしようかと思案していると、ニカッと歯を見せて笑った男が薄桃色の実が盛られた皿を差し出してくる。食べろ、という事だろうか。

「~~~! ~!」

 躊躇するリューシに、妙なものが入っているのではと疑われていると思ったのだろう。男は巨峰程の大きさの実をひとつ口に放り込み、咀嚼してみせた。美味うまいぞ、という風に皿を持ち上げる。その仕草に親しみが感じられ、リューシは口元を緩めた。

「1つ頂こう」

 薄桃色の果実を歯で潰すと、じゅわりと甘美な果汁が溢れ出す。何という植物の実か知らないが、マンゴーの濃厚さとイチゴの瑞々しさをバランスよく配合したような味だ。確かに、美味い。
 
「アニモラの実が気に入ったのか」

 頭上から降ってきた声に顔を上げれば、イェンが興味深そうに見下ろしていた。薄桃色の果実──アニモラの実を勧めてきた男の反対側のリューシの隣に腰を下ろし、自らも一粒口に含む。

「この実は、宴の時だけ出される特別なものだ。崖に生えるアニモラの木が数個だけ一年中実をつける」

 今日は長のイロトミの許しが出て採集出来たのだと言う。採集する場合はいちいち申告しなければならないらしい。一族共有の財産だとイェンは説明した。

「そんな大切なものを余所者に出していいのか」
「客人だからな。もてなすにはこれが1番だ」

 そうか、と頷き、リューシはもう1つアニモラの実を口に運んだ。

 宴も終わり、イェンの見繕った主人のないラシルァンでリューシ達は床についた。毛皮に鳥の羽根を詰めた敷物の上は思いの外寝心地がいい。
 リューシがΩだという事を配慮し、セドルアは少し離れた所にある別のラシルァンで寝ている。そのセドルアの警護の為に付いているバルトリスも一緒だ。鹿皮が扉の役割を務めている広い空間で、リューシは1人羽毛の感触に身を任せていた。

 寝床は悪くない。だが、どうにも目が冴えてならなかった。長との対談はイェンが取り持ってくれる事になっている。何も気がかりな事はないはずだ。それなのに、なぜか落ち着かない。
 何度目かの寝返りをうった時、どくりと心臓が波打った。

「──っ!?」

 直後、身体の奥から甘い痺れが襲いかかってくる。急速に熱を持ち始めた自身に、リューシはハッと息を詰めた。

 ──発情期か……!?

 あり得ない。あの婚儀の夜の一件以来、発情周期が狂う事はなかった。無論、抑制剤を飲み忘れた事もない。今突然発情するなどあるはずがないのだ。
 しかし、症状は確かに前回の抑制剤なしでの発情と同じ。疑う余地はなかった。

「……くそっ……!」

 荒い息を吐きながら身体を丸める。どれだけ耐えれば収まるのか見当もつかないが、今はどうする事も出来ない。自慰でもしようものなら歯止めが利かなくなってしまう。

「は……っ」

 ずくずくと疼く奥に顔を歪めた。自分の腕に爪を立て、今直ぐ快楽が欲しいと身体が訴えかけてくるのを撥ね付ける。ここで折れてしまっては、どうなるかわからない。対処法方を導き出す為、熱で回らなくなりかけている頭を必死に活動させる。

 最も効果的なのは、鎮静剤を投与する事だ。自分の体によく効くのは既に実証済みである。しかし、生憎鎮静剤はない。バルトリスが持っているという可能性もなくはないが、仮に彼が持っているとしてαのセドルアがいるラシルァンまで行くのは危険だ。

 ──なら、どうする?

 わからない。腕に立てる爪をぎりりと食い込ませながら、チッと舌打ちする。
 他の打開策を見つけようとしたその時、ラガーディの時とは比べ物にならない強さの香りが鼻腔を刺激した。ぞわりと肌が粟立ち、同時に後孔が濡れ始める。
 ──αが。それも、複数人が近づいているのだ。

 静まり返った夜に、ざりざりとばらつきのある足音が響く。やはり、1人ではない。
 少し遠い場所から聞こえているようだが、だんだん近づいている。Ωのフェロモンに誘われてこちらに向かっているのだろう。彼らとリューシの距離に反比例するように、誘発されたαの香りが濃くなってゆく。じりじりと身体を侵食されていくような不快感と、αを求める身体の矛盾に狂いそうだ。嗅いだ事のない濃度のにおいに目眩がする。深く息を吸い込めず、浅い呼吸を繰り返した。
 絶え間なく襲う“波”に歯を食い縛り、身を守る手立てを考える。

 ここから逃避行動を取るのは不可能。どうせろくな動きは出来ないだろうが、応戦するより他ない。リューシは枕元の軍刀に手を伸ばした。が、躊躇する。
 外にいるのは、ウラウロイの男達だろう。ここで彼らを傷つけてしまえば、貿易の交渉が出来なくなるという事も考えられる。閉鎖的な集落だ。例え加害者が向こうだとしても、恐らく同胞の肩を持つだろう。イェンはこちらに味方してくれるかも知れないが、長が否と言えばそれまでだ。

 数秒の迷いの後、リューシは手を掛けていた軍刀を手放した。 既にぐっしょり濡れてしまった下着の感触に、戦闘を回避して云々と論じている場合ではないと気づくが、もうどうにもしようがない。直後、鹿皮の扉が荒々しく捲られた。

 予想通り、複数人──4人の男がラシルァンの中に雪崩れ込んでくる。その先頭の人物に、言葉を失った。

「……っ、お前……!!」

 猛獣のような目でリューシを見る男。それは、イェンだった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

二番煎じな俺を殴りたいんだが、手を貸してくれ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

おてんばプロレスの女神たち ~衝撃のスケバン軍団現る~

青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

愛などもう求めない

BL / 完結 24h.ポイント:241pt お気に入り:2,790

最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

BL / 完結 24h.ポイント:3,431pt お気に入り:1,282

文化祭

青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

桜の君はドSでした

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:15

春を尋ねて 春を見ず

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:32

孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話

BL / 連載中 24h.ポイント:61,535pt お気に入り:3,779

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:420pt お気に入り:392

不撓不屈

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

処理中です...