押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました

cheeery

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初夜

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一真さんが先に入っていいと言ってくれて、私は寝室で一真さんが出てくるのを待っていた。

バスルームの扉の向こうから、シャワーの音が静かに響いている。
私は、乾かしたばかりの髪を指で梳きながら、ふかふかのベッドの端にちょこんと座る。

広々とした寝室は、柔らかな間接照明に照らされている。

落ち着かない。
今日……はじめて家で一真さんとふたりきりで過ごす夜になる。

一真さんは……今日の夜。
その……夜のことをするつもりなんだろうか。

この間、ホテルに泊まった時、一真さんは準備ができるまで待つと言ってくれた。

あの日はその言葉にあやかって、一緒に寝るだけで終わってしまったけど、今日はいわゆる初夜と言われる日。

一般的にはそういう行為があるのが普通なのよね……?

自然と頬が熱を帯び、シーツをぎゅっと握る。

心臓がドキドキしてる……。

――ガチャ

すると寝室のドアが開いた。

思わず顔を上げると、まだ少し濡れている髪をタオルで拭きながら、一真さんが寝室へと入ってきた。

白いシャツに黒のパンツというラフな格好。
それなのに、Tシャツから見える立派な筋肉からか、普段よりも色気を感じてしまう。

一真さん、なにを着ててもカッコイイ……。

「退屈じゃなかったか?」
「い、いえ……!」

思わず背筋を伸ばし、ぎこちなく微笑む。
一真さんはそんな私の様子に気づいたのか、クスッと小さく笑った。

「緊張してるのか?」
「そ、そんなこと……」

言いかけて、視線を彷徨わせる。
意識しないようにしようと思っていたのに、どうしても意識してしまった。

「澪」

不意に名前を呼ばれて顔をあげると、一真さんからのキスが降ってくる。

「んっ……」

肩にかかる髪をそっと指でなぞられ、その指先の熱に、心臓が大きく跳ねた。

「一真さん……」

好きだ。
一真さんのことが大好き……。

お互いに見つめ合うと、一真さんは照れたように目を逸らした。

「このままじゃやめてやれそうにもなくなる。タオルを置いてくるよ」

一真さんの言葉に今日も彼は私との行為を待とうとしてくれたことが分かった。

背中を向けて、部屋を出て行こうとする一真さん。

「ま、待って……」

私は慌てて彼の手をとった。

「澪……?」

「わ、わたし……もう準備は出来てます」

だんだんと小さくなっていく声。
声が震えているのが自分でも分かった。

その震えを聞いてなのか一真さんは優しく頭を撫でた後、私を落ちつかせるように言う。

「頑張ろうとしなくていい」

一真さんの優しさが嬉しい。
でも今日は……。

「あ、あの……私……一真さんと、シたいです……」
「澪!?」

まさか私の口からそんな言葉が飛び出すとは思っていなかったのか一真さんは目を丸めた。

「ご、ごめんなさい……はしたない事を……」

焦ってすぐに謝ると、テンパっている私に優しく声色で尋ねる一真さん。

「本心か?」

私はこくりと頷いた。

「……それは可愛すぎるな」

一真さんは困ったようにつぶやくと、ゆっくりと私をベッドに押し倒した。

向かい合って、バクバクと音を立てる心臓。
すぐに彼が私の耳元で名前を呼ぶ。

「澪……愛してる」
「私もです……」

返事を聞くとすぐにキスが落ちてきた。

一真さんの唇が、そっと触れ優しいキスをする。

「ん……」

それを数回繰り返すと、一真さんは唇を離しふわりと微笑んだ。

「……嫌じゃないか?」

その囁くような声に、私は小さく首を横に振る。

嫌なはずがない。
むしろ、もっと……私も一真さんのことが知りたい。

そんな風に思った瞬間、もう一度唇が重なった。

先ほどよりも深く、甘いキス。

「……んっ……」

熱を帯びた温もりが、じわじわと唇から全身へと広がっていく。
最初は触れるだけのキスが次第に深くなって思考を溶かしていく。

「はぁ……っ、は」

頭がクラクラする。
キスってこんなに気持ちいいものなんだ。

酸素を取り込むのがやっとで、口を開いてもすぐにまたキスで埋め尽くされてしまう。

「……はっ、ふ」

触れるたびに胸が高鳴ってくすぐったいような、心地よい痺れが背筋を走った。

それから一真さんはゆっくりと私の服を脱がせた。

「澪……」

低く甘い声が耳をくすぐり、私の心をさらにかき乱す。

優しい愛撫に何度も伝えてくれる好きだという言葉。
その全部が思考をドロドロに溶かされるくらい、気持ちがよくて、酔いしれて、愛おしくて……私は、目の前の快楽に身を委ねた──。


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