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少なくとも俺の中では
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「もう帰っちゃうんですか?」
「帰らねぇと…家の人が心配するしな」
轟は俺の袖をぎゅっと掴んで離さない。此奴ってこんな可愛かったっけ?
「傍に居てください」
「でも…」
そんな事言われても困る。此の弱っている此奴を一人にするのは心配だ。かといって早く帰らなければ来夢が心配する。もうそろそろ来夢のバイトが終わる時間だ。
「俺って邪魔者ですか?」
「え?そんな事ある筈ねぇだろ」
「そうですか……」
如何したんだいきなり。何かあったのか?
「如何したんだ?」
「……」
轟は何も答えなかった。言えない程何か辛い事があったのだろうか。今の此奴はとても小さく見える。何かに怯えているような…
「俺が何で今一人か知ってますか?」
「ご両親が出張だって聞いたけど」
「其れ嘘なんです。俺が嘘を言ったんです」
嘘?何の為に嘘を吐いたんだろうか。
「本当は出張なんかじゃないんです。離婚したんですよ」
「え…」
離婚…其れで親が今居ないって事か。それにしても何方かが轟を引き取るとかなかったのか?
「お父さんには他に付き合ってる人が居たんです。お母さんも同じです。結局二人は別れました。俺は邪魔だからって何方も引き取らなかったんです。でも其の代わりに此の家と2人の貯金の半分を残してくれました。毎月生活費も払うと言って出て行きました。裁判で決まった事なんですけどね」
「……そっか…其れで一人だったのか」
「親に邪魔者って言われちゃったんです。俺ってそんな存在なのかな…」
轟はとても傷付いた顔をしていた。己を嘲笑うかのような笑みを浮かべている。其れがとても見ていて苦しくて俺は思わず抱き締めた。
「っ…愛空先輩…?」
「お前は邪魔者なんかじゃない。誰が何と言おうとそんなんじゃねぇよ。お前は親だけのモンじゃねぇだろ?邪魔者だとか親が言ったとしてもお前の居場所は家だけじゃない。お前にはクラスや部活にも居場所がある。部活でだっていつも活躍してるし人一倍頑張ってると思う。無意味な存在でも邪魔者でもねぇよ。お前は大切な存在だよ。少なくとも俺の中では」
「帰らねぇと…家の人が心配するしな」
轟は俺の袖をぎゅっと掴んで離さない。此奴ってこんな可愛かったっけ?
「傍に居てください」
「でも…」
そんな事言われても困る。此の弱っている此奴を一人にするのは心配だ。かといって早く帰らなければ来夢が心配する。もうそろそろ来夢のバイトが終わる時間だ。
「俺って邪魔者ですか?」
「え?そんな事ある筈ねぇだろ」
「そうですか……」
如何したんだいきなり。何かあったのか?
「如何したんだ?」
「……」
轟は何も答えなかった。言えない程何か辛い事があったのだろうか。今の此奴はとても小さく見える。何かに怯えているような…
「俺が何で今一人か知ってますか?」
「ご両親が出張だって聞いたけど」
「其れ嘘なんです。俺が嘘を言ったんです」
嘘?何の為に嘘を吐いたんだろうか。
「本当は出張なんかじゃないんです。離婚したんですよ」
「え…」
離婚…其れで親が今居ないって事か。それにしても何方かが轟を引き取るとかなかったのか?
「お父さんには他に付き合ってる人が居たんです。お母さんも同じです。結局二人は別れました。俺は邪魔だからって何方も引き取らなかったんです。でも其の代わりに此の家と2人の貯金の半分を残してくれました。毎月生活費も払うと言って出て行きました。裁判で決まった事なんですけどね」
「……そっか…其れで一人だったのか」
「親に邪魔者って言われちゃったんです。俺ってそんな存在なのかな…」
轟はとても傷付いた顔をしていた。己を嘲笑うかのような笑みを浮かべている。其れがとても見ていて苦しくて俺は思わず抱き締めた。
「っ…愛空先輩…?」
「お前は邪魔者なんかじゃない。誰が何と言おうとそんなんじゃねぇよ。お前は親だけのモンじゃねぇだろ?邪魔者だとか親が言ったとしてもお前の居場所は家だけじゃない。お前にはクラスや部活にも居場所がある。部活でだっていつも活躍してるし人一倍頑張ってると思う。無意味な存在でも邪魔者でもねぇよ。お前は大切な存在だよ。少なくとも俺の中では」
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