61 / 94
61話 vsアイシア
しおりを挟む
ギルドマスターの娘にして、Bランク冒険者でもあるアイシアと模擬試合を行うことになった。
訓練場にて、俺たちは向かい合う。
「ルールはどうする? 何でも有りにするか?」
パワードにそう問われた。
「いや。武器はなし。魔法も身体強化のみの使用で頼む」
俺の剣技や魔法は対人戦には向いていない。
特に魔法は、うっかり人を殺しかねないほどの威力がある。
「それですと、『闘神流』を修めた私の方が有利では?」
闘神流……。
確か、武闘の流派の一つだな。
小耳に挟んだことがある。
「いいんだよ。ただの手合わせなんだから」
「分かりました。カエデさんがそうおっしゃるのであれば」
「審判はこの儂が務める。それでは……、始め!!」
俺とアイシアの試合が始まった。
「先手必勝です! はあっ!」
開始と同時に、彼女は距離を詰めてきた。
速い。
そして、重い拳を放ってくる。
「ぐっ!?」
俺は咄嵯に腕を上げてガードするが、衝撃で後方に吹っ飛ばされた。
「カエデさん!?」
エリスが驚いた声を上げる。
「大丈夫じゃ。あの嬢ちゃんはあれぐらいではやられん。直接戦った儂はよく分かっておる」
パワードの言葉通り、俺は大したダメージを受けてはいない。
すぐに立ち上がる。
「ほう。頑丈なんですね」
アイシアも感心しているようだ。
「今の一撃で俺を倒せると思ったのか?」
「まさか。父に勝ってしまうような人を一撃で倒せるとは思っていません。さすがに、ノーダメージなのは想定外ですが……」
そう言いつつ、再び構えをとる彼女。
「今度はこっちからだぜ」
俺は【ネコダッシュ】で身体能力を強化し、一気に間合いへ踏み込む。
「速……ッ!!?」
彼女が反応する前に、俺の拳が彼女の腹部を捉えていた。
「げほっ……」
血を吐きながら後方へと吹き飛ぶアイシア。
だが、空中で体勢を立て直し、綺麗に着地を決めた。
「素晴らしい速度の体術ですね……」
「その割に、あっさりと耐えるじゃないか」
「そこはまあ……。『闘神流』は肉体の強化を重視しますので」
「そうなのか」
「はい……。なので、魔法は苦手なんです」
苦笑しながら答える彼女。
「でも、接近戦では負けない自信があります。まだまだ戦えますよ」
「そうかい。じゃ、これはどうかな」
俺は右手に闘気を集める。
「そおいっ!」
弾丸のような速度で放たれた無数のパンチ。
そこから射出される闘気弾がアイシアを襲う。
「く……!」
それを全て受け切るアイシア。
かなりの集中力だ。
「なかなかやりますね……。素晴らしい威力と連射力です。でも、闘気弾なら私も使えます!」
アイシアは両手を前に突き出す。
「はああぁっ! 気功砲!!!」
すると、凄まじい勢いの闘気が噴き出した。
「なにぃ!」
慌てて俺は後退する。
ドゴーン!!
アイシアの放ったそれは、訓練場の壁を破壊した。
「おいおい。マジかよ」
俺は冷や汗を流す。
こんなものを食らったらひとたまりもないぞ。
「はあ、はあ……。避けられてしまいましたか……」
「あんなもん、避けて正解だろ」
「くう……。しかし、まだ負けてはいません!」
アイシアは再び構えをとった。
彼女が闘気を練り上げていく。
「どうやら、これが最後みたいだな……」
俺がそう呟いた直後だった。
「おおおっ!」
アイシアは先ほどよりもさらに速く動いた。
そして、一瞬にして俺の背後に回り込み、背中に向けて掌底を放つ。
「もらった!」
勝利を確信したアイシアだったが、次の瞬間に驚愕の表情を浮かべた。
何故ならば、俺の姿はそこになかったのだから。
「どこを狙っているんだ?」
アイシアの背後から声を掛けて俺に、彼女はハッとして振り返る。
「なに!?」
「隙あり!!」
動揺する彼女に回し蹴りをお見舞いした。
ドゴォーン!!!
轟音とともに吹っ飛んでいく彼女。
地面に落下し、ゴロンゴロン転がって止まった。
「ぐ……うぅ……。強い……。強すぎますよ、カエデさん……。もう降参です」
倒れ込んだアイシアがそう言う。
「うむ! そこまでとする! 勝者、カエデ!!」
ギルドマスターのパワードが宣言をする。
こうして、俺とアイシアの戦いは終わったのだった。
訓練場にて、俺たちは向かい合う。
「ルールはどうする? 何でも有りにするか?」
パワードにそう問われた。
「いや。武器はなし。魔法も身体強化のみの使用で頼む」
俺の剣技や魔法は対人戦には向いていない。
特に魔法は、うっかり人を殺しかねないほどの威力がある。
「それですと、『闘神流』を修めた私の方が有利では?」
闘神流……。
確か、武闘の流派の一つだな。
小耳に挟んだことがある。
「いいんだよ。ただの手合わせなんだから」
「分かりました。カエデさんがそうおっしゃるのであれば」
「審判はこの儂が務める。それでは……、始め!!」
俺とアイシアの試合が始まった。
「先手必勝です! はあっ!」
開始と同時に、彼女は距離を詰めてきた。
速い。
そして、重い拳を放ってくる。
「ぐっ!?」
俺は咄嵯に腕を上げてガードするが、衝撃で後方に吹っ飛ばされた。
「カエデさん!?」
エリスが驚いた声を上げる。
「大丈夫じゃ。あの嬢ちゃんはあれぐらいではやられん。直接戦った儂はよく分かっておる」
パワードの言葉通り、俺は大したダメージを受けてはいない。
すぐに立ち上がる。
「ほう。頑丈なんですね」
アイシアも感心しているようだ。
「今の一撃で俺を倒せると思ったのか?」
「まさか。父に勝ってしまうような人を一撃で倒せるとは思っていません。さすがに、ノーダメージなのは想定外ですが……」
そう言いつつ、再び構えをとる彼女。
「今度はこっちからだぜ」
俺は【ネコダッシュ】で身体能力を強化し、一気に間合いへ踏み込む。
「速……ッ!!?」
彼女が反応する前に、俺の拳が彼女の腹部を捉えていた。
「げほっ……」
血を吐きながら後方へと吹き飛ぶアイシア。
だが、空中で体勢を立て直し、綺麗に着地を決めた。
「素晴らしい速度の体術ですね……」
「その割に、あっさりと耐えるじゃないか」
「そこはまあ……。『闘神流』は肉体の強化を重視しますので」
「そうなのか」
「はい……。なので、魔法は苦手なんです」
苦笑しながら答える彼女。
「でも、接近戦では負けない自信があります。まだまだ戦えますよ」
「そうかい。じゃ、これはどうかな」
俺は右手に闘気を集める。
「そおいっ!」
弾丸のような速度で放たれた無数のパンチ。
そこから射出される闘気弾がアイシアを襲う。
「く……!」
それを全て受け切るアイシア。
かなりの集中力だ。
「なかなかやりますね……。素晴らしい威力と連射力です。でも、闘気弾なら私も使えます!」
アイシアは両手を前に突き出す。
「はああぁっ! 気功砲!!!」
すると、凄まじい勢いの闘気が噴き出した。
「なにぃ!」
慌てて俺は後退する。
ドゴーン!!
アイシアの放ったそれは、訓練場の壁を破壊した。
「おいおい。マジかよ」
俺は冷や汗を流す。
こんなものを食らったらひとたまりもないぞ。
「はあ、はあ……。避けられてしまいましたか……」
「あんなもん、避けて正解だろ」
「くう……。しかし、まだ負けてはいません!」
アイシアは再び構えをとった。
彼女が闘気を練り上げていく。
「どうやら、これが最後みたいだな……」
俺がそう呟いた直後だった。
「おおおっ!」
アイシアは先ほどよりもさらに速く動いた。
そして、一瞬にして俺の背後に回り込み、背中に向けて掌底を放つ。
「もらった!」
勝利を確信したアイシアだったが、次の瞬間に驚愕の表情を浮かべた。
何故ならば、俺の姿はそこになかったのだから。
「どこを狙っているんだ?」
アイシアの背後から声を掛けて俺に、彼女はハッとして振り返る。
「なに!?」
「隙あり!!」
動揺する彼女に回し蹴りをお見舞いした。
ドゴォーン!!!
轟音とともに吹っ飛んでいく彼女。
地面に落下し、ゴロンゴロン転がって止まった。
「ぐ……うぅ……。強い……。強すぎますよ、カエデさん……。もう降参です」
倒れ込んだアイシアがそう言う。
「うむ! そこまでとする! 勝者、カエデ!!」
ギルドマスターのパワードが宣言をする。
こうして、俺とアイシアの戦いは終わったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる