14 / 99
14話 愛情クロストレーニング・アイリ
しおりを挟む
龍之介とアイリの決闘から1週間が経過した。
試合にかこつけた痴漢行為を働いた龍之介だが、幸いにして、学園側には報告されていなかった。
部員たちにその場でボコボコにされ、一定の制裁を受けたことが一因だろう。
そして何よりも、被害者であるアイリが、龍之介に許しを与えたことが大きい。
彼女は、自身の胸を隠すようにしながら龍之介にこう言ったという。
――ボク以外の合気道部部員にこんなことしたら……許さないからね……。
恥ずかしそうに顔を赤らめてそう言うアイリは、とても可愛らしかったらしい。
それはさておき、今日の龍之介は合気道部に顔を出している。
「はぁっ!! せりゃぁああ!!」
「うわああぁっ!?」
アイリの気合いと共に投げ飛ばされ、女生徒が宙を舞う。
合気道部の部長として、一般部員を圧倒すること自体は珍しくない光景である。
しかし、ここ数日は何かが違った。
「す、凄い……。アイリ先輩……」
「これで10人抜きだよね? さすが……」
「パワーもだけど、特に技巧が凄く伸びているように見えます。あまり体力を消耗せずに、次々と……」
「何かコツを掴む出来事でもあったのでしょうか……」
部員たちは、アイリの圧巻の活躍に感嘆の声を漏らす。
アイリは、ここ数日で急激に強くなっている。
部員たちも、この変化には驚いているようだった。
龍之介との勝負以来、彼女は何かに目覚めたように強くなったのだ。
その後も、合気道部の活動は順調に進んでいく。
そして――
「アイリ部長、今日もあの男と居残り練習ですか?」
「うん、ちょっとね。先に帰ってていいから」
「気をつけてくださいね。道場で2人きりなんて、襲われるかもしれませんよ?」
「あはは、大丈夫だってば」
部員たちの忠告を、アイリが軽く笑い飛ばす。
決闘の日から1週間、龍之介とアイリは毎日のように居残り練習をしていた。
部員たちが退出し、道場内で2人きりになる。
「さて、今日も【愛情クロストレーニング】をやるか?」
「うん、望むところだよ!」
2人は道着の帯を解き、全てを脱ぐ。
下着もだ。
そして――お互いに向かい合うと……全裸のまま組み合った。
「うりゃあぁあっ!」
アイリが龍之介を投げ飛ばす。
しかし、彼の受け身によってダメージはほとんど無い。
「まだだ!」
龍之介は、アイリを押し倒す。
そして、その胸に吸い付いた。
「んっ、あぁん……!」
アイリが、艶のある声を漏らす。
龍之介も、美少女のおっぱいの舌触りに身を震わせる。
2人の男女が全裸で絡み合う光景は、とても卑猥なものだった。
しかしその目的は、決して邪なものではない。
「ふふっ……。龍之介は本当にエッチだね……」
「仕方ないだろ、男なんだから。それに、アイリも嬉しそうじゃないか」
「うん。だってさ、このスタイルなら何故か龍之介は強くなるし……。ボクにとっても良い練習になるからね」
アイリは合気道部の部長として、もっと上を目指したいと思っていた。
しかし、見えない壁にぶつかって思い悩んでいたのである。
そんな時に見えた光明。
龍之介との【愛情クロストレーニング】は、アイリの悩みを解消するものでもあった。
「じゃあ、続きをしようか」
「おう、かかってきな」
再び組み合う2人。
その後――
2人が全裸で稽古に励んでいると、突然道場の入り口が開かれた。
「「……え?」」
驚く2人の視界に、女子生徒の姿が入る。
それは――
ウェイトリフティング部のミオであった。
「あ……」
「み、見られちゃったね……龍之介……」
そんな2人の言葉に――
「なぁああああ! 遅いと思ったら……何をしているのですか! 龍様!!」
ミオは、顔を赤くしてそう叫んだのだった。
その後、何とかミオに事情を説明した龍之介とアイリは、彼女のお説教を正座で聞いていた。
「はぁ……。ご自分がどれだけ問題のある行動をしてるのか、理解してます?」
ミオの言葉に、2人はシュンとした様子で頷く。
そんな2人に、更に続ける。
「まぁいいです……。龍様が女好きであることは、薄々分かっていました。それに、今の時代は完全自由恋愛ですから……。龍様のように魅力的な男性がいろんな女性に手を出すことは、仕方ありません」
2099年になった今、いろいろな制度や常識が変容していた。
恋愛や結婚に関する制度も、その1つだ。
「ですが、野球部としての練習に遅刻するのは問題ですよ? 私はずっと待っていたのですから」
「「……はい」」
「よろしい。では、龍様……アイリさん。そろそろ服を着てください。そして、野球部としての練習を始めましょう」
ミオは2人にそう促す。
野球部は理事長の肝入りだ。
ナイター施設が整っており、夜遅くまで練習ができる。
ミオの言葉に、2人は頷いた。
そして、グラウンドに移動し練習が始まる。
「ノックいくぞ! そりゃっ!」
「ほいっと!」
龍之介の掛け声で、アイリがノックを受ける。
ちなみに、ミオは野球ロボのサポートを受けつつトスバッティングを行っている。
「アイリのグラブ捌きは凄まじいな。合気道部での試合や稽古で、器用なのは察していたが……」
「まぁね。ボクは手先の器用さには自信あるから。ただ、道具を使ってボールを打つのはなかなか難しいけどね」
「未経験だし、それは仕方ないだろう。合気道部の部長として、全体的に身体能力も高めだし……。野球部として、とても期待できる新戦力だよ」
「あはは、ありがとう!」
談笑しながら、ノックを受けるアイリ。
その後も、龍之介、ミオ、アイリの3人で練習に励んでいくのだった。
試合にかこつけた痴漢行為を働いた龍之介だが、幸いにして、学園側には報告されていなかった。
部員たちにその場でボコボコにされ、一定の制裁を受けたことが一因だろう。
そして何よりも、被害者であるアイリが、龍之介に許しを与えたことが大きい。
彼女は、自身の胸を隠すようにしながら龍之介にこう言ったという。
――ボク以外の合気道部部員にこんなことしたら……許さないからね……。
恥ずかしそうに顔を赤らめてそう言うアイリは、とても可愛らしかったらしい。
それはさておき、今日の龍之介は合気道部に顔を出している。
「はぁっ!! せりゃぁああ!!」
「うわああぁっ!?」
アイリの気合いと共に投げ飛ばされ、女生徒が宙を舞う。
合気道部の部長として、一般部員を圧倒すること自体は珍しくない光景である。
しかし、ここ数日は何かが違った。
「す、凄い……。アイリ先輩……」
「これで10人抜きだよね? さすが……」
「パワーもだけど、特に技巧が凄く伸びているように見えます。あまり体力を消耗せずに、次々と……」
「何かコツを掴む出来事でもあったのでしょうか……」
部員たちは、アイリの圧巻の活躍に感嘆の声を漏らす。
アイリは、ここ数日で急激に強くなっている。
部員たちも、この変化には驚いているようだった。
龍之介との勝負以来、彼女は何かに目覚めたように強くなったのだ。
その後も、合気道部の活動は順調に進んでいく。
そして――
「アイリ部長、今日もあの男と居残り練習ですか?」
「うん、ちょっとね。先に帰ってていいから」
「気をつけてくださいね。道場で2人きりなんて、襲われるかもしれませんよ?」
「あはは、大丈夫だってば」
部員たちの忠告を、アイリが軽く笑い飛ばす。
決闘の日から1週間、龍之介とアイリは毎日のように居残り練習をしていた。
部員たちが退出し、道場内で2人きりになる。
「さて、今日も【愛情クロストレーニング】をやるか?」
「うん、望むところだよ!」
2人は道着の帯を解き、全てを脱ぐ。
下着もだ。
そして――お互いに向かい合うと……全裸のまま組み合った。
「うりゃあぁあっ!」
アイリが龍之介を投げ飛ばす。
しかし、彼の受け身によってダメージはほとんど無い。
「まだだ!」
龍之介は、アイリを押し倒す。
そして、その胸に吸い付いた。
「んっ、あぁん……!」
アイリが、艶のある声を漏らす。
龍之介も、美少女のおっぱいの舌触りに身を震わせる。
2人の男女が全裸で絡み合う光景は、とても卑猥なものだった。
しかしその目的は、決して邪なものではない。
「ふふっ……。龍之介は本当にエッチだね……」
「仕方ないだろ、男なんだから。それに、アイリも嬉しそうじゃないか」
「うん。だってさ、このスタイルなら何故か龍之介は強くなるし……。ボクにとっても良い練習になるからね」
アイリは合気道部の部長として、もっと上を目指したいと思っていた。
しかし、見えない壁にぶつかって思い悩んでいたのである。
そんな時に見えた光明。
龍之介との【愛情クロストレーニング】は、アイリの悩みを解消するものでもあった。
「じゃあ、続きをしようか」
「おう、かかってきな」
再び組み合う2人。
その後――
2人が全裸で稽古に励んでいると、突然道場の入り口が開かれた。
「「……え?」」
驚く2人の視界に、女子生徒の姿が入る。
それは――
ウェイトリフティング部のミオであった。
「あ……」
「み、見られちゃったね……龍之介……」
そんな2人の言葉に――
「なぁああああ! 遅いと思ったら……何をしているのですか! 龍様!!」
ミオは、顔を赤くしてそう叫んだのだった。
その後、何とかミオに事情を説明した龍之介とアイリは、彼女のお説教を正座で聞いていた。
「はぁ……。ご自分がどれだけ問題のある行動をしてるのか、理解してます?」
ミオの言葉に、2人はシュンとした様子で頷く。
そんな2人に、更に続ける。
「まぁいいです……。龍様が女好きであることは、薄々分かっていました。それに、今の時代は完全自由恋愛ですから……。龍様のように魅力的な男性がいろんな女性に手を出すことは、仕方ありません」
2099年になった今、いろいろな制度や常識が変容していた。
恋愛や結婚に関する制度も、その1つだ。
「ですが、野球部としての練習に遅刻するのは問題ですよ? 私はずっと待っていたのですから」
「「……はい」」
「よろしい。では、龍様……アイリさん。そろそろ服を着てください。そして、野球部としての練習を始めましょう」
ミオは2人にそう促す。
野球部は理事長の肝入りだ。
ナイター施設が整っており、夜遅くまで練習ができる。
ミオの言葉に、2人は頷いた。
そして、グラウンドに移動し練習が始まる。
「ノックいくぞ! そりゃっ!」
「ほいっと!」
龍之介の掛け声で、アイリがノックを受ける。
ちなみに、ミオは野球ロボのサポートを受けつつトスバッティングを行っている。
「アイリのグラブ捌きは凄まじいな。合気道部での試合や稽古で、器用なのは察していたが……」
「まぁね。ボクは手先の器用さには自信あるから。ただ、道具を使ってボールを打つのはなかなか難しいけどね」
「未経験だし、それは仕方ないだろう。合気道部の部長として、全体的に身体能力も高めだし……。野球部として、とても期待できる新戦力だよ」
「あはは、ありがとう!」
談笑しながら、ノックを受けるアイリ。
その後も、龍之介、ミオ、アイリの3人で練習に励んでいくのだった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる