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8話 祟殺し
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俺は白銀草の採取の帰り道で、ゴブリンの群れに囲まれてしまった。
謎の幻聴に従い、破れかぶれで黒毒草を飲み込んだ。
単純な毒に加え、瘴気を呼び寄せる効果を持つ草だ。
そしてーー。
「うふふふふ。ついに、私のお出ましよ! 瘴気をたっぷりもらって、怨霊サリーナちゃん、華麗に参上!」
何やらハイテンションな幻聴が聞こえる。
この場に似つかわしくない、かわいらしい声だ。
俺の助かりたいという願望が生み出した幻聴か。
俺はそっと目を閉じる。
しかしーー。
「ちょっとちょっと! せっかく実体化できたんだから、私の活躍をしっかり見ててよね」
俺の顔がワシっと掴まれる。
俺が目を開けると、かわいらしい少女の顔が目の前にあった。
これは幻聴でも、幻覚でもない?
しかし、先ほどまでここらには人影はなかったはず。
いったいどこから現れたのか。
「あ、ああ。君はいったい?」
「私の名前はサリーナ! ダーリンの運命の相手よ。私のファーストキスだってあげたんだから、もう逃さないからね」
少女がそう言って、ニッコリと微笑む。
ゾクッ!
かわいい顔が、一瞬だけ不気味に映った気がした。
背中に強烈な寒気を感じる。
「ぎゃおっ!」
俺とサリーナが会話しているスキを突いて、ゴブリンが攻撃を仕掛けてきた。
やつが振り下ろす棍棒が、サリーナを襲う。
ぐちゃ。
サリーナの顔が棍棒によって潰される。
「あ、ああああ!」
あのかわいい顔が……。
俺がのんきに会話なんてしているから。
どうしてこんなところに迷い込んでいたのかは知らないが、俺がゴブリンの気を引いて逃してあげるべきだった。
俺はそう後悔する。
だがーー。
「うふふふふ。私ならだいじょうぶだよ、ダーリン。そんなことよりーー」
サリーナの潰れた顔からそう声がする。
バカな……。
この状態で、生きているはずがない。
何がどうなっている?
頭がおかしくなりそうだ。
「ーーおいたしたら、メッだよ」
パチン。
サリーナが指を鳴らす。
「ぎゃ、ぎゃおおぉっ!?」
「ぎいいいぃ!」
ゴブリンの群れが突然叫びだす。
あるゴブリンは、涙とよだれを垂れ流し苦しんでいる。
あるゴブリンは、自分の喉を掻き毟っている。
あるゴブリンは、別のゴブリンの首を締めている。
阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
そして、しばらくして。
その場に動いているゴブリンはいなくなった。
この場にいるのは、俺とサリーナの2人だけだ。
いや。
サリーナは、人なのか……?
俺は、なおも潰れた顔をしているサリーナに向き直る。
「じ、状況はさっぱり飲み込めないが、どうやら助けてもらったようだな。ありがとう」
「うふふふふ。お安い御用だよ。愛しのダーリンのためだもん」
サリーナがそう言う。
声はかわいいのだが、顔が……。
「そ、その、なんだ。その顔は、だいじょうぶなのか?」
「え? ああ、ごめんごめん。戻すのを忘れてたよ。私のかわいいお顔が……」
キュポンッ!
突然、サリーナの潰れていた顔が元に戻った。
かわいらしい少女の顔だ。
「うっ! い、いったい君は何者なんだ……?」
俺はそう問う。
命の恩人にあれこれ聞くのも失礼かもしれないが、得体の知れない者に心を許すには早すぎる。
「私はサリーナ。怨霊サリーナちゃんだよ。そして、愛しのダーリンの恋人。これから末長くよろしくね、ダーリン」
サリーナがニコッと笑う。
ゾクッ!
かわいらしい笑顔のはずなのだが、なぜか再び背筋に強烈な悪寒が走った。
「怨霊……? 君は、幽霊なのか? 物語では聞いたことがあるが、実物を見るのは初めてだ」
「幽霊を見れるのは、ごく一部の人だけだよ。ダーリンは、テイマーとして高い素質があるから、私のことをうっすらと知覚できるみたいだね」
幽霊はテイムの対象なのか?
魔物はテイムの対象で、人はテイムの対象ではない。
確かに、幽霊は人と魔物の中間的な存在かもしれない。
「テイマーとしての高い素養? 俺は、伯爵家の中でも落ちこぼれなのだが。素養なら、父上や弟のほうが……」
「あー……。その件は……」
サリーナが気まずそうに目を逸らす。
「何だ?」
「ええっとぉ。その……。ダーリンが小さい頃から、私はずっと憑いていたんだよね。瘴気のパワーが足りずに、実体化はできなかったけど。ダーリンがテイムしようとした魔物は、私の瘴気にビビって逃げて言った感じだね」
サリーナが恐る恐るそう言う。
「すると何か? 俺が伯爵家で無能扱いされてきたのは、サリーナのせいだと?」
「ま、まあそうなるね……。テヘッ」
サリーナが口から舌を出し、とぼけた顔をする。
「こ、この野郎……!」
俺はカッとなり、サリーナに掴みかかる。
しかしーー。
スカッ!
俺の手は虚空を掴む。
「あ、ごめんね。瘴気を結構使っちゃったから、実体化は解いておいたんだ」
サリーナがそう言う。
怨霊である彼女には、物理攻撃は通じないということか。
俺は一度、頭を冷やす。
「ま、まあいい。今回助けてくれたのは事実だしな……」
伯爵家を追放されなければそもそも今回のピンチもなかったわけだが、今は置いておこう。
「そ、そうだよ。未来のことを考えよう。幸い、あの宿屋の瘴気と、今回の黒毒草の瘴気のおかげで私もダーリンと話せるようになったことだし。これからいろいろとサポートするよ」
「そうか。冒険者として活動する上で、期待しておこう」
できれば実家に戻りたいところだが、さすがに厳しいか?
幽霊をテイムしましたと言って、すんなり信じてもらえるとも思えない。
「任せて! それに、もっと瘴気を集めれば、どんどん実体化レベルも上がっていくよ。生身の人間に限りなく近づけば、エッチなことだってできるかもね!」
サリーナがそう言う。
ふむ……。
なるほど……。
「ふっ。そんなことに興味はない。……だが、せっかくだしサリーナの実体化レベルは上げていくか」
実体化レベルを上げておけば、何かと役に立つ機会もあるかもしれない。
うん。
断じて、エッチなことをしたいからではない。
謎の幻聴に従い、破れかぶれで黒毒草を飲み込んだ。
単純な毒に加え、瘴気を呼び寄せる効果を持つ草だ。
そしてーー。
「うふふふふ。ついに、私のお出ましよ! 瘴気をたっぷりもらって、怨霊サリーナちゃん、華麗に参上!」
何やらハイテンションな幻聴が聞こえる。
この場に似つかわしくない、かわいらしい声だ。
俺の助かりたいという願望が生み出した幻聴か。
俺はそっと目を閉じる。
しかしーー。
「ちょっとちょっと! せっかく実体化できたんだから、私の活躍をしっかり見ててよね」
俺の顔がワシっと掴まれる。
俺が目を開けると、かわいらしい少女の顔が目の前にあった。
これは幻聴でも、幻覚でもない?
しかし、先ほどまでここらには人影はなかったはず。
いったいどこから現れたのか。
「あ、ああ。君はいったい?」
「私の名前はサリーナ! ダーリンの運命の相手よ。私のファーストキスだってあげたんだから、もう逃さないからね」
少女がそう言って、ニッコリと微笑む。
ゾクッ!
かわいい顔が、一瞬だけ不気味に映った気がした。
背中に強烈な寒気を感じる。
「ぎゃおっ!」
俺とサリーナが会話しているスキを突いて、ゴブリンが攻撃を仕掛けてきた。
やつが振り下ろす棍棒が、サリーナを襲う。
ぐちゃ。
サリーナの顔が棍棒によって潰される。
「あ、ああああ!」
あのかわいい顔が……。
俺がのんきに会話なんてしているから。
どうしてこんなところに迷い込んでいたのかは知らないが、俺がゴブリンの気を引いて逃してあげるべきだった。
俺はそう後悔する。
だがーー。
「うふふふふ。私ならだいじょうぶだよ、ダーリン。そんなことよりーー」
サリーナの潰れた顔からそう声がする。
バカな……。
この状態で、生きているはずがない。
何がどうなっている?
頭がおかしくなりそうだ。
「ーーおいたしたら、メッだよ」
パチン。
サリーナが指を鳴らす。
「ぎゃ、ぎゃおおぉっ!?」
「ぎいいいぃ!」
ゴブリンの群れが突然叫びだす。
あるゴブリンは、涙とよだれを垂れ流し苦しんでいる。
あるゴブリンは、自分の喉を掻き毟っている。
あるゴブリンは、別のゴブリンの首を締めている。
阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
そして、しばらくして。
その場に動いているゴブリンはいなくなった。
この場にいるのは、俺とサリーナの2人だけだ。
いや。
サリーナは、人なのか……?
俺は、なおも潰れた顔をしているサリーナに向き直る。
「じ、状況はさっぱり飲み込めないが、どうやら助けてもらったようだな。ありがとう」
「うふふふふ。お安い御用だよ。愛しのダーリンのためだもん」
サリーナがそう言う。
声はかわいいのだが、顔が……。
「そ、その、なんだ。その顔は、だいじょうぶなのか?」
「え? ああ、ごめんごめん。戻すのを忘れてたよ。私のかわいいお顔が……」
キュポンッ!
突然、サリーナの潰れていた顔が元に戻った。
かわいらしい少女の顔だ。
「うっ! い、いったい君は何者なんだ……?」
俺はそう問う。
命の恩人にあれこれ聞くのも失礼かもしれないが、得体の知れない者に心を許すには早すぎる。
「私はサリーナ。怨霊サリーナちゃんだよ。そして、愛しのダーリンの恋人。これから末長くよろしくね、ダーリン」
サリーナがニコッと笑う。
ゾクッ!
かわいらしい笑顔のはずなのだが、なぜか再び背筋に強烈な悪寒が走った。
「怨霊……? 君は、幽霊なのか? 物語では聞いたことがあるが、実物を見るのは初めてだ」
「幽霊を見れるのは、ごく一部の人だけだよ。ダーリンは、テイマーとして高い素質があるから、私のことをうっすらと知覚できるみたいだね」
幽霊はテイムの対象なのか?
魔物はテイムの対象で、人はテイムの対象ではない。
確かに、幽霊は人と魔物の中間的な存在かもしれない。
「テイマーとしての高い素養? 俺は、伯爵家の中でも落ちこぼれなのだが。素養なら、父上や弟のほうが……」
「あー……。その件は……」
サリーナが気まずそうに目を逸らす。
「何だ?」
「ええっとぉ。その……。ダーリンが小さい頃から、私はずっと憑いていたんだよね。瘴気のパワーが足りずに、実体化はできなかったけど。ダーリンがテイムしようとした魔物は、私の瘴気にビビって逃げて言った感じだね」
サリーナが恐る恐るそう言う。
「すると何か? 俺が伯爵家で無能扱いされてきたのは、サリーナのせいだと?」
「ま、まあそうなるね……。テヘッ」
サリーナが口から舌を出し、とぼけた顔をする。
「こ、この野郎……!」
俺はカッとなり、サリーナに掴みかかる。
しかしーー。
スカッ!
俺の手は虚空を掴む。
「あ、ごめんね。瘴気を結構使っちゃったから、実体化は解いておいたんだ」
サリーナがそう言う。
怨霊である彼女には、物理攻撃は通じないということか。
俺は一度、頭を冷やす。
「ま、まあいい。今回助けてくれたのは事実だしな……」
伯爵家を追放されなければそもそも今回のピンチもなかったわけだが、今は置いておこう。
「そ、そうだよ。未来のことを考えよう。幸い、あの宿屋の瘴気と、今回の黒毒草の瘴気のおかげで私もダーリンと話せるようになったことだし。これからいろいろとサポートするよ」
「そうか。冒険者として活動する上で、期待しておこう」
できれば実家に戻りたいところだが、さすがに厳しいか?
幽霊をテイムしましたと言って、すんなり信じてもらえるとも思えない。
「任せて! それに、もっと瘴気を集めれば、どんどん実体化レベルも上がっていくよ。生身の人間に限りなく近づけば、エッチなことだってできるかもね!」
サリーナがそう言う。
ふむ……。
なるほど……。
「ふっ。そんなことに興味はない。……だが、せっかくだしサリーナの実体化レベルは上げていくか」
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