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第7話 本物の愛
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九条課長に続いて、応接間に入った。
広々とした和室だ。ふと足元を見れば、一面に敷き詰められた畳は新品のように美しく、畳縁には格式高い家紋が織り込まれている。正面の壁には、見事な掛け軸がかけられていた。墨で書かれた力強い書は、見ているだけで圧倒されるような迫力がある。
そして、部屋の奥――。重厚な木製の机の向こうに、壮年の男性が静かに座っていた。
「父上、彼女が佐倉です。俺の妻になる女性です」
玲司課長が落ち着いた声で紹介する。その声には、職場と変わらぬ冷静さがあった。
「さ、佐倉詩織です。普段は九条課長――いえ、玲司さんの下で会社員として働いております。よろしくお願いします」
自分の声がわずかに震えたのがわかった。それでも、精一杯の礼儀を込めて、深く頭を下げる。
「……そうか。よく来たね、佐倉さん。私は九条真一郎。玲司の父であり、九条家の現当主だ」
思っていたよりも丁寧に応対され、私はさらに深くお辞儀をした。
でも――何か手応えがない。
無視されたわけじゃない。でも、まるで大きな壁に向かって話しかけているみたいだった。押しても押しても動かない、そんな圧倒的な存在感。
課長が主導して会話を進めていく。それは業務連絡のように簡潔で、無駄のないやりとりだった。
(……盛り上がっている、とは言えない)
もちろん、ここは家族団らんの場ではない。でも、もう少し柔らかい雰囲気になってもいいんじゃないだろうか。
和気あいあい、なんてものとは程遠い空気。九条親子が発する一つ一つの言葉が、重く、形式ばっていて――どこか、温度が感じられない。
私は無意識に、玲司課長の横顔を盗み見た。
彼はこの空気を、当たり前のものとして受け止めているようだった。まるで、最初からこういうものだと知っていたかのように。
この家で生まれ育った彼にとって、この静けさは普通のことなんだろうか?
「佐倉さん」
ふいに、真一郎氏の低い声が響いた。
「あなたは、本当に玲司と結婚する覚悟があるのかね?」
心臓が大きく跳ねた。
「――え?」
思わず聞き返してしまう。
問いの意味を理解した瞬間、背筋に冷たいものが走った。
「九条の人間になるということは、人の上に立つということにもなる。簡単なことではないよ」
九条真一郎氏の声は低く、まるで鋼のように揺るぎなかった。まっすぐな視線が私を捉え、逃がさない。その圧に押しつぶされそうになる。
ここにいるのは、玲司課長の「父」ではない。名門・九条家を統べる当主――九条真一郎という、一族の頂点に立つ人物だった。
「玲司、お前はどうなんだ?」
課長の名を呼ぶ声が、張り詰めた空気の中で響く。
私の視線が、隣に立つ玲司課長へ向かう。
彼はほんの一瞬だけ父親を見据え、それから何の迷いもなく口を開いた。
「彼女は、俺の妻になる女性です。それは揺るぎません」
ズン――と言葉の重みが、部屋の中に響き渡る。
彼の声には、一分の迷いもなかった。まるで、それが絶対の事実であるかのように。
その瞬間――真一郎氏は、ほんのわずかに目を細めた。
「……本当に、そうか?」
重たい沈黙が流れる。
私の背筋に、再び冷たい緊張が走った。真一郎氏の表情は微動だにしない。
――疑われている。
当たり前だ。この結婚は契約結婚なのだから。
でも、それを悟られてはいけない。
私は必死に表情を整えようとする。けれど、思考が追いつかないうちに、次の言葉が投げかけられた。
「……本当に愛し合っているのか疑わしいな。証拠を見せてもらおう」
「……え?」
まさかの言葉に、心臓が跳ねた。
「お前たちが本物の愛を持っていると証明できるか?」
重々しく放たれた言葉が、空気を一層張り詰めさせる。
私は思わず課長の方を見た。すると、彼は驚くほど冷静な表情のままだった。
微動だにせず、まるで最初から予測していたかのような静けさ。――彼はそのまま、クールに反発する。
「九条家を盛り立てていくために必要なことは、長男である俺が隙を見せないこと。そして、妻はそれを献身的に支えること。その二つを満たせれば、愛など不要でしょう」
玲司課長の淡々とした声が響いた。
「……ほう」
真一郎氏が薄く笑った。
男は仕事、女は家庭――。まるで時代錯誤な発言に聞こえるが、課長が本心からそう考えているとは思えなかった。
この場で彼が本当に言いたかったのは、最後の一言だろう。
――「愛など不要」
私も同意だ。契約結婚に愛なんて必要ない。そもそも、本物の愛の証明なんて、どうやったらできるというのか。私たちは恋愛関係ではなく、あくまで”契約”によって結ばれた夫婦なのだから。
「身元がしっかりしたお嬢さんが相手なら、確かに愛は不要だ。名家の生まれであれば、”妻”としての心構えが最初からできているからね」
低い声が空気を支配する。
真一郎氏は茶をひとすすりし、静かに続けた。
「だが、お前と佐倉嬢の場合は話が別だ」
空気が、再び重くなる。
「……どういう意味でしょうか?」
九条課長が僅かに眉をひそめる。
「お前は、九条家に相応しい良家との縁談を断ってまで、この女性を連れてきた」
心臓が、一瞬止まったような感覚に陥る。
良家との縁談。それを断ってまで、私を――?
胸の奥がざわめき、無意識に九条課長へ視線を向けた。
彼は静かに真一郎氏を見据えている。表情は変わらず、微動だにしない。まるで、この場の緊張を一身に受け止めることを覚悟しているかのようだった。
「彼女には酷なことを言うが、率直に言って九条家には釣り合わない。名家の生まれではなく、かと言って何かを成し遂げた実績があるわけでもない。今の会社でも、ただの平社員なのだろう?」
その言葉が突き刺さり、全身がこわばる。
「……っ」
息が詰まる。喉の奥が強張り、言葉が出ない。冷たい現実を突きつけられた気がした。
私は確かに、ただの平社員だ。誰もが認める九条課長のもとで働いているとはいえ、私自身に特別な肩書きがあるわけでもない。名門の家柄でもなく、社会的な影響力を持つ存在でもない。
そんな私が、九条家の"長男の妻"として選ばれる理由はどこにもない――。
「玲司、お前はなぜこの女性を選んだ?」
真一郎氏の鋭い問いかけに、室内の空気がさらに張り詰めた。
なぜ、私なのか――。
私自身が一番知りたい質問だった。
この結婚は契約だ。それは私も九条課長も、納得の上で決めたこと。けれど、その契約が本当に"表向きの理由"だけだったのか――。
私は、隣に座る九条課長を見る。
彼はゆっくりと口を開いた。
「……彼女を、必要だと感じたからです」
「……ほう」
静かに、しかし確信を持って放たれた言葉。まるで、それが揺るぎない事実であるかのように――。
九条真一郎氏は、そんな息子の様子をじっと見つめたまま、しばし沈黙した。
やがて、彼はゆっくりと顎に手を添え、表情を崩さぬまま静かに言う。
「その"必要"とやらが愛だ」
彼の声はほんの少しだけ愉快げだった。いや、気のせいか? 淡々とした口調の奥に、確かな確信が滲んでいるように思える。
「玲司、お前が佐倉さんを選んだ理由が本物ならば、そこに愛はある。ただ、それを私の前で証明してみせればいい。簡単な話だろう?」
張り詰めた静寂が部屋を支配する。
――愛。
この結婚に、そんなものは存在しない。契約結婚なのだから当然だ。
だが、真一郎氏はその事実を知らない。家格も才覚もない者が九条家に嫁入りするなら、せめて“本物の愛”は必要。そんな理屈を持っているのだろうか?
私は九条課長に視線を向けた。彼ならきっと反論するだろう。冷徹で合理的な彼が、こんな不条理な要求に従うはずがない。論理的に切り返し、淡々と論破するだろう。
そう――思っていたのに。
「わかりました」
まるで何の迷いもないように、その言葉は発せられた。
「……え?」
部屋の温度が、さらに数度下がった気がした。
思考が追いつかない。何を考えているのか、九条課長の表情からは一切読み取れない。
――「わかりました」って、いったい何をわかったのだろう? 言葉の意味は単純なはずなのに、底知れぬ重みがある。
胸の奥に、言いようのない緊張が広がる。心臓が高鳴っているように感じるのは、きっとそのせいだ。――そのはずだ。
次に何が起こるのか、予測がつかないまま、冷たい空気だけが静かに流れていた。
広々とした和室だ。ふと足元を見れば、一面に敷き詰められた畳は新品のように美しく、畳縁には格式高い家紋が織り込まれている。正面の壁には、見事な掛け軸がかけられていた。墨で書かれた力強い書は、見ているだけで圧倒されるような迫力がある。
そして、部屋の奥――。重厚な木製の机の向こうに、壮年の男性が静かに座っていた。
「父上、彼女が佐倉です。俺の妻になる女性です」
玲司課長が落ち着いた声で紹介する。その声には、職場と変わらぬ冷静さがあった。
「さ、佐倉詩織です。普段は九条課長――いえ、玲司さんの下で会社員として働いております。よろしくお願いします」
自分の声がわずかに震えたのがわかった。それでも、精一杯の礼儀を込めて、深く頭を下げる。
「……そうか。よく来たね、佐倉さん。私は九条真一郎。玲司の父であり、九条家の現当主だ」
思っていたよりも丁寧に応対され、私はさらに深くお辞儀をした。
でも――何か手応えがない。
無視されたわけじゃない。でも、まるで大きな壁に向かって話しかけているみたいだった。押しても押しても動かない、そんな圧倒的な存在感。
課長が主導して会話を進めていく。それは業務連絡のように簡潔で、無駄のないやりとりだった。
(……盛り上がっている、とは言えない)
もちろん、ここは家族団らんの場ではない。でも、もう少し柔らかい雰囲気になってもいいんじゃないだろうか。
和気あいあい、なんてものとは程遠い空気。九条親子が発する一つ一つの言葉が、重く、形式ばっていて――どこか、温度が感じられない。
私は無意識に、玲司課長の横顔を盗み見た。
彼はこの空気を、当たり前のものとして受け止めているようだった。まるで、最初からこういうものだと知っていたかのように。
この家で生まれ育った彼にとって、この静けさは普通のことなんだろうか?
「佐倉さん」
ふいに、真一郎氏の低い声が響いた。
「あなたは、本当に玲司と結婚する覚悟があるのかね?」
心臓が大きく跳ねた。
「――え?」
思わず聞き返してしまう。
問いの意味を理解した瞬間、背筋に冷たいものが走った。
「九条の人間になるということは、人の上に立つということにもなる。簡単なことではないよ」
九条真一郎氏の声は低く、まるで鋼のように揺るぎなかった。まっすぐな視線が私を捉え、逃がさない。その圧に押しつぶされそうになる。
ここにいるのは、玲司課長の「父」ではない。名門・九条家を統べる当主――九条真一郎という、一族の頂点に立つ人物だった。
「玲司、お前はどうなんだ?」
課長の名を呼ぶ声が、張り詰めた空気の中で響く。
私の視線が、隣に立つ玲司課長へ向かう。
彼はほんの一瞬だけ父親を見据え、それから何の迷いもなく口を開いた。
「彼女は、俺の妻になる女性です。それは揺るぎません」
ズン――と言葉の重みが、部屋の中に響き渡る。
彼の声には、一分の迷いもなかった。まるで、それが絶対の事実であるかのように。
その瞬間――真一郎氏は、ほんのわずかに目を細めた。
「……本当に、そうか?」
重たい沈黙が流れる。
私の背筋に、再び冷たい緊張が走った。真一郎氏の表情は微動だにしない。
――疑われている。
当たり前だ。この結婚は契約結婚なのだから。
でも、それを悟られてはいけない。
私は必死に表情を整えようとする。けれど、思考が追いつかないうちに、次の言葉が投げかけられた。
「……本当に愛し合っているのか疑わしいな。証拠を見せてもらおう」
「……え?」
まさかの言葉に、心臓が跳ねた。
「お前たちが本物の愛を持っていると証明できるか?」
重々しく放たれた言葉が、空気を一層張り詰めさせる。
私は思わず課長の方を見た。すると、彼は驚くほど冷静な表情のままだった。
微動だにせず、まるで最初から予測していたかのような静けさ。――彼はそのまま、クールに反発する。
「九条家を盛り立てていくために必要なことは、長男である俺が隙を見せないこと。そして、妻はそれを献身的に支えること。その二つを満たせれば、愛など不要でしょう」
玲司課長の淡々とした声が響いた。
「……ほう」
真一郎氏が薄く笑った。
男は仕事、女は家庭――。まるで時代錯誤な発言に聞こえるが、課長が本心からそう考えているとは思えなかった。
この場で彼が本当に言いたかったのは、最後の一言だろう。
――「愛など不要」
私も同意だ。契約結婚に愛なんて必要ない。そもそも、本物の愛の証明なんて、どうやったらできるというのか。私たちは恋愛関係ではなく、あくまで”契約”によって結ばれた夫婦なのだから。
「身元がしっかりしたお嬢さんが相手なら、確かに愛は不要だ。名家の生まれであれば、”妻”としての心構えが最初からできているからね」
低い声が空気を支配する。
真一郎氏は茶をひとすすりし、静かに続けた。
「だが、お前と佐倉嬢の場合は話が別だ」
空気が、再び重くなる。
「……どういう意味でしょうか?」
九条課長が僅かに眉をひそめる。
「お前は、九条家に相応しい良家との縁談を断ってまで、この女性を連れてきた」
心臓が、一瞬止まったような感覚に陥る。
良家との縁談。それを断ってまで、私を――?
胸の奥がざわめき、無意識に九条課長へ視線を向けた。
彼は静かに真一郎氏を見据えている。表情は変わらず、微動だにしない。まるで、この場の緊張を一身に受け止めることを覚悟しているかのようだった。
「彼女には酷なことを言うが、率直に言って九条家には釣り合わない。名家の生まれではなく、かと言って何かを成し遂げた実績があるわけでもない。今の会社でも、ただの平社員なのだろう?」
その言葉が突き刺さり、全身がこわばる。
「……っ」
息が詰まる。喉の奥が強張り、言葉が出ない。冷たい現実を突きつけられた気がした。
私は確かに、ただの平社員だ。誰もが認める九条課長のもとで働いているとはいえ、私自身に特別な肩書きがあるわけでもない。名門の家柄でもなく、社会的な影響力を持つ存在でもない。
そんな私が、九条家の"長男の妻"として選ばれる理由はどこにもない――。
「玲司、お前はなぜこの女性を選んだ?」
真一郎氏の鋭い問いかけに、室内の空気がさらに張り詰めた。
なぜ、私なのか――。
私自身が一番知りたい質問だった。
この結婚は契約だ。それは私も九条課長も、納得の上で決めたこと。けれど、その契約が本当に"表向きの理由"だけだったのか――。
私は、隣に座る九条課長を見る。
彼はゆっくりと口を開いた。
「……彼女を、必要だと感じたからです」
「……ほう」
静かに、しかし確信を持って放たれた言葉。まるで、それが揺るぎない事実であるかのように――。
九条真一郎氏は、そんな息子の様子をじっと見つめたまま、しばし沈黙した。
やがて、彼はゆっくりと顎に手を添え、表情を崩さぬまま静かに言う。
「その"必要"とやらが愛だ」
彼の声はほんの少しだけ愉快げだった。いや、気のせいか? 淡々とした口調の奥に、確かな確信が滲んでいるように思える。
「玲司、お前が佐倉さんを選んだ理由が本物ならば、そこに愛はある。ただ、それを私の前で証明してみせればいい。簡単な話だろう?」
張り詰めた静寂が部屋を支配する。
――愛。
この結婚に、そんなものは存在しない。契約結婚なのだから当然だ。
だが、真一郎氏はその事実を知らない。家格も才覚もない者が九条家に嫁入りするなら、せめて“本物の愛”は必要。そんな理屈を持っているのだろうか?
私は九条課長に視線を向けた。彼ならきっと反論するだろう。冷徹で合理的な彼が、こんな不条理な要求に従うはずがない。論理的に切り返し、淡々と論破するだろう。
そう――思っていたのに。
「わかりました」
まるで何の迷いもないように、その言葉は発せられた。
「……え?」
部屋の温度が、さらに数度下がった気がした。
思考が追いつかない。何を考えているのか、九条課長の表情からは一切読み取れない。
――「わかりました」って、いったい何をわかったのだろう? 言葉の意味は単純なはずなのに、底知れぬ重みがある。
胸の奥に、言いようのない緊張が広がる。心臓が高鳴っているように感じるのは、きっとそのせいだ。――そのはずだ。
次に何が起こるのか、予測がつかないまま、冷たい空気だけが静かに流れていた。
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