戦争に行った幼馴染に恋する孤児の少女は、娼婦として育てられる。

‪α‬缶

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第三章 娼婦になるために

11 モリガン様とモーリアン辺境伯 *

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 朝、モリガン様の部屋で目を覚ますと、ぐしゃぐしゃのシーツの上で、何も纏わぬ姿で、モリガン様に抱きしめられる形で眠っていたようだった。すやすやと眠るモリガン様は喜びに満ち溢れている。私を抱きしめてイかせることがそんなに楽しいのだろうか。

 モリガン様はもっと神聖な存在だと思っていた。しかし現実は性に旺盛な女の人だ。不思議な力を持っているものの、私に接する彼女はそのように思える。あまりに心地よさそうに眠っているので起こしてしまうのも申し訳なく、しばらくそのままじーっと天井を見つめていた。

 すると、ガチャッと鍵の開く音がして、男の人が部屋に入ってきた。

「おはようございます、モリガン様。朝です。」

 モーリアン辺境伯だ。辺境伯は抱きしめられた私を見て、

「モリガン様に随分と気に入られたようだな。」

と眉間に皺を寄せて言った。そしてモリガン様の身体を起こすと、ガウンを着せてお姫様抱っこする。

「俺はモリガン様を清めてくる。お前もシャワーを浴びてこい。」

 辺境伯はそういうと、鍵を開けっぱなしにして部屋から出ていってしまった。

 ――あの人、ぶっきらぼうだけど、モリガン様のことが大好きなのね。

 私を見た時の少しの嫉妬と、モリガン様の寝顔を見た時の愛おしさから、モリガン様に特別な感情を抱いていることが分かる。顔には全然出さないのに…。

*

 その後もモリガン様と夜を過ごす日はしばらく続き、私の身体はどんどん気持ちいい事を覚えるようになった。日に日に絆されていき、性に対する怖さや恐れがなくなってきたのだ。

 そんなある日、モリガン様は私に言った。

「そろそろ実際の男の人に慣れ始めた方がいいかもね。」

 ――男の人…?左京以外の?

 私の反応を見て、モリガン様は私の心を読んだのか、

「ふふふ、あなたは仕事で男の人に抱かれるのよ。怯える必要は無いわ。」

と言って、よしよしと頭を撫でてくれた。しばらく経つと、部屋に辺境伯がやってきた。

「あなたにアースを紹介するわ。」

 アースと呼ばれた辺境伯は、何も知らない様子で、今日も私に軽い嫉妬心を向けた後、何かを諦めたような、残念そうな気持ちを抱え、モリガン様を見つめる。

「お呼びでしょうか。」

 アースと呼ばれた男は、低くて男らしい声でそう言った。この男は本当はモリガン様を抱きたくてこの部屋に来たのだろう。

「この子がうさこよ。人の気持ちが分かる能力を持っているから、変な人に頼めなくてね。」

 私は男の人に軽くお辞儀する。

 この男の身長は180cmはあるだろう。テディと同じくらいに見える。あの男もこれくらいの身長だったな。そんなことを考えながら辺境伯を見る。

「じゃあ、私は休むわ。アース、部屋に連れて行ってあげて。」

 モリガン様はニコニコしながらそういうと、辺境伯はやれやれといった様子で、私を抱きかかえた。

「あの…」

「アースというのは俺の愛称だ。俺の名前がオースティンだからな。まあお前も気楽にアースと呼ぶといい。」

 オースティン・モーリアン辺境伯。身長185cm、黄土色の髪に深い青紫色の瞳。

 モリガン様に恋心を抱いているが、驚くことにモリガン様もアース様のことを好いている。モリガン様の気持ちが恋心なのかは正直分からない。しかしモリガン様がアース様を見つめている時の感情が特別なものであることは分かる。形は違えど、2人は恋が成熟しているのだ。

 その上でモリガン様はアース様に私を開発するよう頼んだ。複雑な気持ちになるのは仕方ない。

 部屋に来ると、少し広めの、でも家具は必要最低限しかない部屋にたどり着いた。しかしベッドは普通のベッドより大きい。ダブルなのだろうか。

「とりあえず今日は何もしない。一緒に寝るだけだ。これから授業が終わったら俺の部屋に来い。」

 アース様はそう言ってベッドに横たわった。

*

 授業が終わるとお風呂に入って、アース様の部屋に向かう。アース様は私を膝の上に乗せて、寝間着の上から私の胸を触った。

 アース様はびっくりするくらい無感情だった。おそらく私に興味が無いのだろう。勃つ気配すらない。でも私のことは嫌いじゃないようだ。悪意や興奮もないため、逆に私を安心させた。

 アース様の手の動きは優しく、私の胸の先端を擦った。私は上の下着をつけていないため、ぷっくりと膨らんだ胸の突起は寝間着の上からでも分かってしまう。

「あっ…アース様……」

「声、出したかったら出してもいい。あまり我慢するな。」

 そう言われても、恥ずかしくて堪えてしまう。
 モリガン様とは違って男らしいゴツゴツとした指が、丁寧に私の胸を揺らしている。

「んー…、モリガン様に少しは開発はされてるみたいだな。」

 私の反応を見て彼はそんな事を言っているが、興奮している様子はない。私の下にあるアース様のモノも全く反応していない。

「ん………っ」

「ここ、リンパがや神経が多い部分だから、気持ちいいだろう。」

 横胸をゆっくりとさすられると、気持ちよくなってきてしまい、思わず声が漏れてしまう。そのまま時間をかけて円をかくように胸を揉みしだく。

「あっ……あっ………」

 私が高まってきたことを確認すると、アース様は乳輪を優しく撫で始める。それなのに、ぷっくりと膨らんだソコはなかなか触って貰えない。触って欲しいけど、強請りたくない…。

 そのまましばらく経って、私の様子を見ながら触れるか触れないかくらいのフェザータッチで、胸の突起を刺激する。

「やぁ……はぁ………んん………」

 声が抑えられなくなってくると、指が胸の突起に触れて、やさしく捻る。ずっと欲しかった刺激が与えられ、私は腰を動かして身体を痙攣させる。

 ――胸だけでイッてしまった…。

 モリガン様との時も、胸でイく時はあった。でもモリガン様の場合、彼女の甘い独特なフェロモンに興奮している状態であり、もともとイキやすい状態での出来事だった。

 しかし今回は違う。アース様からそのようなものは感じない。しかも、モリガン様のように私の反応に喜びや嬉しさなども感じず、無感情である。もしかしたら行為中、別の事を考えているのかもしれないとすら思う。そんな中でもイかされてしまった。純粋なテクニックで、胸だけで感じさせられたのだ。

 まるで人形に抱かれているかのような行為。でも、ぐったりと顔をアース様の胸に沈めると、服越しにおだやかな心音が聞こえてくる。

 全く私を意識していない。至って平常。

「はぁ………はぁ………」

 ぐったりとして身体全体で息をしていると、アース様は言った。

「胸だけだ。まだできるよな。」

 そのあともしばらく優しい手つきで胸を触られ続け、下着を濡らしながらアース様の腕の中で朦朧とする意識と戦い続けた。

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