眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

ヒナキの店

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 不思議な道具が並んだ店は、『クルーラ』の村長であるヒナキさんの店だ。
 入り口から部家の奥まで、机の上に色々なモノがおかれていて、壁面の棚にも、いろんなモノや本や紙の束が所狭しと押し込められている。
 いろんな形が有るが、何にどう使うのか見当も付かない…。

 店の中に入って「ココが一つ目の部屋」だと説明を受け、奥の扉を指差し「あっちが二つ目の部屋だから近付かない事」と言われた。
 商品の並んだ店側は自由に出入りしても良いが、奥の個人の部屋が有る場所には近付かないと言うことらしい。
 時間の歪みがどんなものか分からないが、怖いので近寄らないようにしよう…。

 ココには、村で店を構えて販売するほど商品が無い者達の商品や、自分の店では販売出来ない、遊びで作った作品などが置いてあるらしく、区別はされているが統一性は無い。
 商品それぞれに、商品の使い方の説明書きが付いているので、ヒナキさんは道具について説明する必要がほとんどないそうだ。
 詳しいことは制作者が分かっているので、仲介のような役割をしているのだと言う…。
 僕は簡単に店の説明を受け、二人が店の中の右奥に有る、シンプルなソファーとテーブルが置かれた一角に向かったので、僕も追いかけて行った。 
  
 ソファーに座り、ヒナキさんが近くの本棚から一冊本を取り出し、僕の方に差し出した。
「この文字、読める?」
 僕は差し出された本を見る。
 見たことの無い文字だけど、何故か読める。
「…初級魔法」
「やっぱり読めるね」
 ヒナキさんは微笑んだ。
「午前中はこの店に通って来て、一般常識を勉強して、午後からは初級魔法の練習。まずはそこからかな…」
「…初級魔法…って何?」
 僕がそう言うと、ヒナキさんとリーンさんが顔を見合わせ僕を見た。
「こう言うものだよ」
 リーンさんがそう言って、手のひらの中に風を渦巻かせた。
 あれは僕が森の中で寝転がり、伸ばした手の回りに渦巻いていた暖かな風…。
「僕にも出きるの?」
「練習次第だね。どの属性が適しているか、ためしながら覚えていこうね」
 僕はコクりと頷いた。
「僕だって最初は使えなかったけど、初級程度なら使えるようになったからな」
 そう言ってヒナキさんが微笑む。
 僕も頑張ってみよう…。


「まずは、オルガの身の回りのモノを買いに行こうか」
 そうリーンさんが言って、僕に微笑んだ。
「まずは着替え。ラビのミュシャの所へ行って、何枚か見繕わなくてはいけないね」
「それなら、ミュシャに『白の館』が空いていないか聞いてみたら?」
「ああ、そうだね。他の所より、過ごしやすいかも」
 僕が二人の話の内容に付いていけなくて、首を傾げると、二人は苦笑いして説明してくれた。
 ラビは布地や服を販売しているお店で、店を仕切っているのがミュシャさんと言い、彼女達が暮らしている場所が『白の館』だそうだ。
 『クルーラ』には三つの館が有り、『赤の館』は主に体格の良い熊族、『青の館』には主に警備をしている狼族や豹族、『白の館』には小柄な兎族、犬族、人族などが暮らしている。
 主に食生活が違うので、分けられたのだとか…。
 ずっと宿屋に居るわけにはいかないので、僕が『クルーラ』で暮らす事になる『白の館』が空いているのか確認と、部屋の準備を頼む為だ。
 だが、ソレより気になるのが…。
「…熊族、狼族…?」
 僕は首を傾げた。
 熊や狼が一緒に暮らしている?
 僕の知識の中に有るのは、動物の姿の熊や狼…。
「「…ああっ…」」
 二人は顔を見合せ僕の方を向いた。
「…獣人族って分かる?」
 僕は首を左右に振った。
 獣人族…?
 獣の人…?
「さっき村を歩いている時に、すれ違ってるんだけどな…」
 気が付いていない…。
 何人かとすれ違ったけれど、物珍しい店ばかりをキョロキョロと見ていたからだ。
「見てもらった方が早いな。午後からは、出歩く人も少ないし、店に入った方が良いだろう」
「そうだね。ちょっと行ってくるよ」
 リーンさんは立ち上がって、茫然と成り行きを見ていた僕に手招きする。
「おいで。一緒に買い物をしよう」
 僕は頷き立ち上がり、リーンさんの後に付いて行って、ヒナキさんの店を出た。



 
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