眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

『コップ』の注文 2

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 折り魔紙マシで作った水魔法の『コップ』がたくさん欲しいと言う注文が入り、どうするかを相談する事になった。


 相談の場所は、ヒナキさんの店の横の、魔力紙マリョクシを保管している小屋の中。
 折り魔紙マシの話は、外から来る人には、あまり聞かせたくないしね…。

 リーンさんは、野外医療の事を知っていて、そういう使い方なら、多い方が良いと言う。
 調査隊は中心部から離れていて、怪我をしても簡単な処置しか出来ず、知らず知らずの内に、怪我を悪化させてしまうことが有るそうだ。
 物資も最小限しか持って行ってない場合も有り、『コップ』の消毒水で傷口を洗い、傷の治りが早くなるのなら、備品の一つとして、持たせておくのは賛成だそうだ。
 とは言え、取り扱いが分かっていなければ、ただの魔力紙マリョクシだ。
 乱暴に扱い、破れたり、変な折り目が付いてしまえば、『コップ』として機能しなくなる。
 …繊細なモノなのだ。
「取り扱いの説明書を書く?」
 『コバコ』の時には説明書を書いていた。
 アレは色々と注意事項が有ったので、書いたものを一緒に渡していたのだ。
「そこなんだよな…」
 唸るようにヒナキさんが首を傾げる。
 連絡してきたのは、獣人の街『グオルク』に有る、リマ商会。
 定期的に『クルーラ』にやって来て、商談をして商品を納めている。
 今回の折り魔紙マシに関しては、お試しには協力してもらったが、量産出来ないため、決めた数量分しか納めてはいない。
 だが、直接『クルーラ』に来ることが出来るだけの魔力を持ち、『クルーラ』で購入している者も達もいるので、そこから話が伝わった可能性もある。
 直接購入する者には、取り扱いを説明しているが、開拓地などに配るとなると、説明が正しく伝わりにくいのもある。
「多く出荷する分には問題はない?」
「うん。大丈夫」
 オルガは微笑んでそう答えた。
 最近は、午前中、小屋の方で『コバコ』の状態を確認してから、小屋の方で魔紙マシを折っていた。
 植物園の人は、今、忙しいらしく、定期確認をすると、本来の仕事場に戻って行くので、一人で魔紙マシを折っていたのだ。
 とは言え、持ち運び用の入れ物に入る大きさのモノばかりだけど…。
 でも、たくさん欲しいなら…。
「…たくさん必要なら、持ち運び用の入れ物に入れなくても良いよね?」
「そうだな…。十個か、二十個単位で箱にでも入れるか…」
 思ったら、直ぐ行動…。
 オルガはソファーから立ち上がり、作り置き用の箱から、基本の大きさで作った『コップ』を一つ取り出し、後ろの倉庫の扉を開ける。
 そしてその『コップ』が入る大きさの箱を実際に入れてみて探す。
 十個か、二十個入る大きさ…。
 積み重ねるよりは、並べて入る方が良いよね…。
 残りがいくつ有るか直ぐに分かるし…。
 オルガは『コップ』が余裕で入る蓋付きの、正方形の箱を取り出す。
 そして部屋に戻り、箱の中に、予備の『コップ』が何個入るか入れてみた。
 うん。
 余裕で二十個入る…。
 詰めすぎず、ほんの少し余裕があるくらい。
 コレくらいが、取り出ししやすいだろう…。
 それをテーブルの上に置いてみんなに見せる。
「二十個入った。こんな感じでどう…?」
「ああ、良いね」
「まとめ売りの場合は、この形でいこう」
「でも箱は、水の模様の方が良いよな…」
 テリヤが箱を眺めて言う。
 『コップ』を入れる、大きさだけで見たから、この箱は土の模様…。
「…木工所、もっと忙しくなるね…」
 オルガの言葉に四人が頷いて、苦笑いした。

 折り魔紙マシの入れ物を作りはじめて、テリヤさんが、熊族の町から応援を呼んだと聞いている。
 とは言え、魔素の濃い『クルーラ』だ。
 魔素が身体が合わないと、体調を崩したり、頭痛を起こすらしい…。
 なので四日に一度の定期便で『クルーラ』に来て、その日は身体に魔素を慣らす。
 そして体調が悪くなければ、翌日から三日間木工所で働いて、次の定期便で熊族の町に帰る。
 そうやって交代で来てもらっているそうだ。
 なので『赤の館』は、空き部屋が無く、これ以上来てもらうのは無理のようだ。
 
「ソレ以外にも問題が有ってな…」
 テリヤさんは苦笑いして、アレクさんと顔を見合わせた。


 
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