眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

調査隊A 2 『コップ』『木』限定の鞄

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 『クルーラ』で小屋の点検を終えた俺は、仲間と共に次の調査地へ向かった。

 俺達の今回の調査は、村に流れる水かさが、急激に激減した原因を突き止める事だ。
 村で話を聞き、川沿いを上流に向かって歩く。
 川を覗けば、草と石壁の境目がくっきりと残り、今までの水量の後を残している。
 なので、水の流れは今までの半分以下。
 この水源を頼りに生活している村にとっては、危機的状況だ。
 上流で何かで塞き止められているか、水の流れが変わったか…。
 予想はそんなところ…。
 野営のほとんどの荷物は俺の『木』限定の鞄の中に入っているので、身軽に崖を登り、所々迂回しながら、水源に向かって歩いていく…。
 半日、歩いたが、水源はもっと上流のようだ。
 今夜は森に泊まるため、川から少し離れた場所に、小屋を出せる平坦な場所を探して歩き、少し登った場所に開けた場所を見つけ、小屋を出した。
 小屋の前で火をお越し、小屋から荷物を取り出して野営の準備をしていると、仲間が声をかけてきた。
「雲行きが怪しい。雨が降るかも知れないから、あまり荷物を外に置かない方が良いかも…」
 風魔法と水魔法を使う彼が言うのなら、確実に雨は降る。
 夕食の準備を外でしながら、直ぐに小屋に避難できるように、出来上がった食事は小屋の中に運んでいった。

 雨が振りだした。
 それも嵐のように叩き付けるような雨風だ。
 この小屋は、風で飛ばされないよな…。
 少し不安がよぎる。
 一応、『クルーラ』では、雨風対策の魔法は掛けてあると言われていたが、大丈夫だよな…。

 
 小屋の中で仲間達と夕食を食べ、交代で眠ることにした。
 朝までに雨風が止む事を願いながら…。
 が、不意に、小屋の入り口の扉を叩く音がして、俺達は警戒しながら扉を少し開けた。
 そこには、ずぶ濡れになって、ぐったりとした人を担いでいる男がいた。
 男は突風に足元を取られて、ぬかるみにはまり、低い崖下に滑り落ちたのだと言う。
 俺は仲間達と顔を見合せ、小屋の中に入れた。
 さすがにこの状態で、放り出すような非道なことはしたくは無い。
 小屋の入り口付近で、担がれていた男を座らせ、ずぶ濡れの服をぬいでもらって、毛布を差し出した。
 担がれていた男は、滑り落ちたとき、左側を負傷して、切り傷と左足を多分骨折していた。
 椅子に座らせ、足には添え木をして固定し、傷口を水魔法で出した水で洗い流し、新しい布で止血した。
 ホッと一息付いて、彼らに暖かいスープを渡すと、とても感謝された。
 彼らは依頼の有った村の村人で、俺達調査隊が派遣される前に、独自で調べに森に入ったそうだ。
 道に迷い、崖下に落ちて、なんとか這い上がって来たら、雨風に襲われて、どうしようかと思っていたら、小屋が見えたのでココへ来たのだと言う。
 こんなところに小屋が有るとは思わなかった。と…。
 そうだろう…。
 これは移動用の小屋だからな…。

 翌日、雨が上がり、外の状態を確認して、外で朝食の準備を始めた。
 地面は多少、ぬかるんでいたが、場所をしっかりと選んでいたので被害はない。
 明るい日差しの中、昨日の怪我した男の傷口を確認し、どうしようか少し迷ったが、仲間と話し合って、怪我を治す事にした。
 彼らが直ぐに山を降りるにしても、この怪我のままでは、傷口が悪化するかもしれないからだ。
 俺は光魔法、治療の魔法が使える。
 大きな怪我は治せないが、コレくらいの傷口ならば、治せるだろう。
 ただ、足の骨折までは治せない…。
 ふと思い立って、『クルーラ』で買ってきた『コップ』を取り出した。
 コレって、魔力を込めれば水が涌き出る水属性だ。
 ならば、コレに光魔法の魔力を加えれば、何の水が涌き出る?
 好奇心に刈られて、『コップ』に光の魔力を注いだ。
「…。」
 水が、光ってるよな…。
 俺は試しに、昨日、木の枝で引っ掻けて、赤く晴れ上がった手の甲に、『コップ』の水をポタリと落とした。
「…。」
 腫れが引き、何も無かったかのように、もとの状態に戻っている…。
 強力では無いが、治癒の水になっている…。
 俺は怪我をした男に『コップ』の説明をして、まずは擦りむき赤く血の滲んだ左手の甲に『コップ』の水を垂らした。
「ツッ!!」
 痛みに声を上げたが、擦りむいた傷は、ふさがり、赤く後を残すだけになった。
 これは俺の治療魔法で治せるのと同じくらいだ。
 怪我をした男と俺は顔を見合せ、俺は直ぐに仲間を呼んだ。
 この状況を一緒に見てもらいたかったからだ。
 彼の傷は『コップ』の水で、ほとんどふさがった。
 やっぱり骨折は、少し痛みを取るだけで、治りはしなかった。

 この事は、『コップ』が発売されたばかりだから、『クルーラ』も把握していないだろう。
 今後の事も有るし、『クルーラ』に伝えた方が良いと言う仲間の意見に俺は頷き、今回の調査が終わったら、リマ商会を通じて伝えてもらうようにしようと思った。


 村の水の激減の原因は、水源近くでの土砂崩れによる川の塞き止め、大岩が川を塞いでいた。
 俺達、調査隊では、どうにも出来ないので、村に戻り状況を説明して、依頼主の『グオルク』役所へ報告に訪れた。
 後日、大岩と土砂を撤去するために専門家を派遣すると言う…。

 俺達の仕事は終わり、報酬をもらうと、隣のリマ商会へと訪れ、『コップ』の事を伝えた。
 俺は『クルーラ』の購入登録をしてあるので、情報料として、小金をもらった。
 そうか。
 実際に使って、『クルーラ』にとって有益な事を伝えれば、報酬までもらえるんだ…。
 まあ、その報酬は、小屋の定期点検代に消えていくけどな…。

 
☆☆☆☆☆

『コップ』を使った人の話を書きたくて書いていたら、『木』限定の鞄の話も追加になって、長くなってしまいました。
 次は、『クルーラ』に戻ります。
 
 
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