眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

雑貨屋『ベル』の製作所 3

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「エバンが作っている間に、魔素石の加工場の見学でもするか?」 
 ヒナキさんが、僕にそう聞いてくる。
「見たい!」
 魔素石って、ブレスレットとかペンダントに、したりしてる綺麗な石の事だよね。
 どうやって、綺麗に表面をツルツルにしているのか見てみたい!
「おいで」
 そう言ってヒナキさんが椅子から立ち上がり、作業している人達を横目に奥の扉、入ってきた入り口から右側に有る扉の方に向かって行ったので、僕は慌てて付いていった。

 作業場にいる大きなテーブルの周りで作業している『白の館』の人達が、移動する僕達の方をチラチラと見ている。
 …気になるよね。
 いつも居ない僕達がウロウロしていると…。
 でも…僕達と言うより、僕達の後を付いてくる、シュウベルさんを見ている?
 『白の館』の人達とは顔見知りなので、もしかして、あまり接点のない『青の館』のシュウベルさんの事が気になってしたかないのかも…。
 僕は気にしないで良いか。

 ヒナキさんの後に付いていって、奥の扉を出ると、そこには廊下が有り、向こう側に扉が三個、部屋が三部屋有った。
 こちら側の壁にももうひとつ扉が有って、アレは階段を上がって右側に有った扉なのだと思う。
 正面の部屋の扉の横に窓があって、ソコから中の作業が見えるようになっていた。
 ヒナキさんに手招きされて、窓を除くと、部屋の中に二人た。
 そして、空中に浮かぶ濁った水?の中に石が入っていてグルグルと回っていた。
「あれって、どうなってるの?」
 ヒナキさんに聞くと、水と細かい砂を使って、風魔法で回転させ、表面を綺麗に研磨しているのだと教えてくれた。
 中の石の状態を見ながら回転させ、デコボコを取り除くのだとか…。
 ヒナキさんが部屋の中に有る机を指差す。
「右側に有るのが、研磨する前。向こうの机に置いてあるのが、研磨が終わったモノ」
 見れば、右側に有るのはどこにでも有るような石。
 河原に有るような丸みを帯びた石だ。
 でも、奥の机に有る石は、艶が有り、ツルツルして見える…。
 凄いな…。
 
 次の部屋は、紐に色を付けている部屋。
 さっきより少し大きい、空中に色の付いた水?が浮かんでいて、その中に紐が入っていて、グルグルと回っているのが見える。
 よく見ると、一緒に何か細かいモノが回っている…。
 なんだろう、アレは?
 気になってヒナキさんに聞くと、『ピユリー』と言う花の花びらなのだと教えてくれた。
 紐は、『グオルク』から色の付いていないモノを仕入れて、『森の聖域』に咲く、『ピユリー』と言う花の花びらを使って紐を染めているのだそうだ。
 『ピユリー』花は魔素の濃い『聖域』で咲いているため、その花自体にも多くの魔素を含んでいて、魔石との相性も良く、色数が多いため、いろいろな用途に使っているのだとか。
 そうなんだ…。
 魔石や魔素石に馴染むから、ブレスレットやペンダントの紐に使っているんだ。
 部屋をよく見ると、部屋の壁の方には、いろんな色の束になった長い紐がたくさんぶら下がっている…。
 あの束になった紐を丸く巻いて、作業場の方に置いてあったんだな…。

 次の部屋は、うん?
 何をしているのだろう?
 オルガは首を傾げた。
 部屋の真ん中のテーブルの上に砂?を置いて、二人でソレを凝視している…。
「アレは何をしているの?」
 何をしているのか分からなくて、ヒナキさんに聞くと、金属が含まれた岩石を、土魔法で砕いて砂にして、余分な素材を『分離』して、金属の金具として使える部分だけを塊として『抽出』しているのだとか…。
 えっと…意味がよく分からない…。
 あの砂から、金属になる分だけを分けている?
 首を傾げると、ヒナキさんが部屋の中を指差した。
「足元見えるか?岩石が箱に入っているだろ」
 確かに木の箱の中に、いろんな大きさの岩石が、無造作に詰め込まれている。
「アレを、左の棚に置いてある、金属の塊にする」
 左側に有る壁一面の棚の真ん中くらいから下の方には、確かに鈍い金属の色をした、長方形の棒状になった塊が積まれている。
「今度はアレを、必要な金具に加工する。…そうだな、扉の開閉に使っている金具もコレを使っている」
 僕は思わず扉の開閉金具を見た。
 それも、同じ形は魔法で量産できるから、棚の上に有る箱の中に、在庫して保管して有るそうだ。
 そんな話を聞いている内に、砂だったモノが金属の塊になっていた。
 …魔法って凄い…。

 
 この加工をしている三部屋を見て、この建物の警戒が厳重な意味がわかった気がする。
 魔石や魔素石は、『クルーラ』では簡単に手に入るが、他ではそんなわけにはいかない。
 魔素を多く含んだ『ピユリー』の紐は、『クルーラ』独特のモノ…。
 岩石を金属に変えて、金具を作る…。
 本で読んだ金属の金具の作り方とは、全く違う作り方。
 こんな風にしても、金具を作れるんだ…。
 コレって、『クルーラ』だからなのかな…。
 

「出来たぞ」
 加工場を見学していた僕達に、エバンさんが声を掛けてきた。
 僕達はソレを受け取って、後で闇属性の魔石を持ってくると言って、雑貨屋『ベル』の製作所から外に出た。



 オルガは、雑貨屋『ベル』の建物の外に出て、ふと、違和感を感じて建物の方を見上げる。
「…。」
 オルガは目を見張り、思わず足を止めた。
 えっと…建物…一階建てなんだけど!
 確か、あの辺に階段が有って、お手洗いが角に有って…。
 ココから見ると、階段を上がった先は、屋根裏部屋…。
 屋根裏部屋…だよね…。
 ソレに、二階の部屋は目に見えている建物の大きさよりも、横幅がもっと広かった…と、思う…。
 …そう。
 右側に有った廊下と三部屋の加工場の分くらい、大きいよね…。
「どうした?」
 急に足を止めた僕に、シュウベルさんが声を掛けてくる。
「…建物より、部屋が大きい…」
 戸惑いがな聞くと、シュウベルさんが苦笑いして答えてくれた。
「ああ。空間魔法、確か空間拡張魔法だったかな…。ソレを使って二階を作って有るからな…」
 空間拡張魔法…。
 そう言えばこの建物は、ヒナキさんが当時の技術の魔道具と魔法を駆使して作ったって言ってたもんな…。
 まだ僕が見てない、いろんな魔法が有るんだろうな…。
 僕はもう一度、建物の方を見る。
 うん。
 一階建てにしか見えない。

「オルガ、どうした?」
 少し先を歩くヒナキさんが、足を止めた僕に気がついて、振り向く。
「なんでもない!」
 僕が足早にヒナキさんの方に向かって歩きだした。




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