140字のラブコメ小劇場

醍醐兎乙

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『去年は「勇者パーティーを殲滅する転生魔王」』/『オタクくんおはようでしゅ』/『いや、歩いて帰る』/『ナンパ文句』/『絶対勝ちたい佐藤くん』

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 彼女と交際を始めてもうすぐ5年。

「交際5周年記念、楽しみにしてるね」
「……任せて」

 イベント好きの彼女を満足させる内容を考えないと。

 記念日当日。
 彼女を会場に招待し、小道具を見せ、用意したイベントから好きなものを選んでもらった。

「去年は『魔王』だったから、今年は『悪役令嬢』にする!」


140字小説『去年は「勇者パーティーを殲滅する転生魔王」、今年は「婚約破棄悪役令嬢ざまあ返し」』


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 最近やたらと僕に話しかけてくるギャルがいる。

「オタクくんはどんな語尾が好きなん?」
「語尾?」
「『~なん』とか『~じゃん』とか『~のに』とか色々あるじゃん」
「……考えたことないな」
「つまんなーい。オタクくんなら変なこだわり持ってると思ったのに」
「…………強いて言うなら『~でしゅ』」


140字小説『あ~オタクくんおはようでしゅ~』


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 会社の窓ガラス越しに、花火の咲く音が聞こえてくる。

「花火大会……始まりましたね」
「それまでには帰りたかった」

 不自然な残業量のせいで、気づけばこのざまだ。

「電車混雑してるだろうな」
「……会社の屋上から、打ち上げ花火がよく見えるらしいですよ」
「そうだぞ」
「…………一緒に見ませんか?」


140字小説『いや、歩いて帰る』


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『ガラケー愛用レトロ女子に突き刺さったナンパ文句』


街で声をかけた女性に「今どきナンパで電話番号は聞かない」と笑われた。
今はsnsやメッセージアプリでのやり取りが主流らしい。

そんなナンパ話を蒸し返してくる会社の後輩ちゃん。

「先輩の価値観、平成中期なんですよ」

納得がいかず言い返す。

「でもきみは教えてくれただろ」
「私は趣味が悪いので」


140字小説『ガラケー愛用レトロ女子に突き刺さったナンパ文句』


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 絶対に勝つ。

「八十島さんおはよう」
「八十島じゃないけどおはよう田中」
「田中じゃねぇ。遅刻するぞ五十鈴さん」
「五十鈴でもないけど走るよ山本」
「山本でもねぇ。九十九さんは課題した?」
「九十九ってだーれ? 課題は写させてよ鈴木」
「鈴木って誰だよ」

 絶対先に俺の苗字を呼ばせてみせるからな。


140字小説『絶対勝ちたい佐藤くんVS毎日楽しい五十嵐さん』


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