140字のラブコメ小劇場

醍醐兎乙

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『乙女の身支度>幼馴染のお願い』/『てるてる坊主』/『進行兼助手兼犯人の供述』/『元は背中に掛かるくらいロング』/『生真面目な対話記録』

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「3連休初日に部屋の冷房が壊れるとか、最悪だ」

 猛暑が続く今の時期にこの扱いはひどい。

「最悪なのはこっちだし」

 メイクをバッチリ決めた幼馴染がようやく出てきた。

「朝っぱらから乙女の部屋に上がり込もうとか……バカなの?」

 メイク完了までの2時間、正座玄関待機を命じたこの乙女が頼みの綱だ。


140字小説『乙女の身支度>幼馴染のお願い』


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 彼から『週末デートのしおり』というpdfファイルが送られてきた。

「まじめだねー」

 でも、そこが彼の良いところだと思う。

「ありゃ、10分単位で予定が決められてるや」

 やっぱりちょっと神経質かも。

「……『雨天中止で、おうちデートに変更(両親不在)』」

 週末の降水確率を調べてみる。

『70%』


140字小説『てるてる坊主を逆さに吊るして』


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 昨日、推しが主演の刑事ドラマを彼女と見ていたとき、迂闊なことを言ってしまった。

「名推理と動かぬ証拠で犯人を追い詰めるって、やってみたいよな」

 そして今日。
 俺の部屋に飾っていた推しグッズが、1つ残らず消えていた。

「犯人は誰なんだろう? きっと証拠を残しているよ!」

 彼女はやる気満々だ。


140字小説『進行兼助手兼犯人の供述「あなたの推しになりたくて……つい」』


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「どこが変わったでしょう?」

 夏服を着てさっぱりとした幼馴染がくるりと廻る。
 遠心力で膨らんだ薄いスカートが涼しげで危うい。

「そこまで変われば気づくよ」
「じゃあ答え合わせしてあげるー」
「スカートが短くなって、足が長くなって、太ももがきれいになったんだろ」
「……髪型ボブにしたんだよー」


140字小説『元は背中に掛かるくらいロングだったよー』


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 僕は浮気を疑われるのが嫌いだ。
 やましいことをする気はないし、異性との関わりはすべて彼女に報告できる。

「昨日は朝から女性と出かけて夜まで楽しく遊んだ。帰宅後は女性と数十回メッセージのやり取りを楽しんだ。どちらも同じ女性ですごく楽しい休日だった」
「知ってる。昨日のデート楽しかったね」


140字小説『生真面目な対話記録』


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