140字のラブコメ小劇場

醍醐兎乙

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『代打の代打』/『間合いを詰めてくる運命』/『お題「自分に片思いをしてる人」』/『「一緒に来たけど」』/『ようやくの帰宅』

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「俺が彼氏役でいいのか?」

 同じ部活の女子に呼び出され、彼氏役を頼まれた。

「友達に彼氏がいるって言っちゃって」
「ベタだな」
「最初に彼氏役を頼んだお兄ちゃんは昨日から風邪で寝込んでて」
「彼氏役の代打か」
「次に頼んだ弟も熱を出したの」
「代打の代打かよ」
「……違う。覚悟を決めた私の希望」


140字小説『代打の代打に本命を起用する名将』


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「今朝の占いで『運命の人と出会う』って出たんだ」

 日も落ち、涼しくなってきた夏の夕暮れ。
 遊びに来た幼馴染に相談してみた。

「今日は家から出た?」
「暑いし、用事もないし出てないよ」
「ふむ……喜べ、私が運命の人」

 そう宣言した幼馴染は両手を広げ、ジリジリと僕にすり寄ってくる。
 占い女子怖い。


140字小説『間合いを詰めてくる運命』


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 体育祭が始まり、今は『お題がおかしくて有名な借り物競争』が行われている。

「きみ! 私のこと相当好きだよね!」

 僕が密かに好意を持っている女子が、僕を捕まえて尋問してきた。

「いつもこっそり私を見てくるもんね!!」
「え、あの、はい……その、はい…………スキデス」
「よし!! 走るよ!!」


140字小説『お題「自分に片思いをしてる人」』


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「はぁ? 私を置いて先に行くつもりなの?」
「……違います」

 花火大会会場までの道すがら、彼女を怒らせてしまった。

「浴衣に下駄って思ってる以上に歩きにくいんだよ!」
「ごめんなさい」

 必死に頭を下げる。
 僕はただ、待ち合わせ場所で『「待った?」「いま来たところ」』がしたかっただけなんです。


140字小説『「待った?」「一緒に来たけど」』


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「なんであんたの部屋エアコン壊れてるのよ!」

 予告なくやって来た幼馴染は、文句と汗を垂れ流しながら、僕の部屋に1つしかない扇風機を独占していた。

「部活終わりで体がベタベタする!」
「……自分の家に帰れば?」
「あんたの家のほうが近いからしかたないでしょ!」
「近いって……隣りじゃん、家」


140字小説『水風呂を浴びて、夕涼みをして、ようやくの帰宅』


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